第26話

文字数 1,013文字

でも、待てよ。
弥生ちゃんがトテ子と刺し違えろと言ったわけだし、トテ子、滅亡担当局に雇われているって言ってたぞ。
そこからは、わたしに話させて。
あ、しのさん。
わりと初期キャラなのに、おもくそモブで存在薄いな。
そういうのも、作品には必要なの。
めでたくたいちくん煽情の任についたトテちゃん、最初は嬉しそうに、わたしたち事務局にたいちくんが彼女を想って抜いた回数を報告してたわ。
トテちゃんイヤーは50kmさきのたいちくんがイク時の息遣いを察知出来たから。
えーっ!恥ずっ。
でも、すぐに彼女は煽情員失格の烙印を押された。
あなたを好きになりすぎたのよ。
あなたと結ばれたいと、願うようになったの。
愛しあったら、ちくびニードルとちんぽこアタックでお互い死んでしまう事を知りながら。
一方、わたしたちは政府のやり方に疑問を持つレジスタンスとして、独立して滅亡担当局を設立したわ。
同じ男性の遺伝子が急速に拡散する危険性、計画に関わる当事者や生まれてくる子供たちへの巨大な人権無視、そして、低賃金。
不満を持つ工作員は少なくなく、「これは人間牧場だ」と反旗を翻し、弥生ちゃんたち政府側のたいちくん対策本部と敵対する勢力を形成した。
そして、トテちゃんを抱き込んだの。
だからと言って、滅亡担当局なんて…
わたしたちは思想を先鋭化した。
現代不死社会において、老人が死なずに子供が増えない、この状況は高度文明の宿命で、一度滅ぼさなきゃいけないと。
そこで自殺率の高さに目を付けたの。
丹羽課長は、嫌味とか、セクハラ・モラハラ・パワハラを駆使して弱い人間を自殺に追い込む、ハラスメント課の出身で、飛び降り自殺幇助が専門だった。
わたしは、ほら、名前。
しの、は、「死のう」なんだよ。
だから、ね、(顔を赤らめながら)たいちくんとシた時も、イクとき、一緒に死のう!って言ったでしょ?
瑠璃子が睨んでる。
気まずい。
そんなサブリミナルや、実際に誘って、電車や車に飛び込ませる、轢死担当がわたし。
弥生ちゃんと同じ様に、絶が使えるの。
わたしはみんなみたいな戦闘力はないから、普段は専ら電話対応や書類作成をしているわ。
このふたりでトテちゃんとあなた、自殺に追い込む計画だったんだけど、見事に失敗。
もともとわたしたちの思想とは関係なく、ただたいちくんへの想いだけで動いていたトテちゃんは、逆に丹羽課長を倒し、わたしはあなたを夢中にさせられなかった。

なんだか壮大だな。
トゥルーマンショーみたいだ。
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