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文字数 348文字





駅前のカメラ店からの電話だった。



写真を取りにいく。



呆然としたままの数日。



受取り票の日付で

過ぎた日数に驚いた。






ショックで止まっていた時間。

取り戻すかのように動き出す。




出来事は ここから加速するーーー







店先で 中身を確認する。



旅行。

行きの道中ー

崖で撮ってもらった写真だけがない。




写真だけではなかった。

フィルム。

そこだけ切り取られていた。



3人最期の写真なのに。

涙が滲にじむ。




店主は言うのだ。



「あれは見ない方がいいです。」



現像は出来た。



「やめた方がいいよ」



どうしてもと何度も食い下がると、

店主はしぶしぶ奥の部屋から写真を持ってきた。



写真に写る3人。



車で死んだ彼女ー

首から上が消えていた。



歩道橋から転落した彼女ー

足が細かく消えていた。



写真を取りにきた彼女ー

体中あちこちが消えていて。



目が無かった。



声も出ない。
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