第18話

文字数 271文字

トテ子は穏やかに笑った。
たいちくんに、止めて欲しかったよ。
この世の中が産んだわたしは、やっぱりこの世の中を嫌いになりきれなかった。
だから、ね?
たいちくん見つけた時、嬉しかった。
もっと早く、こうなれたら良かったのに。
右の乳首が尖らない欠陥品。
それがわたし。
だけど、たいちくん、ちゃんとしてくれた。
わたし、誰にもおっぱい見せなかったよ。
たいちくんだけ。
さよなら。
弥生さんと、この世界を良くしてね。

そう言って、息絶えると、すーっと消えて行った。
トテ子の乳首は、僕を貫く寸前、止まっていた。

残された弥生ちゃんとふたり、ただただ呆然とするしかなかった。
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