第6話 服

文字数 823文字

まなみに会えると伝えてからも、考え込む性格の僕は迷いに迷っていた。

どうするべきなんだ

迷っているせいか月日の流れを早く感じ、気がつくとクリスマス前日を迎えていた。

僕はテニス漬けの生活だったことや休みの日は釣りに行く程度だったこと、デートなんてしたことが無かったこともありオシャレな服など一切持っていなかった。流石にクリスマスにジャージや中学生の様な格好で行くのは気が引けたので、服を買いに行くことにした。

しかし、問題があり僕はオシャレの知識など皆無に等しく、何を買えばいいのかわからなかった。それにバイトは長期休みに短期で入る程度だったことからお金をあまり持っておらず、安くてオシャレな服を手に入れる必要があった。

それなら行先は1つ。電車賃往復の560円すら痛いと思うほどの金欠高校生がアウトレットに向かった。

アウトレットは綺麗なイルミネーションが華やかに演出され、サンタクロースの格好をした店員や売店で売ってるチキンの匂いなど、すっかりクリスマス気分だった。

僕はとりあえず店舗情報を眺め何軒か回ることにした。どこのお店も大セールといったような値段でひとまず安心した。好みが合いそうなお店を見つけ美人な店員さんに話しかけた。

「こんにちは。明日初めてデートするんですけどシンプルで大人っぽい服ありますか?」

「クリスマスデートいいですね!
お兄さん肩幅あるのでこちらはどうでしょう?」

美人な店員さんはそんなの朝飯前と言わんばかりにオススメのコーデをすぐに持ってきてくれた。試着してみるとサイズまでぴったりで価格も安く、僕はその場で購入することに決めた。

美人な店員さんはとてもフレンドリーだったので少し雑談をしながらオシャレのコツなどもついでに聞いてみた。この時学んだオシャレの知識はその後も役に立っており、今では1人で服を買いに行き、そこそこ上手にコーディネートすることもできる。

ありがとう美人な店員さん
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み