序

ようこそおいで下しました。
わたくし、当屋敷の執事(バトラー)でございます。

四人の語り手が逸話を持ち寄って語る、この怪談会も、早、六夜目を迎えることとなりました。
これも偏(ひとえ)に、ご贔屓にして頂いている皆様のお蔭と、屋敷(あるじ)共々、感謝申し上げる次第でございます。

さて今宵の会では、四人の語り手に、人の五感のうちの、四つに纏わる話をご用意頂きました。

五感とは、人にとっては掛け替えのないもの。
これに怪異が宿った場合、いかなることに相成るのでしょうか。

本日も茶菓として、神〇の有名店、〇月堂様のゴーフルを供させて頂きます。
四人の語り手の皆さまが体験された、不思議な出来事の数々と合わせ、ご堪能下さい。

さて前置きが長くなりました。
それでは『四物語(しものがたり)』第六夜の始まりでございます。