第4話 小説の体裁と校正
文字数 2,761文字
ここで、『作品の体裁を整える方法』
一.応募する文学賞(新人賞)の募集要項に載っているフォーマットを活用する。
応募する文学賞のサイトにフォーマットがなければ、他の文学賞のフォーマットを参考にする。例.小説す〇〇新人賞、す〇〇文学賞、小説現〇長編新人賞
二.カーニングを外す、自動調整を外す等(方法はネットで検索してね)をし、一ページごとの行数や文字数を(行番号や文字カウントで)チェックする。
三.『文字数、行数は四〇字×三〇行、もしくは三〇字×四〇行』
(注)応募要項に、文字数、行数、字の大きさ等の指定がある場合は、必ず規定に従う。
四.『字の大きさは一〇.五pt』
以前、『字の大きさはどれくらいがいいか』が気になり、ネットで検索しました。
「審査員は年配の人が多いから大きめがいい」、「無理に大きくすると一行の字数をオーバーする」等々、いろんな意見を読みましたが、導き出した結論は、『字の大きさは一〇.五ptでいい』です。ある下読みさんのサイトでもそう言っていたから大丈夫だと思います。
(注)応募要項に字の大きさが指定してあればそれに従って下さい。
(注二)応募要項の規定は絶対です。確実に守りましょう。私のたわ言より、応募要項、応募要項、応募要項、です!
体裁が整うとそれだけで小説に見えるから不思議です。初めて自分の作品をフォーマットに落とし込んだ時、作家になった気がしました。(……単純)
書き始めて間もない頃、初めて買ったプリンターで出力した作品を目にした時、同じ高揚感がありましたね。(やっぱり、単純)
フォーマットの存在を知って以来、下書きや校正の段階からそのフォーマットを活用するようにしています。余白が広いと校正もしやすく、読みやすいです。
「とっくにやっているよ」という方はスルーして下さいね。私が無知なのです。
『校正は嫌になるくらい、締め切り間近までしましょう』
校正の間も、入力する間も読み返し、校正と入力が終わり原稿を出力した後は、次の校正まで原稿を一週間置くのが理想です。プロの作家さんによっては出来上がった原稿の最終校正は一ヵ月開けるそうですが、そんなことをしていたらアマチュアの方は締め切りに間に合いませんよね。
ならばせめて一週間……と思いますが、私は待ちきれず四、五日開いたら校正に取りかかっています。私は一作品につき校正は七回と決め(それ以上の時もあります)、校正一回につき三週間から一ヵ月かかります。それくらい校正すると、五〇〇枚を超える長編であってもどの辺りに何が書いてあるのか、頭に入ります。
『校正は飽きるくらいではなく、嫌になるくらいしましょう』
なぜこんなことを言うのか。
私は第一作目『クロス』を、二、三回の校正で出しました。
その時は「できた」と興奮していましたし、締め切り前日(当日消印有効)で時間がありませんでした。幸運にもそれが一次予選を通過できたので満足していました。
それから数か月後、「応募した原稿全てに編集者が目を通し、返事を出す文学賞がある」ことを知り、私はその作品を二回くらい読み直し、ささっと手直しした後、その文学賞に出しました。
後日、編集者からお手紙が届き、
物語の構成、キャラクターの描写、いくつかの項目ごとにA、B、C、……評価が書かれ、そして編集者のコメントが書かれていました。
「前後のシーンが繋がらない。説明不足な箇所がある。登場人物のセリフが変化している」という文面の後、「作品自体の講評はここまでにして、」という前置きに続き、
「誤字脱字が多すぎる。一箇所、二箇所ならまだ分かるが、何個所もペンで修正した作品を送るのは読み手に失礼である」と書かれていました。
どっひゃあと、冷や汗&心臓バクバクもので、パタッと畳に突っ伏したのを覚えています。新入社員が社長に怒鳴られるくらいの衝撃、と言えば、理解してもらえるでしょうか……。数日は封筒を見るだけで鳩尾が痛くなりました。……打たれ弱いんです、私。
