第１０話『計画書』

千紗は現場に復帰した。

青いブルー、地球の惑星の中に。

「　元軍のエリートハッカーにして、この立案は大胆だわぁ　」

千紗が宏と話していた。

駆逐艦、内

ブリーフィングルーム

キング・プレイとの暗殺とは違ってあくまでインターネットと人工衛星を使った生身の人間を目の前にした計画ではないせいか実感は湧かなかった。

が、それでもリアルに眼球内に映像として入ってくる事には変わり無かった。けれども千紗はある意味、人の映る映像には麻痺していたし。

「　うん、あなたの事気に入っちゃったかも。うん　」

しかも、以前よりも千紗の持っている元からある性質。ケダモノとしての本能が火星からの。

―　あの火星からのハッキングされた姿が、あたしの本来の『すがた』、、、ね　―

宏は　ー　そんな事までわかりやがるのか？一部の情報部でしか伝わってない超一級のトップクラスの情報だぞ　―

「　おい、千紗どこまで知ってるか。知らないがあまり口の聞きかたには注意したほうがいい　」

千紗の意識はここには無く頭の中には以前のハッキングにはせている。

言わば火星の本来である情報部、司法、警察のスーパーコンピューターとキングの殺害を止める事で火星とは和解は成立していたし。

―　あのまま進めば、確実に相討ちどころか。あたしは火星自体のスパコンを制圧していた、、、ロック財団の人体工学は恐るべしね　―

ボソッと言った。

「　これが大刀工業、ひかり細胞の科学力か　」

宏が「　ああん。なんだって？聞こえないぞ　」と言い。

千紗は「　何でもないわよ。あたしの生理の話！　」

さらに宏が「　ああん。何だって！聞こえない！　」

「　何でもないって言ってるじゃん　」

そして目を閉じべーっと唇をとがらせる。

そしてそれはまるで男性にキスをせがむDカップの乙女にも見えなくはなかったが、

駆逐艦内ではまず軽い話し合いが行われ。

「　全世界の政府の政治的重要人物、国際的な交渉担当者、さらには安全保障担当者を一斉に暗殺してもらいたい。お前の能力ならそれができると信じている　」

千紗はその計画書を意識内に直にインストールしていたのだが。

「　―　すごいわね　―　」

インストール内容は　―　この世界の覇者のロック財団の収集した情報部から漏れた暗号を使って虚偽の指示を送り込むことで一時的にオンラインメディアやSNSを操作して　―

ボソッと再び言う。

「　混乱を引き起こし　」

―　各国に潜む協力者と連絡を取りフランスエネルギー国家戦略室つながりでロシア石油パイプラインの主要爆破　―

「　アメリカにとどまらずロック総帥のいるイギリスからやはりフランス、ロシア、中国、プラス日本やインドそれに、、、目標30ヵ国　」

千紗はそれでも「　こんなことをやってしまえば。民間人、市民にも被害がいくわ　」

「　口から言葉に吐き出すのは止めて頂きたい。柊　」

宏は言う。

「　お前の役割はそこじゃない。被害を出さず　」

宏　兄子は繰り返した。

「　お前はなるだけ民間の企業団体並びになるだけ被害を出さない事だ。いいか、ロックは忘れてはいない。お前がキングの暗殺をミスした事を　」

さらに「　挽回していただき　」言い直した。「　いや、成功してもらいたい　」

千紗は惚れかけている男の言葉もあってか「　はい、、、、、、　」と言うしか無かった。