第24話 亡命の姫

文字数 562文字

「コレッティア応答しろ、コレッティア」

誰もいない事務所内、無線機で応答を試みているが一言も返事はない。

「コレッティア、(プリンセス)聞こえるか、返事をしろ」

「わわ、わ」

無線機からうめき声と物が崩れる音が聞こえる。

「聞こえるか、応答しろ」

「あ、は、ははい」

うろたえた返事が返ってきた。

「今回の件は上手くいった。ドローンはこれからも有効的に使わせてもらう」

「は、はい、どうも」

早口言葉の様な返答だ。

「今後はアルバートの部隊に編成つもりだ、マニアルを作っておいてくれ。それでだか例の件は進んでいるか」

「…」

応答がない。

「コレッティア、例の件進んでいるか」

「む、む、むむ無理です無茶です不可能だ!」

パニックを起こしたかのような焦り様だ。

「私にはできない無理だ不可能だやれっこない天地がひっくり返っても無理だ絶対できない」

焦り様が更に増してきた。

「コレッティア」

一言で止めどなく溢れる焦りの言葉を止めた。

「君は不可能を可能にする力を持っている、それは君だけにしか持っていない特別な力だ。君は幾度もなく私の要望に答えてくれた、今回も君の力ならできると信じている」

「あ、は、はい」

「近いうちに会いに行く、それまでによろしく頼む」

「え、あ、はい、あ、あと、頼んどいたディスプレイおね…」

全て聞く前に無線機を切った。

「よろしく頼む。機械に愛された姫様よ」
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登場人物紹介

ヴィンセント

黒のハットとスーツを着こなし右手に手錠で繋がった金属製の鞄をを常に持つイーター商会の代表取締役社長

目的の為なら手段をいとわない

彼の出生、過去、目的は不明

ミレーユ

世界一の商人を目指す少女

勝ち気で負けず嫌い、商売で困っている人たちを助けてあげる事を目標にしている

非情な商いをするヴィンセントを敵視している

一人で店を切り盛りしているマリーンを尊敬している

イデス イーター商会番頭 幹部

がさつで粗暴の荒いが義理人情に厚い

一度仲間だと認めた相手には優しいが、初対面の相手にはガンを飛ばすなど怒ると手がつけられない狂犬

常に店番をしている

ヴィンセントの命令には絶対服従

アルバート イーター商会傭兵 幹部

イーター商会専属の傭兵部隊「ガーコ」の隊長

屈強な体格と顔の傷を隠す様にサングラスを掛け、見た目は近寄りがたいが誰にたいしても優しく心優しいジェントルマン

己の肉体と隊員たちに愛のムチと言って日々、肉体と戦闘技術を鍛えた後甘い物を食べるのが日課

ヴィンセントに対して絶対的な信頼をよせている

ユース イーター商会霊媒師 幹部

中性的な容姿と顔立ちで初対面で会った相手は男か女かわからないほどの美青年

華奢な身体のわりに自分の背丈ある木片で作られた張りぼての棺を背負っている

誰にたいしても物腰が柔らかく、礼儀正しい

ヴィンセントには絶対的な忠誠を誓う

コレッティア イーター商会技術開発 幹部

海外から来た科学者兼技術者

極度の対人恐怖症で常に自分の研究室にひきこもっている

滅多に顔を出さないので商会内でも彼女の存在を知るものは少ない

彼女の知識・技術は今の帝国を遥かに凌駕する程

ヴィンセントには絶対的な信用を寄せている

サリーナ イーター商会社長秘書

ヴィンセントと社員のスケジュール管理、資料作成管理、時にはヴィンセントの留守の間社長代理を勤める

仕事意外の会話は一切せず、機械の様に仕事をこなす

社長のヴィンセントの指示には必ず従う

パム イーター商会運転手

いつも笑顔が絶えないイーター商会の専属運転手

十代ながら天才的な運転技術を持ち、目的地まで最速、安全に飛ばす。

マリーン コレリア雑貨店店主

老舗雑貨店を切り盛りしている魔女

主に薬草や医薬品、日用雑貨を中心に取り扱う

ヴィンセントとは長い付き合い

ユベール・ロッシュ・Jr.  探偵

ヴィンセントの義理の叔父

帝都の郊外で名前のない探偵事務所を運営している

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