言い訳にもなりませんが、〈編集者が読んでくれる〉と喜び勇み投稿を急いだため、誤字脱字に気づいても印刷し直すことはせず、(三〇〇枚以上ある原稿の)一〇箇所以上を直接ペンで書き直して出しました。
(注)ここで取り上げた「応募作品全てを編集者が読んでくれる」文学賞が今現在もあるかどうかは分かりません。応募者が殺到し、作業が追い付かなくなり簡素化した話は聞き(読み)ました。
この経験のおかげで、私はしつこいくらい読み直し(校正し)、また場面と場面の繋がりをやたら気にするようになりました。上手く端折れないからか、私の作品は長くなりすぎる傾向があり、実際、私が書いた作品は全て原稿用紙三〇〇枚以上あります……。
失敗談はここまでにして、お伝えしたいのは、
出力した後は「できた」と興奮していますし、〈できた作品は早く投稿したい〉という気持ちは重々理解できますが、そこをぐっとこらえて、もう一度校正しましょう。
どれほど「できた」作品も、冷静になってみれば粗(あら)が見えてきます。「面白ければ多少の誤字脱字があっても読んでくれるだろう」という考えは危険です。誤字脱字が多ければ、それだけで読む気が失せる人もいますし、内容もその程度だろうと考える人もいます。
私は読書に没入していても、誤字脱字が見つかると、現実世界に引き戻されます。「ここ、違う」、と。例えるなら、魚を食べていたら骨が喉に刺さった、みたいなものです。
もちろん、誤字脱字は、小説家志望の方だけでなく、プロの作家さんにもあります。
私は、誤字が何箇所もある芥川賞受賞作品を読んだことがあります。誰も気づかなかったのだろうか、担当者は指摘しなかったのだろうか、と驚きました。
他の文学賞の最終選考に残った作品でも、審査員が「誤字脱字が散見される。辞書をしっかり引いて書くこと」と講評していたりします。歴史物なら、時代考証が違うなど、指摘されています。
これらの指摘は、校正で誤字脱字をチェックし、時代背景や史実を調べていれば、防げたミスだと思います。
繰り返しになりますが、
『校正は嫌になるくらい、締め切り間近までしましょう』
『校正は紙原稿でする』
手直し(校正)する時は、パソコンに入力し修正した原稿を出力し、紙原稿で校正することを、お勧めします。
紙原稿の方がじっくり読めると思いませんか? 私は、パソコン上より紙原稿での方が集中できます。感情移入も紙原稿の方が出来るので、個人的には、web上で読むより、紙で読む方が好きです。
……といいながら、この活動記録?は私の中では作品でないので、一度も出力して校正していません。
(注)画面上では何度かしております。
一.応募する文学賞(新人賞)の募集要項に載っているフォーマットを活用する。
応募する文学賞のサイトにフォーマットがなければ、他の文学賞のフォーマットを参考にする。例.小説す〇〇新人賞、す〇〇文学賞、小説現〇長編新人賞
二.カーニングを外す、自動調整を外す等(方法はネットで検索してね)をし、一ページごとの行数や文字数を(行番号や文字カウントで)チェックする。
三.『文字数、行数は四〇字×三〇行、もしくは三〇字×四〇行』
(注)応募要項に、文字数、行数、字の大きさ等の指定がある場合は、必ず規定に従う。
四.『字の大きさは一〇.五pt』
以前、『字の大きさはどれくらいがいいか』が気になり、ネットで検索しました。
「審査員は年配の人が多いから大きめがいい」、「無理に大きくすると一行の字数をオーバーする」等々、いろんな意見を読みましたが、導き出した結論は、『字の大きさは一〇.五ptでいい』です。ある下読みさんのサイトでもそう言っていたから大丈夫だと思います。
(注)応募要項に字の大きさが指定してあればそれに従って下さい。
(注二)応募要項の規定は絶対です。確実に守りましょう。私のたわ言より、応募要項、応募要項、応募要項、です!
