第19話

文字数 1,738文字

フランス書院様では「フランス書院文庫官能大賞」という企画を年に2回実施しています。
今回は32回ということで、歴史があるものであり、プロ作家の登竜門としての関門にもなっています。
大賞が賞金100万は大盤振る舞いですね。
応募する人もプロの官能小説作家を目指しているわけです。

なにしろフランス書院様は「官能小説オンリー」の出版社(三笠書房の子会社)であり、非常に専門性の高さを屹立しているわけです。

ここで売れる作品はどのようなものか、簡略すれば「読者に突き刺さる・興奮させることができる」作品を追求するのが、作家さんと伴走する編集者の方々です。

特に編集者目線は営業利益、販促、重版できるかどうか、そろばんをはじいていますから、作家さんをシビアに査定してくるわけですね。
さて、読者は何を求めているのか・・・・・

端的に表現しているものが、本の帯ですね。
思わず、これ何?と関心を引くキャッチーな短文表現。
もうひとつは、「官能大賞」の講評を読むと、よくわかります。
詳しくはHPの「官能大賞」結果発表を読んでみてくださいませ。

引用すると長くなるので、作品講評で記述されているキーワードを並べます。

#凌辱ファン #本格凌辱路線 #マゾ小説の系譜 #女性を墜とす過程の描写(最も読者が求めている)#野獣である男の描写 #暗澹たる世界観 #羞恥と快楽(ヒロイン視点)
#禁断の要素 #タブー性 #女性側の禁忌感 #濃密な官能小説
#みだらさをウリにする #緊張感や葛藤を乗り越える過程を丁寧に描写
#支配、征服、調教 #男性側の愉悦の感情 #立場や人間関係から生じる背徳感
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<分析結果について>
前提とする読者層ですが、中高年の男性です。
路線は二つ、凌辱系と誘惑系です。
#を見ていると、女性読者の多いBL系とは異なる系譜なのが、興味深い。

分析①
テストステロンの攻撃性を満足させる「おつくり」でないと、売れない。
#凌辱・野獣・支配・調教・征服・愉悦の感情・墜とす
上記の要素がないと、オトコはハラハラ・ドキドキ・キュンキュンしないってわけですね。
ちなみに
テストステロンは筋肉をつけるホルモンでも有名ですが、「筋トレ大好き少年」がとても多い。

分析②
禁忌・タブー・禁断
このことから、人間関係や葛藤をどのように構成するかが、作家さんの腕の見せ所です。
モノカキは不幸をうまくつくらなければならないのですが、官能界では、特に禁忌・禁断的要素が重要なのだと改めて思いました。
ふーーーーん。
だから背徳感につながるんだよね。
背徳感があるから、ゾクゾクするってか?

分析③
凌辱系では女性の羞恥をいかにうまく描写するか、しかもそれを快楽に、抗えない状態にまでおいつめる。
そこには偉大なる葛藤があります。
「やりたい」「うん、いいよ」ではドラマにならないし、葛藤もない。
妄想もできないわけですね。女性が、恥ずかしがってくれないとダメなのね。
誘惑系は、ためらいながらも女性がリードするパターンですか。

分析④
現在、視覚情報(アニメ、漫画、AV、ゲームその他諸々)優位の娯楽が多い中、テキスト画面だけで勝負するのは相当に描写力がないと、読者を引っ張ることができない時代。

しかし、情報の基礎はすべて文字描写に還元される。
本が売れない時代、電子書籍の普及でエチ系は女性も手を出しやすくなっている。
なので、男性推しと女性推しの研究は必須だ。

大きなビジネスチャンスとして(海外展開まで視野に入れるのなら)男性推しの方が有利で売れるのだと思う(少年ジャンプなどの事例から)

結論
やっぱり、エチ描写は肝になるのよね。
あんこも、こしあん、粒あん、白あん、ずんだ、抹茶、いろいろなテイスト、食感がある。
私は粒あんが好きなんだけどね。おはぎも粒あんで、きな粉がかかっているのが好き!

ちなみに、「結城彩雨」先生、肛系の大家の先生ですが、私は「彩雨」というお名前がとても素敵だなと思っております。
作家さんのペンネームから、どんな作風でお書きになるのか想像するのも好き!

あと、フランス書院様のマスコットマークが「黒猫ちゃん」なのですが、かわいいですよね。
なぜに、黒猫ちゃんなのでしょうか?
牡鹿の角でもよかったのでは?






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