第24話

文字数 537文字

平中クン、おまるを洗う係りの女中から、強奪したのだ!
そのおまるは漆で金の綺麗な装飾がされている。

恐る恐るふたを開けると、丁子(香辛料のクローブ)の香り、薄黄色の水と黄黒いブツが3切れほど入っている。

木の切れ端で突き刺し、嗅いで見るとお香の香り(高級品の黒方・・源氏物語にもでてくる)
平中クン、黄金水(聖水)を飲んでみようと決意!!
ドキドキ!!

黄色の水をすすり、ブツをなめてみるとほろ苦く、甘い。
黄金水は丁子を煮た汁。
ブツはなんと、芋を香と甘味料でつくったダミーだったのだ。

平中クン、この侍従の行き届いたヘンタイ対応に、いたく感服して、より深くほれ込んでしまった。

ちなみに黒方というお香ですが、源氏物語でも出てきます。
冬のお香で沈香という貴重な香木を使っています。
しかし、ダミーブツをつくるのに、そこまでの高級品の練り香を使うか?
犬とか猫のブツでもいいんじゃね?
ああ、この時代、猫ちゃんは高級ペットでしたね。

雅ゆえ、匂いにもこだわったのでしょうね。
平安時代から、こっち系のヘンタイさんがいたので、対応を女房達も考えていたかも。

この話は芥川龍之介も書いていて「好色」という題名です。
おまるのふたを開ける時の葛藤表現が・・・勉強になります。
芥川29歳の時に書いたんだよーーーーン!


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