第14話

文字数 279文字

 夕食が終わってくつろいでいると携帯がなった。知らない番号だった。昔と違って今は強固な塊になった私、わけのわからない番号に動揺なんてしない。
「もしもし」
「今川倫子さんの携帯ですか」
「はい、そうですが、どなたでしょうか」
「南葉会病院救急室の者です。ご主人は今川鉄男さんでしょうか」
「はい、そうですが鉄男がどうかしましたか」
「脳出血で今緊急に手術が必要なのです。恐れ入りますが至急病院までご足労願えませんでしょうか」

 何か遠い外国からの電話のように思った。話されている言葉は日本語なのだけれどその意味が全くわからない、何を言われているのか。

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