第12話『AI自動操縦戦闘機』

文字数 1,187文字

その時、美里には全世界の情報は衛星チームを通じて収集はしていた。

有線電話に耳を付けて美里が言う。

「 現在、ダリのインテリジェンスエージェントが遅まきながら姿を追ってるから。はい、よろしく 」

有線電話と同時にマイクにも指示を出していた。

そして、美里の言葉の次に特殊通信無線の音声消音ボタンをダリは2度押し告げた。

「 ロック財団顧問である宏 兄子の居場所の特定を急いでくれないか?うん?その通りだ。名前は宏 兄子だ 」

ダリが隣にいる美里に告げる。

「 現在は名前しか判明してはいないが。推測するしかない 」



ワシントン州午前11時50分と同時刻


どこだろう。

アン・ハイエムは静かにそっと一点を見つめる。

アンが見つめる先は空中に浮かんだ半透明色のブロックには『anti-hacking program』(対、ハッキングプログラム)と書かれている。

そのブロックの文字がやや薄く輝いた。

アン・ハイエムはやや微笑む。軽く、そして「 千紗、無駄よ 」

「 あなたは所詮、駒に過ぎないのよ 」

そして瞳を閉じて言う。

「 アメリカ国家も中国も所詮わたしの手の平の中 」


地中海、時間午後5時50分

宏の部下は言う。

「 柊 千紗が日本上空で自動操縦無人戦闘機SR-72の乗っ取りを始めました 」

宏は「 いけてるな 」

千紗は目を閉じたまま丸裸で黄金の瞳より額に右手を置き「 うー-ん 」と声を上げた。

すでに包帯は取られている。


そして、

グアム島米軍基地

「 調子は? 」

「 ダークスター機はハイパーソニック(極超音速)マッハ6へ 」

その姿はステルスでは無く通常のレーダーでもスピードで感知できるが同時に、

人工衛星で補足しまさに太平洋を緑の線でブロックに分け平面にし黄色状で点にキャッチしている。

高度2万メートル

天空は黒く

雲は遥か下にあり永遠の青い海が見えた。

しかしその姿を見るのは肉眼では無く機体に付けられたカメラの映像だったが。

そのSR-72の特長である極超音速を出すデュアルラムジェットエンジンはその正体を現し。

そしてAI機であるSR-72の片翼はさらにブーストをし速度を上げる。

管制官はただ正しい表現を行った。

「 高度6万5000フィートから急降下 」

それだけでは周囲は何の反応もしなかったゆえ繰り返した。

「 日本上空で急降下 」

「 想定外の動きをしているが 」

さらにSR-72武器管制官は言う。

「 極超音ミサイルHSSWリミッター解除 」

周りは何も言わず息を飲んだ。それを管制官は聞こえないものと捉えもう一度繰り返そうとした瞬間

その場が怒号に包まれた。

太平洋にある一島グアム上空から飛んだ。世界でも最新鋭の戦闘機であるAIが管理しているはずの戦闘機が乗っ取られた。

マッハで飛ぶ今までとは形のまるで違うF-14F トムキャットなどの鋭角な翼をさらに流線形にした存在が最高速に近い姿で日本へ向かおうとしている。
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登場人物紹介

柊 千紗 ブルードレス隊の隊員であり主人公、地球どころか太陽圏範囲を光通信(ネットワーク)で全てを監視することができる


ロック・ビジター財団総帥。 (千紗にサイボーグ化を命令した人物でありヌーディードレスを推す人間)

アン・ハイエム 地球政府を管理する立場の女王当主

ダリ 地球政府情報部

美里 地球と太陽圏を監視する衛星情報部である。すべてにおいての情報が彼女に集まってくる。

キング・プレイ 指導者であり火星移民のカリスマ

宏 兄子 元イスラエル軍IT技術者でありロック・ビジターの技術者顧問

宏 あきら 兄子の弟で16歳のスペース・サタン・バトルマシン、操縦者

狐 地球へ派兵されネットをハッキングした火星の覇者

徐子 狐の補佐としての娘でありデバイスとして脳をハッキングに使う

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