第2話 悪魔

文字数 634文字

仕事?こんな所で?
その場にいる全員が思った。

「土地を買いに来たのか?」
別の客が言った。

「いいえ」

「お役所仕事か?」
また別の客だ

「いいえ」
男は空のグラスを眺めた。

店主はウイスキーを手に取ったか男は手を振り断った。

「ここから南の方に用がありまして」

南の方?あそこには農場があるが、だが…

「農場を営むクライアントにお声がかかりまして、私どもの商品を売り込みに行くところです」

「あんた正気か!あそこの農場主は…」
「ああ、やめろ!あそこは

の巣窟だ。生きて帰って来た奴はいない」
客だけでなく店主にも言われた。
「悪いことは言わね、諦めて帰んな」

「しかし仕事ですので」
「まさかあんたあいつらに…」

男はグラスをゆっくりとカウンターに置き、代金を置いた。「店主、釣りは受け取ってくれ」男は店を出た。

店を出ると少女と幼い男の子が立っていて凄い形相で睨んでいた。
「あんたでしょ、これからあの農場に武器を売りに行くのは」
少女が言いきった後、男の子が手に持っていた小石を投げてきた。

自分としたことか、不意を突かれた、額に当たった。鈍い痛みを感じて額に手を当てると血がにじみ出ていた。

周囲を見るとこの二人意外にも同じ顔をした住人達がいた。

「出てって!二度と来ないで!」
少女は勇気を振り絞りながら叫んだ。

男はスーツのポケットからハンカチを取り出し、額を抑えながらその場を去り農場に向かった。




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登場人物紹介

ヴィンセント

黒のハットとスーツを着こなし右手に手錠で繋がった金属製の鞄をを常に持つイーター商会の代表取締役社長

目的の為なら手段をいとわない

彼の出生、過去、目的は不明

ミレーユ

世界一の商人を目指す少女

勝ち気で負けず嫌い、商売で困っている人たちを助けてあげる事を目標にしている

非情な商いをするヴィンセントを敵視している

一人で店を切り盛りしているマリーンを尊敬している

イデス イーター商会番頭 幹部

がさつで粗暴の荒いが義理人情に厚い

一度仲間だと認めた相手には優しいが、初対面の相手にはガンを飛ばすなど怒ると手がつけられない狂犬

常に店番をしている

ヴィンセントの命令には絶対服従

アルバート イーター商会傭兵 幹部

イーター商会専属の傭兵部隊「ガーコ」の隊長

屈強な体格と顔の傷を隠す様にサングラスを掛け、見た目は近寄りがたいが誰にたいしても優しく心優しいジェントルマン

己の肉体と隊員たちに愛のムチと言って日々、肉体と戦闘技術を鍛えた後甘い物を食べるのが日課

ヴィンセントに対して絶対的な信頼をよせている

ユース イーター商会霊媒師 幹部

中性的な容姿と顔立ちで初対面で会った相手は男か女かわからないほどの美青年

華奢な身体のわりに自分の背丈ある木片で作られた張りぼての棺を背負っている

誰にたいしても物腰が柔らかく、礼儀正しい

ヴィンセントには絶対的な忠誠を誓う

コレッティア イーター商会技術開発 幹部

海外から来た科学者兼技術者

極度の対人恐怖症で常に自分の研究室にひきこもっている

滅多に顔を出さないので商会内でも彼女の存在を知るものは少ない

彼女の知識・技術は今の帝国を遥かに凌駕する程

ヴィンセントには絶対的な信用を寄せている

サリーナ イーター商会社長秘書

ヴィンセントと社員のスケジュール管理、資料作成管理、時にはヴィンセントの留守の間社長代理を勤める

仕事意外の会話は一切せず、機械の様に仕事をこなす

社長のヴィンセントの指示には必ず従う

パム イーター商会運転手

いつも笑顔が絶えないイーター商会の専属運転手

十代ながら天才的な運転技術を持ち、目的地まで最速、安全に飛ばす。

マリーン コレリア雑貨店店主

老舗雑貨店を切り盛りしている魔女

主に薬草や医薬品、日用雑貨を中心に取り扱う

ヴィンセントとは長い付き合い

ユベール・ロッシュ・Jr.  探偵

ヴィンセントの義理の叔父

帝都の郊外で名前のない探偵事務所を運営している

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