2-11 御堂鈴心、13歳
文字数 1,044文字
それは、言ってはいけない言葉だ。
言われた
悲しい叫びだった。
助ける、と言っているのに「助けて」と手を伸ばしているのは
この表情を一度だけ
「僕には君が必要なんだ」と笑って差し伸べた手は、本当は手をとってくれるのを待っている。
懇願する永 の言葉も、隠さずに見せた本音も、断ち切るように鈴心 は立ち上がった。
顔を伏せたままなのでその表情は見えない。
静かに扉が閉まる。