ー2ノ1-

文字数 445文字




壁に見える封印の場所ー開け方は伏せさせてもらう。




彼は壁の前に立っていた。



屋敷の門前で止まり。

一呼吸。



迷わず。

「封印の壁」に足を進めた。




彼は下調べなぞしない。

話を聞き、いきなり

その場に向かう。

もっとも

直接「話を聞く」のは住職だ。

彼は住職から聞いて

その地へと向かう。



彼の元に来る話は

全て面倒な相手ばかりだった。






屋敷の中は 通常の場所は全て引き戸だ。

その封印の壁ー

その場所だけ。

蓋状に剥がす形になっていた。



簡単にだけ説明ー

実際はもっと複雑なのだ。



正確な構造は教えられない。

知らない方がいい。




映画やTV番組で観る様な

護摩壇があったり、

読経の最中

炎の中に札を投げ入れたり。



なんてことは全くない。



彼は至って軽装なのだ。

大仰な荷物も特にない。










見るんじゃなかった。

やめときゃよかったー!

なんで見てしまったんだ!!!



彼が封印の蓋を開け。

意図せず

見てしまった。



彼超しに

目に飛び込んだ光景。




封印の中

三畳程。

畳の間があった。

天上。

やたらと高い。

先が見えない。






蓋戸を剥がし

ゆるり。

外の、差し込む光。

浮かび上がる室内。

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