第112話 再戦決定!
文字数 1,703文字
ガラケー部みんなとの話し合いの後、真雪と佐与が代表して生徒会室に行った。
オンエア同好会の創設を申請するためだ。
生徒会室に行くと、またしても生徒会の番人、『絶壁の番人』が真雪の前に現れた。
「なにぃ? 同好会の申請ぃ? ……俺が仕切っているのは部活動。同好会には一切関わっていないのだ。その件は、直接生徒会長に聞いてくれ」
意外とあっさり通された。
生徒会室にいた生徒会長の壱与は、何も言わずにあっさりと申請を許可してくれた。
「真雪さん、それに佐与。まだオンエア部のことをあきらめてなかったのね。私、とっても嬉しいわ。もう一度、あなたたちのオンエアが学食で見られますように」
「わあ、やったー! ありがとう壱与ちゃん!」
「お姉……ありがと」
真雪は喜びを体で表現していたが、佐与は恥ずかしそうにお礼を言った。あまり姉に感謝の気持ちを言ったことがなかったので照れていたのだろう。
真雪は、用意していた言葉を続けて言った。
「それと、オンエア同好会はオンエア室を使いたいと思ってます! 使用許可は出ないでしょうか?」
真雪の堂々とした態度。これは、「磯崎さんの部活動」の漫画を見て、影響を受けていたものだった。
「ガラケー部ではオンエア室を使う理由ができないから、新しくオンエア同好会をつくろうとしたってことね。なるほど。今度は納得のいく理由ですわ」
「どうしてもオンエア室を使いたいんだ。お姉、いいでしょ?」
佐与も真雪と一緒に頼みこんでくれている。
「こればっかりは、いまオンエア室を使っているアイドルオンエア部に聞いてみないと。アイドルオンエア部が使ってないときに使わせてもらう形になるだろうけど……おそらく彼が許さないでしょうね」
「彼って誰のこと?」
「アイドルオンエア部のゆうたよ。彼が転校してくる前、最初はオンエア部とアイドルオンエア部が一緒にオンエア室を使う予定だったけど、ゆうた一人が拒否したらしいわ。自分専用のオンエア室じゃないと入学をしないって言ってね」
最近のゆうたは、学食オンエアもたまにしかやらず、授業をさぼってオンエア部の部室でくつろいでいるといううわさまで聞いたことがあった。はっきり言って、学校内での評判はあまりよくなかった。
「オンエア室を使う方法はただ一つ。部活対抗戦をもう一度やって、実力で取り戻すしかないわね。はっきり言って今のアイドルオンエア部の状況は、生徒会としても野放しにはできない状況になってるわ。喜んでるのは一部のファンの子とおじいさま……いや、理事長だけよ」
アイドルオンエア部の素行のわるさには、壱与も頭を抱えているらしかった。
「真雪さん。また部活対抗戦の時みたいに、アイドルオンエア部と戦うというのはどうかしら? 時期は……そうね。文化祭の日なんかどう? 特に二日目は外からも多くの人が来るから、対決にはぴったりの舞台だと思うけど」
「うん、最初から対決はするつもりだったんだ! ……でも文化祭の日かぁ」
真雪は去年の文化祭を思い出していた。
あの時はオンエア部が認められるために、クラスのみんなの力を借りて行動した。
いろいろなことがあったが、最終的にはオンエア部が認められた形で終わった。
「真雪先輩、やりましょう! 結果はどうなるかわからないけど、せっかくのチャンスです!」
「佐与ちゃん……」
真雪がどうしようか迷っていると、佐与が真雪にやろうと提案した。佐与の真剣なまなざしを見て、真雪は漫画で読んだあるシーンを思い出した。
磯崎さんは部活がしたいだけなのに、いつも次々と困難が襲いかかってくる。それでもあきらめずに、一途に部活のために行動する姿に感動した。いまの佐与のまなざしは、あきらめずに行動しているときの磯崎さんのようだった。
「ありがとう、佐与ちゃん。佐与ちゃん見てると、なんか勇気がわいてきた」
真雪は佐与の手を握ってお礼を言った。そして、壱与に向き直って言う。
「壱与ちゃん。私。文化祭での対決をやるよ!!」
オンエア部とその部室を取り戻すため、真雪は文化祭での対決の決意を固めた。
