第40話 車の性能アップに驚く、さすが日本車は良い

文字数 2,331文字

 ニュースで「70歳過ぎの高齢男性が、ブレーキとアクセルを間違え、コンビニに車を突っ込んで大けがをしました」と、高齢者全部が車運転に適してないように聞こえる。僻みだろうか。妻も「あなたも高齢なのだから、免許証を返上したら」と再三いう。「それじゃ運転で、私の行きたい所に連れて行ってくれるのか」というとそうでもない。
 「タクシーを使えば」というが、金持ちでもなし、そう手足のように再三は使えない。車がないとバス、電車だが、時間が制約され、車の数倍の時間を費やさねばならない。のんびり待つのは、好きじゃない。車社会となり、ローカル電車は廃線、バスだって人口の少ないところは走らない。田舎の高齢者が買い物難民になり、90歳過ぎても車を運転せざるを得ない。好きだからでなく、生きていく為だ。社会体制さえ整えば、高齢者だって危険な車を運転しないだろう。
 
自動車免許の更新。これも高齢者には差別的である。認知診断のため、高齢者に講習会が義務づけである。「今日は、何日か分かりますか?」と質問。働かない毎日は、時の観念が疎くなっている。毎日が日曜日。日にちは、覚える必要も無い。一日終れば、有難いことだ、明日に多くは望まない。 スライドに鳥や家電製品や乗り物を、最初に映写する。30分後どれくらい覚えているか判定。三割以下の記憶の人は、病院で認知検査してもらえとなる。
 成績のいい人は、運転実技の受講料が安くなる。教習所に行って実技でもチェックされる。ペーパードライバーは運転未熟で、コース脱輪したりする。それでも呆けてなければ、免許更新させる。ホントに認知が進んでいるときは、ほんとに運転していいのか医者の診断がいるという。3年に一度受けるのが憂鬱である。
 高齢者はこの審査にパスしないと免許をくれない。父は93歳まで独居生活をし車を運転していた。以前は、高齢者講習などなかった。人身事故はないが、車を車庫の柱に擦っていた。「危ないからやめたら」と私は言ったことがない。認知でもないし。運転できるし買い物も必要。年寄だけが事故を起こすわけじゃない。

 10年前、一時停止を見落とし、相手の車の後部にぶつけてしまった。前部が中破し、買い換えた。プリウスが出始めたころで恰好よく、燃費が抜群にいいと評判なので買った。ハイブリッドというガソリンと電気の組み合わせの車である。月一万円かかっていたガソリン代が6千円で収まる。画期的な車が発明され、燃費も車の馬力もいい。電気の時は音もせず、車が近づいたことが分らず、びくっとする経験を何回もした。プリウスも気に入り無事故で10年間乗った。買い替えの時期、下取りも下がっている。最近、急発進に対応する装置がついていると宣伝にある。妻も「ブレーキとアクセル間違え踏み込んでも車が感知し急発進しないそうだから、これに変えたら」とアドバイス。「車体も短い方が運転しやすいから、セダンでなくコンパクトカー
にしたら」言う通りにして、財政担当の妻に金を支払ってもらった。

 新車は良いものである。車内の匂いも、出足もいい。最近はカメラが搭載され、事故状況も撮影され、事故処理に有利らしい。カメラが四方を撮影し、宇宙衛星からの電波も利用されている。どこを走っているか、障害物は近くにあるか認識する。これらを使い、発明進化し新車に搭載されている。そのひとつが、バック自動運転だ。私はバックが苦手で苦労する。石垣にぶつかるまでバックしたこともある。前進は問題ないが窓から首を出しチェクしながら下がる。それでも少し斜めに駐車。枠内であれば問題ないだろう。
 こんどの車の名は「アクア」という。バックするとき、車が周囲の状況を確認し、自動的に動かせるらしい。営業マンが「こうやるのです」とボタンを二回ほど押す。するとハンドルの手を離しても、ブレーキを踏まなくても、車は地面の白線の通りバックし停車する。自分でやってみても、出来た。購入後、近くのスーパーの駐車場で、車の少ない所を狙って練習。停車し、パーキングの「P」を押せば、ブレーキがかかる。 そして「自動P」のボタンを押す。すると「環境が適合しません」と表示され、動かない。やっぱり不具合もあるのだと、車の性にする。
 自分は、正しいと思うのに車は動かない。店で1か月点検後、再度自動バックの仕方を習った、営業マンがやるとスムーズにバックし動く。その後、スーパーの駐車場で空いているスペースの横に車を止めた。「P」を押さずに、足ブレーキを踏みながら、「自動P」を押す。すると画面に駐車位置が表示。よろしければ、「開始」を押してください。「踏んでいるブレーキを外して」と指示。ハンドルもブレーキも離すと、心配になる。しかし車はひとりで前進、後退を繰り返し、駐車位置を示しながら、正確に所定場所に止めるのだ。コツが分かり他の場所で何回もやる。段々馴れてくる、白線のない自宅の駐車場でも見事に車が自動運転しバックし所定位置にとまる。これは素晴らしき発明実用化である。苦手なバックを代行してくれる。手も足も離す。上手にバック。その便利さには、誰でも驚くだろう。車の進化には、今回はとても驚きである。
 今やバックは車にお任せ、しかしよく見ていないと、変な所へ止めようとすることもある。油断はできない。障害物があると、ピーピーとうるさく表示する。目が四つと空からも見ているのだ。便利に進化する車に、今回ほど感動したことはない。
その内、全ての車が当り前のように、自動走行しし、目的地まで連れて行ってくれ。老人も目的地のボタンを押せば、車は安全にそこまで運んでくれる。
老人に優しい時代が近付いている。
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