はじめに

文字数 2,564文字

 マジで汚部屋で暮らしてる。マジで。二回言うほどに。

 ご覧の皆様、こんにちは。
 羽渡(うたり)エマと申します。

 さっそくですが、サムネイル写真にホイホイされて読みに来てくださった方、いますか? スマートフォンの画面で見るとだいぶ小さいですね。ここに貼り付けてみましょうか。
 はいどーん!



 何が何やらですね。名前の透かしを入れたのでなおのことよくわからない写真になっていますが、カオス具合は伝わるのではないでしょうか。
 これ、素材写真じゃないです。自室のノートパソコン前の執筆エリアから見た、右側の部屋の風景です。寝室です。とてもそのまま載せられないので、モザイク加工を何回か&ぼかし加工もかけました。そこまでやっても拭えないヤバさ。文字を入れるとダイ●ンもびっくりの吸引力を発揮しそうなサムネイルになってくれて、薄暗い期待が高まります。

 生まれてこの方、一度も片付いた部屋で暮らしたことがありません。マジで写真通りの部屋で暮らしてる。一種の才能かと思うくらい、私自身のテリトリーが片付いたためしがありません。一人暮らし歴十数年、引っ越すたびに新しい住処を汚部屋にメタモルフォーゼさせてきて、今が汚部屋っぷりの最盛期。さすがにまずいと思いました。

 この記録は基本的に文字を中心に構成していくつもりですが、それでも閲覧注意です。
 あのサムネ写真とこのタイトルの文章をあえて読みに来てくださってる皆様なので、むしろある種のご期待をいただいているものと推察はしますが、虫が出た話とか詳細にやらかすかもしれません。端的に言うと、出たので「さすがにまずいと思った」わけです。
 補足しますと、私の住まいは北海道。本州にお住まいの皆様にはどうやら天敵らしいゴキブリも、北海道では出ないとされています。なんかどこかで目撃されたニュースが流れたとも聞きましたが、真偽は不明。いずれにせよ、今のところ大っぴらには出ません。寒冷地であるためなのか、ブラキストン線を隔てるせいなのか……水族館でわざわざ展示してたやつを見たのが初めてにして唯一のゴキブリ体験です。
 北海道に生まれて本当によかった。もっと南だったらどうなってたことか。

 片付けや整理整頓について、ただの一度も成功体験を持たない私なので、これまで通り「頑張るぞ!」と気合いだけ入れたところで何が片付くとも思えません。『この分野においては自分に対する信頼がゼロ』という信頼が百。
 そこでまず、実行と達成に近づくための対策を考えました。
 ひとつは『毎日の進捗を報告する』こと。見栄っ張りで人目を気にするタイプなので、「こいつ今日さぼったな」とか「やると言ったのにできてないじゃないか」と思われないためにならちょっとは何かをやろうとする……ような気がする。たぶん。なので、とりあえず毎日何らかを報告することをルールとします。
 それから『報告する相手がリアルの知人ではなく、お互いに一定程度匿名状態の相手であること』。サムネイル写真を思い出してください。あれと実際の私自身が誰かの頭の中で結びつくのは無理の極みです。
 そこで白羽の矢を打ち込んだ先が、NOVEL DAYSの読者の皆様。お世話になります。たまに応援してやってください。

 報告先をNOVEL DAYSとしたのには、もう少し違う理由もあります。
 私は長ーーー……い文章を書くのが非常に得意で、三年ほど別の場所で書き続けてきて今も書いている長編小説の文字数をざっくり足し算したら150万文字を超えていた、という人間です。その上、重い・暗い・堅苦しい・面倒くさい内容が得意。総じて、読みにくくて取っ付きにくくて疲れる作品が多い、というのがこれまでの傾向でした。
 NOVEL DAYSでまず展示を始めたのも、コロナに罹患して文学フリマで発行し損ねた長編小説です。コンテスト用の短編がやっと一作増えましたが、それまでは作風との相性を測りやすい短編が一作もない状態で、ぱっと見て「よし読んでみるか」という気持ちにさせにくい書き手だったと思います。
 それで、短い話を書く練習を重ねたい、最初の一歩を踏み出しやすい読み物を増やすというかねてからの思いを実現するかたちで、日記に近い日々の記録を更新していくことにしました。
 その結果選んだテーマが『汚部屋脱出計画の記録』である時点でセンスが疑わしく、読む人を選ぶ気もするのですが、自分よりダメな人間が足掻いている図を見ているのってたぶん面白いだろうな……と思って。自虐というより、もはや開き直り。ケロッと書けたらそれなりの娯楽になってくれるような気がします。
 それにしても『長くながく書くのが得意』の一方で『短くまとめた短編は苦手』という特性にも、片付け下手の要素が見え隠れしているようで自分のブレのなさを感じました。目標を達成する自信がどんどんなくなります。

 最後に……
 『ずっと汚部屋で暮らしてる』というタイトルになんとなく聞き覚えがある方もいらっしゃるでしょうか。
 このタイトルは、シャーリイ・ジャクスンの小説『ずっとお城で暮らしてる』のパロディです。ファンの方に怒られてしまいそうですが、「目もそむけたくなるような汚部屋が少しずつ片付いて、私のお城になるように」という目標を込めて、しばらくそっと据えさせていただきたいと思います。
 もっとも、小説の『お城』も汚部屋とは別ベクトルのおっかないものを内包しているのですが……

 12月1日から始めて、一日に一回~数回、進捗を記録していきたいと思います。
 大前提のルールとして、自分の負担になりすぎるような無理はしません。私の性格上も、キチンキチンと隅々まで決まりを守るという几帳面さを守るのは難しいと思います。それが面倒で何もやらなくなってしまったら元も子もありません。
 ゆるっとしつつ、今まで実行にさえ至らなかったところに少しでも踏み込んで頑張れたら、というくらいの気持ちでやっていきます。
 皆様の大掃除の隙間や合間に、応援・見守り、どうぞよろしくお願いします。



2023年12月1日 10:00 羽渡エマ

※12月1日の19時に、『liqour & blossom(リカーアンドブロッサム)』という長編小説の第4話が更新されます。よろしければそちらもご覧ください。
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