第73話 日菜、大活躍!
文字数 1,306文字
ついにオンエア対決が始まった。
現在観客数は、積極的に呼び込みをしていたオンエア部側のほうが多い。それでもまだ安心できなかった樹々は、呼び込みをしていたメンバーを呼び集めて作戦会議を開いた。
「今のところオンエア部側の観客数は、想像してたよりもずっと多いわ。講堂周辺にいる人もずいぶんと減ってきたし、もう公開オンエアに興味のある人たちはすべて入場した後ってところかしら。私たちは一人で戦っている真雪さんのためにも、最後まで呼び込みを続けましょう」
「はい了解っ!」
「はいにゃす!」
「わかりました!」
「……」
「西瓜、返事は?」
「へ~い……ていうかさ、私、真雪ちゃんのオンエア観てみたいんだけど。もうこの辺にはあまり人がいないんだし、こんなに大勢で呼び込みをすることもないだろう?」
西瓜の言葉に、樹々はあごに手を置いて考えた。
「……そうね。西瓜にしてはめずらしくもっともな意見だと思うわ。じゃあ交代で真雪さんのオンエアを観に行くことにしましょう。まずは西瓜と明夏さんと佐与さん。三人で観に行ってきてちょうだい。私と日菜さんは、もうしばらくここで呼び込みを続けるわ」
「おっけー。くぅー、ようやく真雪ちゃんのオンエアが観られるよ。明夏ちゃん、佐与ちゃん、行くよ!」
「やった! 真雪がどんなオンエアをしてるのか気になっていたんだよね」
「樹々先輩、日菜先輩、すいません。先に行ってきます」
「行ってらっしゃい。みんなで真雪さんを支えてあげてちょうだい」
「……」
明夏、西瓜、佐与の三人は、喜んで会場の中に入っていた。その逆に残された日菜は、納得がいかない様子だった。
「あの~樹々先輩? なぜ見に行くメンバーから日菜だけが除外されてたぴよ?」
「今日の日菜さんは冴えてるから、私と一緒にいてほしいだけよ。今日は一番たくさんの人を呼び込んでくれているから」
「ぬわんですとっ!? 日菜が期待されてる……感動したぴよ~!! うほっ。樹々先輩、日菜もっとやるっすよ! さあ次! 次でっしゃる! オンエア部を観たい子はいねが~」
日菜はなまはげのまねをして、通りすがりの女子を勧誘し始めた。女子は愛想笑いを浮かべつつも、オンエア部に興味を持って入場してくれた。
このように、今日は特に日菜の活躍が目立っていた。
「オンエア部の公開オンエアをやってるじゃる。みんな観に来てちょうだいなり! おっと、そこのお兄さん。ここをまっすぐ進んで、オンエア部の公開オンエアを観たくないっすか? こっちは一年生、見つけたにゃりん! 日菜先輩のお願い、聞いて欲しいじょ?」
日菜は数少ない通行人を、次々とオンエア部側に誘い込んでいる。日菜が蝶のように舞いながら呼び込みをしている姿は、外から見ている者を感動すらさせた。
「私の思った通り、今日の日菜さんはすごくいいわね。さすが人の気を引きつけることに関しては、オンエア部ナンバー1だわ。でも日菜さんに残ってもらった理由は、いいことだけじゃないんだけどね」
もう一つの理由。
日菜が公開オンエアを観に行くと、主役の真雪よりも目立った行動をやりかねないので、なるべく日菜を自分の目の届く場所にいてほしかったのだった。
現在観客数は、積極的に呼び込みをしていたオンエア部側のほうが多い。それでもまだ安心できなかった樹々は、呼び込みをしていたメンバーを呼び集めて作戦会議を開いた。
「今のところオンエア部側の観客数は、想像してたよりもずっと多いわ。講堂周辺にいる人もずいぶんと減ってきたし、もう公開オンエアに興味のある人たちはすべて入場した後ってところかしら。私たちは一人で戦っている真雪さんのためにも、最後まで呼び込みを続けましょう」
「はい了解っ!」
「はいにゃす!」
「わかりました!」
「……」
「西瓜、返事は?」
「へ~い……ていうかさ、私、真雪ちゃんのオンエア観てみたいんだけど。もうこの辺にはあまり人がいないんだし、こんなに大勢で呼び込みをすることもないだろう?」
西瓜の言葉に、樹々はあごに手を置いて考えた。
「……そうね。西瓜にしてはめずらしくもっともな意見だと思うわ。じゃあ交代で真雪さんのオンエアを観に行くことにしましょう。まずは西瓜と明夏さんと佐与さん。三人で観に行ってきてちょうだい。私と日菜さんは、もうしばらくここで呼び込みを続けるわ」
「おっけー。くぅー、ようやく真雪ちゃんのオンエアが観られるよ。明夏ちゃん、佐与ちゃん、行くよ!」
「やった! 真雪がどんなオンエアをしてるのか気になっていたんだよね」
「樹々先輩、日菜先輩、すいません。先に行ってきます」
「行ってらっしゃい。みんなで真雪さんを支えてあげてちょうだい」
「……」
明夏、西瓜、佐与の三人は、喜んで会場の中に入っていた。その逆に残された日菜は、納得がいかない様子だった。
「あの~樹々先輩? なぜ見に行くメンバーから日菜だけが除外されてたぴよ?」
「今日の日菜さんは冴えてるから、私と一緒にいてほしいだけよ。今日は一番たくさんの人を呼び込んでくれているから」
「ぬわんですとっ!? 日菜が期待されてる……感動したぴよ~!! うほっ。樹々先輩、日菜もっとやるっすよ! さあ次! 次でっしゃる! オンエア部を観たい子はいねが~」
日菜はなまはげのまねをして、通りすがりの女子を勧誘し始めた。女子は愛想笑いを浮かべつつも、オンエア部に興味を持って入場してくれた。
このように、今日は特に日菜の活躍が目立っていた。
「オンエア部の公開オンエアをやってるじゃる。みんな観に来てちょうだいなり! おっと、そこのお兄さん。ここをまっすぐ進んで、オンエア部の公開オンエアを観たくないっすか? こっちは一年生、見つけたにゃりん! 日菜先輩のお願い、聞いて欲しいじょ?」
日菜は数少ない通行人を、次々とオンエア部側に誘い込んでいる。日菜が蝶のように舞いながら呼び込みをしている姿は、外から見ている者を感動すらさせた。
「私の思った通り、今日の日菜さんはすごくいいわね。さすが人の気を引きつけることに関しては、オンエア部ナンバー1だわ。でも日菜さんに残ってもらった理由は、いいことだけじゃないんだけどね」
もう一つの理由。
日菜が公開オンエアを観に行くと、主役の真雪よりも目立った行動をやりかねないので、なるべく日菜を自分の目の届く場所にいてほしかったのだった。