第19話 出合いの本

文字数 573文字

 読むこと、書くこと、推敲することが文章作りには必要な三大要素であるという。
外山慈比古さんの「思考の整理学」を初めて読み、まさに学ぶことが多かった。
 例をあげ、分かりやすく書き進める。そして抽出した考えを披露する。エッセーを
書こうと心がけた私にとり、素晴らしい導きの本となった。
 兼好法師の「徒然草」も、物事を少し斜に構えて観察するという方法も、こんな
ものかと教えられた。表から見るのが人生の大半であったが「物事を裏からも見
てみろ」といわれた。真面目な私にはどうも意味が分からなかった。何十年も表か
ら物事を見て、考え行動してきたのに、裏から観察することにより、独創的な作文
も書けるのだということに漸くにして気づいた。
 何事も遅いからダメだということはない。気づいてから行えば新しい世界を経験
することができる。
 土曜日に医院の駐車場で親類が心筋梗塞で、倒れ亡くなっていた。亡くなり葬
儀が行われ火葬で白い遺骨を箸で拾った。心からご冥福をお祈りいたします。
 考えが浮ばなくて1週間文章が書けなかった。人の命に終わりがある。晩年の
父は「死んだら何も無くなってしまう」とよく嘆いていた。「お父さんのDNAが僕た
ちの中に残っているよ」と慰めた。今は天国で安らかに過ごしているだろうか。
 残された人生、1日1日を自分の思うように、楽しく過ごして生きたいと思う。
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