2-8 初めて女子の家へ
文字数 741文字
少し曇り空の日曜日。待ち合わせ時間通りに家から出てきた蕾生に、永は落ち込んで息を吐いた。
お前なあ、ここんとこ毎朝同じ顔してるぞ
そんな顔で迎えられる俺の身にもなってみろ
ていうか、昨日は土曜だから、いつもより寝てるからな
それに今日だって早朝ってほどじゃないだろ
えええっ、そんな自己管理ができる子じゃなかったのに!
プイとそっぽを向いて先に歩き出す
蕾生に、
永は慌ててついて行った。
研究所は学校と公園を越えた先にあるので、歩く景色はいつもとほぼ変わらない。
ただの休日なので若干歩いている人が少なかった。
リンのことを探らなくちゃいけないのに、親戚のクソガキの話し相手させられるんでしょー
まあ、ただ部屋で話すだけじゃ、リンのことなんか探れねえけど、どうするんだ?
うん……、例えばその親戚のお子様に取り入って、話を盛り上げて、研究施設見たーいって言ったら見せてくれるかなあ?
どうだろうな
銀騎の雰囲気なら頼めば少しは見せてくれるか?
だからさ、僕はそのクソガキじゃなくてお子様頑張って洗脳するから、ライくんは銀騎さんを頼むよ
基本的にはいつも通りのライくんでいいよ
なんか彼女、ライくんのこと気に入ってるみたいだし
んもう、朴念仁はこれだからしょうがない!
口下手なりに一生懸命会話してみ?
多分それで結構いいセンいくと思うな
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