こうして、ガラケー部兼オンエア同好会の新たな目標が決まったのだった。
オンエア同好会の創設を申請するためだ。
生徒会室に行くと、またしても生徒会の番人、『絶壁の番人』が真雪の前に現れた。
「なにぃ? 同好会の申請ぃ? ……俺が仕切っているのは部活動。同好会には一切関わっていないのだ。その件は、直接生徒会長に聞いてくれ」
意外とあっさり通された。
生徒会室にいた生徒会長の壱与は、何も言わずにあっさりと申請を許可してくれた。
「真雪さん、それに佐与。まだオンエア部のことをあきらめてなかったのね。私、とっても嬉しいわ。もう一度、あなたたちのオンエアが学食で見られますように」
「わあ、やったー! ありがとう壱与ちゃん!」
「お姉……ありがと」
真雪は喜びを体で表現していたが、佐与は恥ずかしそうにお礼を言った。あまり姉に感謝の気持ちを言ったことがなかったので照れていたのだろう。
真雪は、用意していた言葉を続けて言った。
「それと、オンエア同好会はオンエア室を使いたいと思ってます! 使用許可は出ないでしょうか?」
真雪の堂々とした態度。これは、「磯崎さんの部活動」の漫画を見て、影響を受けていたものだった。
「ガラケー部ではオンエア室を使う理由ができないから、新しくオンエア同好会をつくろうとしたってことね。なるほど。今度は納得のいく理由ですわ」
「どうしてもオンエア室を使いたいんだ。お姉、いいでしょ?」
佐与も真雪と一緒に頼みこんでくれている。
「こればっかりは、いまオンエア室を使っているアイドルオンエア部に聞いてみないと。アイドルオンエア部が使ってないときに使わせてもらう形になるだろうけど……おそらく彼が許さないでしょうね」
「彼って誰のこと?」
「アイドルオンエア部のゆうたよ。彼が転校してくる前、最初はオンエア部とアイドルオンエア部が一緒にオンエア室を使う予定だったけど、ゆうた一人が拒否したらしいわ。自分専用のオンエア室じゃないと入学をしないって言ってね」
最近のゆうたは、学食オンエアもたまにしかやらず、授業をさぼってオンエア部の部室でくつろいでいるといううわさまで聞いたことがあった。はっきり言って、学校内での評判はあまりよくなかった。
「オンエア室を使う方法はただ一つ。部活対抗戦をもう一度やって、実力で取り戻すしかないわね。はっきり言って今のアイドルオンエア部の状況は、生徒会としても野放しにはできない状況になってるわ。喜んでるのは一部のファンの子とおじいさま……いや、理事長だけよ」
アイドルオンエア部の素行のわるさには、壱与も頭を抱えているらしかった。
「真雪さん。また部活対抗戦の時みたいに、アイドルオンエア部と戦うというのはどうかしら? 時期は……そうね。文化祭の日なんかどう? 特に二日目は外からも多くの人が来るから、対決にはぴったりの舞台だと思うけど」
「うん、最初から対決はするつもりだったんだ! ……でも文化祭の日かぁ」
真雪は去年の文化祭を思い出していた。
あの時はオンエア部が認められるために、クラスのみんなの力を借りて行動した。
いろいろなことがあったが、最終的にはオンエア部が認められた形で終わった。
「真雪先輩、やりましょう! 結果はどうなるかわからないけど、せっかくのチャンスです!」
「佐与ちゃん……」
真雪がどうしようか迷っていると、佐与が真雪にやろうと提案した。佐与の真剣なまなざしを見て、真雪は漫画で読んだあるシーンを思い出した。
磯崎さんは部活がしたいだけなのに、いつも次々と困難が襲いかかってくる。それでもあきらめずに、一途に部活のために行動する姿に感動した。いまの佐与のまなざしは、あきらめずに行動しているときの磯崎さんのようだった。
「ありがとう、佐与ちゃん。佐与ちゃん見てると、なんか勇気がわいてきた」
真雪は佐与の手を握ってお礼を言った。そして、壱与に向き直って言う。
「壱与ちゃん。私。文化祭での対決をやるよ!!」
オンエア部とその部室を取り戻すため、真雪は文化祭での対決の決意を固めた。
こうして、ガラケー部兼オンエア同好会の新たな目標が決まったのだった。