-7締-
文字数 603文字
店主は、カメラ屋を手放した。
修行寺から帰って、
昼夜問わず 妙な囁き声が聞こえ続けた。
耳鳴りのように奥で響く小さな声が止まらない。
持ち帰ったお札は すぐに文字が濡れて崩れてしまった。
それ以外は
大した出来事は起きてはいない。
ただ
無性に怖くなった。
住職は店主がその後どうしているかは知っているようだが、
「お元気ですよ」
としか言わない。
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3人目の彼女ー
その後の様子は判らない。
家族への連絡や他の2人のことに関しては
やはり住職が修行僧の代わりに 色々手を尽くしていたようだ。
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祓えないモノの この話を最初に聞いた時から
山を三つは超えるほどの年月が経っていると思う。
今、
住職は鬼籍に入られ久しく。
修行僧は あい変わらず。
彼女はどうなったんだろうか。
「祓えないモノはある。
外に広がらないように 封じ続けるだけ。」
修行僧は 今でも封じの行を続けているのだろうか。
「アレは、オとした」
なにかの折に
修行僧が呟く。
アレを?
アレ・・・オとした?
落とした?
封じは続いている、と聞く。
落としたものは
何に封じた?
3人目の彼女。
生き残った。
とだけ聞いている。
それ以上は誰も答えてくれない。