第24話 亡命の姫
文字数 562文字
誰もいない事務所内、無線機で応答を試みているが一言も返事はない。
「コレッティア、
「わわ、わ」
無線機からうめき声と物が崩れる音が聞こえる。
「聞こえるか、応答しろ」
「あ、は、ははい」
うろたえた返事が返ってきた。
「今回の件は上手くいった。ドローンはこれからも有効的に使わせてもらう」
「は、はい、どうも」
早口言葉の様な返答だ。
「今後はアルバートの部隊に編成つもりだ、マニアルを作っておいてくれ。それでだか例の件は進んでいるか」
「…」
応答がない。
「コレッティア、例の件進んでいるか」
「む、む、むむ無理です無茶です不可能だ!」
パニックを起こしたかのような焦り様だ。
「私にはできない無理だ不可能だやれっこない天地がひっくり返っても無理だ絶対できない」
焦り様が更に増してきた。
「コレッティア」
一言で止めどなく溢れる焦りの言葉を止めた。
「君は不可能を可能にする力を持っている、それは君だけにしか持っていない特別な力だ。君は幾度もなく私の要望に答えてくれた、今回も君の力ならできると信じている」
「あ、は、はい」
「近いうちに会いに行く、それまでによろしく頼む」
「え、あ、はい、あ、あと、頼んどいたディスプレイおね…」
全て聞く前に無線機を切った。
「よろしく頼む。機械に愛された姫様よ」