第15話 ツーリング②
文字数 969文字
海鮮市場に着いた。今日は絶好のツーリング日和ということもあり、駐輪場には多くのバイクが停められていた。しかし、若いライダーは少なくほとんどが中年ライダーだった。
余談だが、日本には世界に誇るバイクメーカーが4つもある。しかし、日本でのバイクに対する視線は厳しく、3ない運動までしてる始末である。そのせいか若いライダーは年々減少しており、僕のような若者がツーリングスポットに行くとおじさん達に可愛がられる。
「兄ちゃん若いなあ。どっからきたん?」
「大阪の方から来ました。おっちゃんは?」
「ワシらも大阪や。兄ちゃん、なんかジュースこうたるわ。コーラでええか?」
「そうなんですね、これは驚きました。ありがとうございます」
僕は缶コーラを片手に海鮮市場の外にある屋台を回った。屋台には地元の鮮魚が並び、刺身や塩焼き、フライ、唐揚げなど美味しそうなものばかりだった。
僕はそれらを食べ歩きつつ海鮮市場の中に入った。ちょうど僕が入った時にマグロの解体ショーが始まった。マグロの解体ショーを遠くから眺め、職人さんの手さばきに感銘を受けた。
「そこのカップル前に来て」
職人さんがカップルに向かって言った。付き合ったばかりのような若いカップルが前に行くと、その日1番の大トロを無料でもらっていた。大トロをもらった時のあのリアクション、お互いに満面の笑みで見つめ合う目、またもや僕の脳裏から離れなかった。
海鮮市場で名物の海鮮丼を食べ終えた頃には15時を回っていた。今日最後の目的地に向けてバイクを走らせた。最後の目的地とは和歌山一釣れると評判の漁港で、夕方にルアーフィッシングをする予定だ。そのためにコンパクトロッドをバイクのサイドバックに積んでおいた。
漁港に着いたのは16時過ぎ、釣りのゴールデンタイムだ。ルアー釣りは餌釣りよりも頭を使わなければならない。なぜなら、魚を騙し釣り上げるようなものだからだ。魚を騙し釣り上げるという行為はどこか、まなみに対して僕がしていた事と似ているような気がした。好きでもないのに好いているようなそぶりを見せ、クリスマスにデートをし、挙げ句の果てには付き合うまでに至った。
僕がまなみにばれず演じきれたのはルアーフィッシングの手法をそのまま人に転嫁したに過ぎなかったからなのかもしれない。
余談だが、日本には世界に誇るバイクメーカーが4つもある。しかし、日本でのバイクに対する視線は厳しく、3ない運動までしてる始末である。そのせいか若いライダーは年々減少しており、僕のような若者がツーリングスポットに行くとおじさん達に可愛がられる。
「兄ちゃん若いなあ。どっからきたん?」
「大阪の方から来ました。おっちゃんは?」
「ワシらも大阪や。兄ちゃん、なんかジュースこうたるわ。コーラでええか?」
「そうなんですね、これは驚きました。ありがとうございます」
僕は缶コーラを片手に海鮮市場の外にある屋台を回った。屋台には地元の鮮魚が並び、刺身や塩焼き、フライ、唐揚げなど美味しそうなものばかりだった。
僕はそれらを食べ歩きつつ海鮮市場の中に入った。ちょうど僕が入った時にマグロの解体ショーが始まった。マグロの解体ショーを遠くから眺め、職人さんの手さばきに感銘を受けた。
「そこのカップル前に来て」
職人さんがカップルに向かって言った。付き合ったばかりのような若いカップルが前に行くと、その日1番の大トロを無料でもらっていた。大トロをもらった時のあのリアクション、お互いに満面の笑みで見つめ合う目、またもや僕の脳裏から離れなかった。
海鮮市場で名物の海鮮丼を食べ終えた頃には15時を回っていた。今日最後の目的地に向けてバイクを走らせた。最後の目的地とは和歌山一釣れると評判の漁港で、夕方にルアーフィッシングをする予定だ。そのためにコンパクトロッドをバイクのサイドバックに積んでおいた。
漁港に着いたのは16時過ぎ、釣りのゴールデンタイムだ。ルアー釣りは餌釣りよりも頭を使わなければならない。なぜなら、魚を騙し釣り上げるようなものだからだ。魚を騙し釣り上げるという行為はどこか、まなみに対して僕がしていた事と似ているような気がした。好きでもないのに好いているようなそぶりを見せ、クリスマスにデートをし、挙げ句の果てには付き合うまでに至った。
僕がまなみにばれず演じきれたのはルアーフィッシングの手法をそのまま人に転嫁したに過ぎなかったからなのかもしれない。