第18話:リーマンS、古いが広い借家

文字数 1,504文字

 リーマンショックで損害を受けた富裕層が損金穴埋めのために売れない物件を賃貸に回しているのではないかと言われた。不動産屋に聞いても秘密事項であり口外できないと言うばかりだった。そこで、4LDKで月30万円の物件を借りようかと奥さんが猛反対して、むしろ農家の大きな土地を購入して自宅と借家を建てるべきだと言われた。

 そこで橫浜市内で広い土地を探すと2008年3月末に新しく開通した横浜市営地下鉄グリーンラインの高田町駅近くに古い農家がかなりあることが判明した。そこで、地元の不動産屋に100坪を越える農家の古家付きの土地が出れば。現状渡しで極力安く買いたい地言うと了解しと4軒の不動産が答えた。その後、古い農家で売却する可能性の高いところが4、5軒あった。

 こうして6月末、2軒で売りたいと話があり価格は103坪で4千万円と115坪で5千万円であった。そこで、現地を吉池不動産屋と見て回ると耕作放棄地と納屋、牛小屋、鶏小屋と母屋と離れがついていた。奥さんが壊すのにいくらかかるのと聞くと木造だから安いと言った。5百万円もあれば、更地にできると言った。

 横浜グリーンラインの人気が上がれば、4,5千万円が倍にはなると思いますよと真面目な顔で言った。それを聞いて奥さんが伊藤栄吉に買っておきましょうよと助言した。不動産屋が、家族、何人ですかと聞くので高校生2人と私たち2人の4人と答えた。それなら、木造の格安住宅でもI社、S社などなら豪華と言えないが十分安心できる家を建てられると言われた。

 全部任してくれれば1億円で整地し3台分の駐車場と4LDK木造住宅を建てられると言った。具体的にどんな住宅なのか付帯条件を出して欲しいと言うと了解と不動産屋が答えた。最後に、ただし、上下水道、電気について、大きな工事が必要だと判明したら、最大1千万円位かかる場合もあると言った。

「上下水道、電気について追加費用が必要か、どの位でわかるかと聞いた。」
「すると1週間もすればわかるだろうと答えた。」
「2つの物件でを調べて追加費用がかからない方を希望する言った。」
「すると、それでやってくれるかと伊藤栄吉が吉池社長に聞いた。」
「絶対に買ってくれるという条件なら良いですよと答えた。」

「明日中に答えると伊藤栄吉が回答すると不動産屋が明後日の18時まで電話くれれば良いと言ってくれた。」
「ただし手付金、百万円をいただきたいと条件をつけた。」
「百万円は、約束通りなら返してもらえるのかと聞いた。」
「すると、すぐにもちろんですと答えた。」
「そこで、もし、約束に違反した時にいただくと言った。」

「と言う事は、明後日の18日まで断っても約束通りだから返却してくれるのかと聞いた。」
「その通り、遅れたら、百万円をいただきますがと答えた。」

 それを聞いて了解と伊藤が不動産屋に答えた。こうして、伊藤は、その後、少し離れた日吉、綱島の不動産屋に電話連絡して高田町駅近くに古い農家についての情報を聞いて回った。すると、以前は、不便な田舎の農家だったが、今度、地下鉄が通れば、間違いなく価格は上がると言った。また、農家をしていただけで工場が近くにあるわけでも無く鶴見川も離れているから川が氾濫しても大丈夫だと言った。

 数年後には地価が上がる可能性が高いから安ければ買いでしょうねと答えた。5軒の不動産屋に電話しても電気、水道が完備していれば、買いでしょうねと言う意見ばかりだった。それを聞いて、翌日、伊藤栄吉と奥さんが吉池不動産に行き買うと答えた。その後、I社の4LDKで建坪40坪で2千万円の家のパンフレット、オプションで風呂とつけると言ってくれた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み