第21話

文字数 615文字

休日を楽しみ、仕事に戻る月曜日。
出社すると、いつもの丹羽課長からの大目玉。
トテ子が居ない世界でも、それは変わらなかった。
瑠璃子は「課長、わたしをえっちな目でじろじろ見るの」と言ってた。
どうも丹羽さんとは、女の趣味が合うらしい。
その日終業前、丹羽課長に屋上に呼び出された。
「目の敵にされてるって思ってるんじゃなあーい?」
「女のタイプが同じだから、って、思ってるんじゃなあーい?」
この「なあーい?」は、丹羽課長が若者に話を合わせる為の涙ぐましい努力とは知っているが、正直ウザい。
「うっせーハゲ!」
あ、心の声。
ズラカッター!
丹羽課長の安くてバレバレなズラが、高速回転しながらフリスビーみたいに飛んでくる。
映画マトリックスみたいに上体を反らして避け、上体を戻すとまばゆい光。
ハゲレーザー
なんだ、そのクイズが得意な芸人みたいな技、ダサ。
しかし、幻惑され、次の照射は避けられそうもない。
なんせ、唐突に久しぶりのバトルだ。
「絶頂、あ、んーと、絶解除」
弥生ちゃん!
子供をおんぶ紐で。
あれ?なんか、僕に似てないか?
弥生ちゃんは彼女の能力「絶頂、いや、絶」で時空を歪める様に神出鬼没な動きができる。
単に気配を消せるだけなんだけど。
それでもそういう体で、高速回転しながら飛ぶズラカッターを手づかみ、

スポ

丹羽課長のツルピカハゲ頭を隠した。
これでレーザーは撃てまい。
あれ、弥生ちゃん、手血だらけだよ、大丈夫?
「大丈夫よ、手が生理なの」
キリッと。
名言だった。
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