29話 中途半端な『それ』

文字数 1,710文字

何度カーテンの隙間を見ても空は美しかった。まるで『それ』を意識する前の僕の心のように・・

まなみは小さな手を僕の下半身に伸ばしズボンごしに伝わる膨らみを感じ取った。その時の表情は嬉しそうだった。

『すごいね・・ズボン破れそう』

『まなみのせいやで』

『そんなに興奮したの?』

『うん・・』

『でも、ごめんね。今日は女の子の日だから最後までできないよ』

『そっかあ(少しホッとした)』

まなみは僕に謝りつつもズボンを脱がそうとしてきた。しかし僕はベルトをきつく締めているため、まなみはズボンとベルトの隙間に上手く手を入れれないでいた。

『やっと外せた』

まなみは僕のズボンを脱がしてすぐにパンツも脱がした。銭湯ですら恥ずかしく思う僕が女性の前で下半身を露わにした。恥ずかしい気持ちが強かったが、なぜだか清々しい気もした。放流されたばかりの稚魚のように希望に満ち溢れ、元気いっぱいに泳いで行く気持ちというのだろうか、まなみの次の一手が楽しみでならなかった。

そして僕はまなみの着てるシャツを脱がしブラジャーのホックを外した。まなみの胸の形はとても綺麗で控えめな乳首にも興奮し、今すぐにでも飛び込みたい気分だった。下も脱がそうとしたが生理中ということをさっき聞いたので下はそのままにした。

僕が素っ裸なのに対して、まなみは上半身だけ裸でなんだかアンフェアな気がしたがそれも生理中だから仕方がない。まなみは僕の突起物に触れようと手を伸ばした。

まなみが小さな手で生の突起物を握った瞬間全身に電気のようなものが走った。いつも自分でする時とは別の快楽を感じた。いつもは肉体的な快楽だけを感じるが、今日は肉体的だけでなく精神的にも感じていた。

『これであってる?』

『うん・・(もっと強い方がいいけど)』

『ほんまに~?もっと強くとか早くとか言って欲しい』

『じゃあ、両方』

まなみは言われてすぐに両方をしてくれた。突起物は触り方によって、痛いだけや気持ちよくない時もあるがまなみは僕に痛いという感情を与えることなく快楽だけを与えた。それほど熟練していたのであろう。僕は少し寂しい気もしたが快楽に浸っていた。

『本当は入れたいけど今日はダメだから・・口に出す?』

『いいの?』

まなみは僕の返事に頷くとともに突起物を口に入れた。僕は入れられた瞬間この世の快楽とは思えないほどのものを感じた。

(気持ちよすぎる)

おそらくだかこれまでの人生で1番気持ちよかったであろう。口の温かさや舌が触れる時、出し入れする時全てに快楽を感じ全身の力が抜けていった。

そして僕はまなみの口の中で果ててしまった。

『すごい量だね・・』

『めっちゃ気持ちよかったからなあ』

『本当に~?』

『うん。ありがとうなあ』

『よかった』

まなみは何も言わずに僕の汁を飲み干していた。そして、突起物の周りに着いた汁まで綺麗に掃除してくれた。

(ほんまに慣れてるなあ・・
意外にもお掃除フェ○って苦痛なんやなあ)

お掃除フェ○はビデオで観るとすごく興奮するのだが、自分がされると意外にも苦痛だった。考えてみれば男性は果てて数分、突起物に触れられることを苦痛に感じる人が多い。もれなく僕もその中の1人で、普段1人で果てた後はしばらく触らないでいる。

果てた後男性は、賢者タイムと呼ばれる性欲が皆無になる時を迎える。過去に雑誌で読んだ記事によると賢者タイムに男性がどう振る舞うかが、どうやら女性にとっては重要らしい。急に素っ気なくなることや、スマホを触ることなど以ての外である。

僕は以ての外の行為はせずに、まなみを肩に抱き寄せた。

『まなみって絶対、経験豊富やろ?』

『秘密。教えてくれるなら教えてもいいよ』

『3人だけやで・・』

『私も3人かな』

お互いに嘘をついてる・・
そしてお互いの嘘に気づいている気もした。
もし僕が経験豊富ならもっと上手く出来るであろうし、まなみの経験人数が3人ならこれほど上手にできるはずがない。

嘘と嘘の衝突を感じながらもまなみを肩に抱き寄せ少し目を瞑った。
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