体裁が整うとそれだけで小説に見えるから不思議です。初めて自分の作品をフォーマットに落とし込んだ時、作家になった気がしました。(……単純)
書き始めて間もない頃、初めて買ったプリンターで出力した作品を目にした時、同じ高揚感がありましたね。(やっぱり、単純)
フォーマットの存在を知って以来、下書きや校正の段階からそのフォーマットを活用するようにしています。余白が広いと校正もしやすく、読みやすいです。
「とっくにやっているよ」という方はスルーして下さいね。私が無知なのです。
『校正は嫌になるくらい、締め切り間近までしましょう』
校正の間も、入力する間も読み返し、校正と入力が終わり原稿を出力した後は、次の校正まで原稿を一週間置くのが理想です。プロの作家さんによっては出来上がった原稿の最終校正は一ヵ月開けるそうですが、そんなことをしていたらアマチュアの方は締め切りに間に合いませんよね。
ならばせめて一週間……と思いますが、私は待ちきれず四、五日開いたら校正に取りかかっています。私は一作品につき校正は七回と決め(それ以上の時もあります)、校正一回につき三週間から一ヵ月かかります。それくらい校正すると、五〇〇枚を超える長編であってもどの辺りに何が書いてあるのか、頭に入ります。
『校正は飽きるくらいではなく、嫌になるくらいしましょう』
なぜこんなことを言うのか。
私は第一作目『クロス』を、二、三回の校正で出しました。
その時は「できた」と興奮していましたし、締め切り前日(当日消印有効)で時間がありませんでした。幸運にもそれが一次予選を通過できたので満足していました。
それから数か月後、「応募した原稿全てに編集者が目を通し、返事を出す文学賞がある」ことを知り、私はその作品を二回くらい読み直し、ささっと手直しした後、その文学賞に出しました。
後日、編集者からお手紙が届き、
物語の構成、キャラクターの描写、いくつかの項目ごとにA、B、C、……評価が書かれ、そして編集者のコメントが書かれていました。
「前後のシーンが繋がらない。説明不足な箇所がある。登場人物のセリフが変化している」という文面の後、「作品自体の講評はここまでにして、」という前置きに続き、
「誤字脱字が多すぎる。一箇所、二箇所ならまだ分かるが、何個所もペンで修正した作品を送るのは読み手に失礼である」と書かれていました。
どっひゃあと、冷や汗&心臓バクバクもので、パタッと畳に突っ伏したのを覚えています。新入社員が社長に怒鳴られるくらいの衝撃、と言えば、理解してもらえるでしょうか……。数日は封筒を見るだけで鳩尾が痛くなりました。……打たれ弱いんです、私。
言い訳にもなりませんが、〈編集者が読んでくれる〉と喜び勇み投稿を急いだため、誤字脱字に気づいても印刷し直すことはせず、(三〇〇枚以上ある原稿の)一〇箇所以上を直接ペンで書き直して出しました。
(注)ここで取り上げた「応募作品全てを編集者が読んでくれる」文学賞が今現在もあるかどうかは分かりません。応募者が殺到し、作業が追い付かなくなり簡素化した話は聞き(読み)ました。
この経験のおかげで、私はしつこいくらい読み直し(校正し)、また場面と場面の繋がりをやたら気にするようになりました。上手く端折れないからか、私の作品は長くなりすぎる傾向があり、実際、私が書いた作品は全て原稿用紙三〇〇枚以上あります……。
失敗談はここまでにして、お伝えしたいのは、
出力した後は「できた」と興奮していますし、〈できた作品は早く投稿したい〉という気持ちは重々理解できますが、そこをぐっとこらえて、もう一度校正しましょう。
どれほど「できた」作品も、冷静になってみれば粗(あら)が見えてきます。「面白ければ多少の誤字脱字があっても読んでくれるだろう」という考えは危険です。誤字脱字が多ければ、それだけで読む気が失せる人もいますし、内容もその程度だろうと考える人もいます。
私は読書に没入していても、誤字脱字が見つかると、現実世界に引き戻されます。「ここ、違う」、と。例えるなら、魚を食べていたら骨が喉に刺さった、みたいなものです。
もちろん、誤字脱字は、小説家志望の方だけでなく、プロの作家さんにもあります。
私は、誤字が何箇所もある芥川賞受賞作品を読んだことがあります。誰も気づかなかったのだろうか、担当者は指摘しなかったのだろうか、と驚きました。
他の文学賞の最終選考に残った作品でも、審査員が「誤字脱字が散見される。辞書をしっかり引いて書くこと」と講評していたりします。歴史物なら、時代考証が違うなど、指摘されています。
これらの指摘は、校正で誤字脱字をチェックし、時代背景や史実を調べていれば、防げたミスだと思います。
繰り返しになりますが、
『校正は嫌になるくらい、締め切り間近までしましょう』
『校正は紙原稿でする』
手直し(校正)する時は、パソコンに入力し修正した原稿を出力し、紙原稿で校正することを、お勧めします。
紙原稿の方がじっくり読めると思いませんか? 私は、パソコン上より紙原稿での方が集中できます。感情移入も紙原稿の方が出来るので、個人的には、web上で読むより、紙で読む方が好きです。
……といいながら、この活動記録?は私の中では作品でないので、一度も出力して校正していません。
(注)画面上では何度かしております。