第１５話『駆逐艦からの脱出』

「　お前ら、、、ウイリアム部隊がどうして　」

アンは言葉を発する事が出来ない。

「　ぐうぅ　」

胃液と嘔吐物が吐き出される。

ナイフが首元に合わせられ「　グッ、クゥウ　」アンは思わず脅えに喉を鳴らす。

そして、瞳は小刻みに今にも弾けでないばかりに動く。

ウイリアム部隊の男が言う。

「　いいか、お前は首をただ切られるわけじゃねえ　」

喉元の皮を一気にナイフで切る。薄く、赤い血がタラリと流れ彼女の軍の正装姿である白と黒のデジタルパターン迷彩の襟にべったり付いた。

と言うと「　いいか、アン・ハイエム。お前は今から乳房を両房ともコイツで　」さらにナイフを両目の前にちらつかせ「　引きちぎられる　」

目がそのナイフに吸い付いた。

次の瞬間、襟首からデジタルパターン迷彩服を縦に一閃した「　びりびりびりっ　」さらに腹まで裂けクリーム色のタンクトップが一緒に明らかになる。

タンクトップもついでに数センチ程ではあるが裂けていた。その内部では白い巨大な胸の谷間が見えた。

一瞬、アンが唾を飲み込む。

そして恐怖に彼女が思いっきり背を反らし暴れた「　ヒイイィィィ　」

男がさらに言う

「　異様にでかい胸だ。さぞかし重たいだろう、ひひひ　」アンが自分の口を掴み閉じようとしてくる男の腕を持ちさらに暴れる。

ー　殺される！！　―

と言うと。

左腕に持つサバイバルナイフをクルッと回転させ素早く鞘に納めた。

男は言う「　周囲もお待ちだ　」

アンは周囲の男たちへ眼球の焦点がなぜか吸い付いた。

そして、声にならない声で思いっきり叫んだ。


宏が言う。

「　シナリオ2だ、この場を脱出　」

さらに、

「　もうすぐこの駆逐艦のヘリポートにヘリが来る。俺と千紗はこの艦を脱出し残る全員は投降しろ。もちろん、取引ですぐに出してやるが　」

しかし、心の中では。

―　どちらにせよ。アメリカ議会を爆破した。この時点で表沙汰になった事でこの連中は軍もアメリカ本部CIAも取引に応じないだろうが　―

しかし、

ヘリが「　パラパラパラ　」と来る中。

「　なあ、千紗。あの爆発は何者の仕業、、、なんだ？　」

千紗の眼球が鋭敏に鋭くなる。

「　そんな事も言ってられないみたいよ、、、　」

空中の中ドクターヘリにカモフラージュされたボディに内部から爆発したように見えた。

いや、正確に言えばジェネラル・ダイナミクス社製FIM-92携帯式スティンガーミサイルが喰らいついた。

ヘリが大きく爆発してゆく。

2度目の爆発が起きる前に宏が叫ぶ「　全員っ！戦闘準備！！　」

―　哨戒偵察機は何をしてんだ！　―

そして、

次の瞬間的には宏の部下が弾幕を駆逐艦の外に向かって張る。方向は辺り一帯にバラ撒いたようだ。

宏はこの場のような戦闘を経験しているのか。

「　おい！千紗、相手は何者だ！？そして今すぐ連装砲３基ともぶっ放せ！　」

というかの間に煙幕弾が船尾からピンク色のベッドに向かって打ち込まれた。

トントンと音を立てて転がる。

その、弾頭から黒い煙幕がブシュと音を立て辺り一面に展開されていく。

そして、遅まきながら連装砲が船尾に向かって打ち込まれた。

「　ごほっごほっ　」と軍服を着ている宏の部下はせき込む。

宏の部隊はまさか駆逐艦内での戦闘戦まで想定していなく。

煙幕弾のガスマスクの準備までしておらず

煙幕の為か。

さらに、宏の部下は顔の血管という血管を浮き立たせ喉を搔きむしったのち倒れた。

ー　即効性ガス煙幕か！　―

その次の行動は宏の判断だ。

千紗を体の腰を持つ。

千紗はなされるがままで身を任せる。

そして船首から、

海に裸のままの千紗を抱え飛び込んだ。


美里が淡々と言う。

「　イギリス北部沿岸部で核反応あり。それ以前にイギリス全域で強力なECM反応、柊　千紗によるゲリラ？　」

話の相手はダリだ。

ダリは言う。

「　ところが現在イタリア南部地中海で今、戦闘の展開を確認　」

さらに言う。

「　そこでエトワーズという駆逐艦の中に宏部隊の死体を確認　」

美里は答える。

「　それは衛星部から上がって来る情報によると火星の部隊らしくて　」

「　そこでは宏　兄子と柊　千紗の遺体の確認は取れず　」

さらに美里は言う。

「　それが3時間前？　」

ダリは肩をすくめて言う。

「　まあ、それが人の限界だ　」