【チャットノベル版】転生帰録──鵺が啼く空は虚ろ
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文字数 1,093文字
すずちゃん、とっても辛そうだったの
このままじゃいけないと思う
元々、銀騎(しらき)の家とは因縁があるんだ
詮充郎(せんじゅうろう)は中でも一番タチが悪い
前回も酷い目に合わされてね
多分、君よりも僕は銀騎(しらき)詮充郎(せんじゅうろう)という男を理解している
そんな言い方──
すずちゃんがどうしても必要だからわたしを脅すみたいな言い方をしてる
お願いするべきなのは周防(すおう)くんの方だよね?
僕は君の人となりを間違えて解釈してたみたいだ
その後君が選ぶといい。協力するか、──詮充郎(せんじゅうろう)につきだすか
けど、これくらいの賭けには勝てないとね
お茶、入れ直すね
そうして、今度はカモミールティーが入れられる。蕾生(らいお)は初めてだったが一口飲むと気分が落ち着くようだった。
永(はるか)が少し勿体ぶりながら口を開く。九百年前の自分──英(はなぶさ)治親(はるちか)の伝記が滔々と語られた。
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作品お気に入り
唯 蕾生(ただ らいお)
15歳。男子高校生
怪力なのが悩みの種
九百年前の武将、英治親の郎党・雷郷の転生した姿
周防 永(すおう はるか)
蕾生の幼馴染
九百年前の武将・英治親の転生した姿
御堂 鈴心(みどう すずね)
13歳。銀騎家に居候している少女
英治親の郎党・リンの転生した姿
永と蕾生には非協力
銀騎 星弥(しらき せいや)
16歳。高校一年生
銀騎詮充郎の孫で、銀騎皓矢の妹
鈴心を実の妹のように可愛がっている
永と蕾生に協力して鈴心を仲間に入れようとする
銀騎 皓矢(しらき こうや)
28歳。銀騎研究所副所長
詮充郎の孫
銀騎 詮充郎(しらき せんじゅうろう)
74歳。銀騎研究所所長
およそ30年前、長らく未確認生物と思われていたツチノコを発見、その生態を研究し、新種生物として登録することに成功した