第19話:安倍首相・襲撃事件

文字数 1,505文字

 11月18日、ロサンゼルス・エンゼルス所属の大谷翔平がアメリカンリーグの最優秀選手賞「MVP」を受賞した。2020年が明けると1月16日、日本国内で新型ウイルス感染症「COVID-19」の感染者が初めて報告された。2月3日、新型ウイルスの集団感染が報告されたクルーズ船・ダイヤモンド・プリンセスが横浜港へ寄港、長期間の検疫体制に入った。

 3月24日、新型ウイルスの世界的流行に伴い、2020年東京オリンピック、パラリンピックの開催が「1年程度」延期されることが決定した。12月6日、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が地球へ帰還し、回収カプセルをオーストラリアのウーメラ試験場に投下した。2021年が明けると、2月17日、新型ウイルスワクチン「ファイザー製」の国内接種が開始された。

 7月~8月、新型ウイルスの世界的流行に伴い史上初の延期が決定された第32回夏季オリンピック「東京オリンピック」と第16回夏季パラリンピック「東京パラリンピック」が開催された。10月26日、秋篠宮家の長女・眞子内親王が大学時代の同級生・小室圭と結婚し、民間人となった。11月18日、ロサンゼルス・エンゼルス所属の大谷翔平がアメリカンリーグの最優秀選手賞「MVP」を受賞した。

 日本人選手の最優秀選手賞「MVP」受賞は2001年のイチロー以来2人目となる。2022年が明けると第26回参議院議員通常選挙「6月22日公示・7月10日投開票」の選挙期間中で安倍首相は連日、自由民主党公認の立候補者の応援演説を行っていた。7月8日10時5分、安倍は羽田発の航空便で伊丹空港に到着した。11時10分、佐藤の街頭演説会が開始された。

 演説会は大和西大寺駅北口から東に50メートルほど離れた交差点中央のガードレールで囲まれた安全地帯で行われた。安全地帯の真南には県道104号谷田奈良線が通っていた。駐車スペースがないため、選挙カーは安全地帯から北に約20メートル離れた場所に止められた。実行犯の男は、演壇の右斜め後ろ南東」約15メートルの歩道に立っていた。

 演説台のそばでは、警視庁警備部警護課のSPを含む4人の警察官が警護に当たっていた。そのうち3人はガードレールの内側におり、1人はガードレールの南東の外側で後方を警戒していた。県警は長年の前例を踏襲し、現場には制服警察官を配置しなかった。自民党県連は聴衆の整理のため、スタッフ15人を配置していた。

 また佐藤陣営は県道104号谷田奈良線の交通量が多いため5人の警備員を雇って交通整理に当たった。11時18分14秒頃、安倍は警察官とともにガードレールの内側に到着。安倍首相が姿を現すと前方の聴衆が増え始めた。11時23分過ぎ、佐藤自身による演説が開始。ガードレール内にいた県警の警察官は後方の警戒を担当していた警察官に対し11時26分頃までにガードレール内に入るよう指示した。

 後方担当の警察官は聴衆が増えてきた前方右手「東側」の警戒を主に行った。他の場所にいた統括役の警察官には、この変更は無線で伝えられなかった。そして後方だけを警戒する警察官がいなくなった。11時29分少し前、安倍は佐藤とグータッチを交わした後、高さ約40センチの台の上で駅のロータリーを背に応援演説を開始した。

 被疑者の男はその直前に歩道と車道の切れ目あたりに移動した。11時29分51秒頃、被疑者の男は歩道角で周囲を見渡していたが11時半からバスロータリー沿いの歩道を徒歩でゆっくりと南進し始めた。11時半過ぎ、安倍の真後ろにいた選挙スタッフの男性が演壇の右方向「東方向」に移動し、脇から安倍をカメラで撮影した。
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