第6話:サリン事件と双子の誕生

文字数 1,533文字

 8月27日、金丸信自民党副総裁が東京佐川急便から5億円を受け取っていたと公表して、自民党副総裁辞任を表明した。その後、10月14日、議員辞職した。9月18日、ロッキード事件全日空ルートの若狭仁得治全日空名誉会長の上告審で最高裁が上告を棄却し、懲役3年、執行猶予5年が確定した。10月30日、大蔵省が都市銀行など21行の不良債権額が9月末で12兆3千億円と発表された。

 1993年1月1日、EU12か国による単一市場が発足した。この頃、和泉智則は金沢農協でトラックで希望する農家に肥料、修理し耕運機を配達していた。受付と電話番は、和泉智則の1歳年下で横浜商業高校を卒業した蓑手泰子が担当するようになった。そして、配達の連絡も彼女が和泉智則に知らせる様になり親しくなった。その後も映画を見に行ったり箱根、丹沢にドライブした。

 5月8日、大蔵省、経常収支の黒字は前年比39.7%増の1260億7600万ドルで過去最高と発表された。8月13日、気象庁が「1954年以来の冷夏になった」と発表した。8月17日、米ドルが一時100円40銭になった。9月30日、1993年産コメ作況指数は80で戦後最悪となり凶作で政府が緊急輸入を決めた。12月16日、田中角栄元首相が死去、享年75歳。

 1994年が明けると和泉夫妻が源実朝、ゆかりの瀬戸神社に初詣に出かけた。ここは中世より風光明媚な「金沢八景」と名付けられて親しまれた景勝の地である。お賽銭を入れてお参りし、神社の周り一回りした。その後、神社周辺を歩いて回ると、いまだに青い海と緑の山並みが残っていた。1994年6月22日、ニューヨーク外国為替市場で一時1米ドル・99円85銭を記録した。

 こうして、戦後初の100円割れとなった。6月27日、長野県松本市の住宅街で住民が有毒ガスによる中毒症状を訴えた。その結果、7人が死亡、58人が重軽症を負う松本サリン事件が発生した。9月4日、関西国際空港が開港した。10月13日、作家の大江健三郎にノーベル文学賞が授与された。

 12月2日、泰子さんが体調が悪いというので和泉が近くの産婦人科に連れて行くと双生児の妊娠が判明し1995年5月27日予定日と知らされ、直ぐに彼女の母に伝えると喜んでくれた。1995年が明けると双生児が誕生すると和泉一家が現在入居してる逗子の2DKの別荘では狭すぎるので別荘を出ると和泉が父に話すと売ると言った。そして、養育費に使えと百万円の祝い金をくれた。

 その後、毎週、休みの日に和泉智則に公営の団地、アパート、マンションで3DK以上の借家を探し続けた。ところが安価で広い部屋は、なかなか見つからなかった。その後、1月17日に阪神地方でマグニチュード7.2の直下型地震「阪神・淡路大震災」が発生した。そして、兵庫県を中心に建物の倒壊や火災が相次いだ。さらに交通、通信、電気、水道などのライフラインが寸断された。

 この阪神・淡路大震災では死者行方不明者6437人を出した。2月22日、ロッキード裁判丸紅ルートで最高裁が田中角栄元首相への5億円賄賂の受け渡しを認めた1、2審の有罪判決を維持した。そして、最後まで残った元丸紅会長と元秘書官ら2人の上告を棄却した。16人が起訴された裁判は公判中死亡の5人を除く全員の有罪で決着した。

 3月20日、都内の地下鉄日比谷、丸ノ内、千代田各線の電車内に猛毒ガスのサリンがまかれた。そして、乗客や駅員ら10人が死亡、5千人以上が重軽症する地下鉄サリン事件が起きた。3月22日、警視庁がオウム真理教関連施設を捜査を開始し、教団の幹部を多数逮捕した。4月下旬に六浦駅から徒歩15分の所の住宅街に3DKで家賃8万円の古家を探した。
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