第21話「集結」

文字数 1,248文字

 ツルギたちは、目を見張った。
 何もなかった土地が、立派な建物で囲まれた町になっていたのだ。
 石畳の敷かれた道の両側には、色とりどりの花が咲いた花壇があり、中央にある広場には、噴水もあった。
 街並みが美しいのは、住宅地と商店街とにきちんと区画整理されているためだろう。
 住人の魔物たちも、生き生きとしてみえた。
「久しぶりだな!」
 声を掛けてきたのは、ミノルだった。
「おう、ミノル!驚いたぜ。」
「町が出来たんだ。立派だろう!」
「すごいわね…。コルバドもいいトコだけど、こっちの方が立派かも。」
 スミレが正直に言った。
「すごいですね。魔物の町とは。僕もここに住んでいいんでしょうか?」
「勿論だ。歓迎するぞ。…まあ、建物を作ったのは、コビトたちだけどな。俺は、物を運んだりしただけで…。そういえば、カブリって魔物が、お前らに会いたがってたぞ。町のどこかにいるから、会いに行くといい。」
 ミノルに言われ、ツルギたちは、カブリを探しながら町を回ってみた。
 そして、魔物アパートで、カブリに再会した。
「…カブリ。」
 カブリは、この前と同じように、獣の耳がついたマントを頭から被って、口をもぐもぐさせながら、串団子を食べていた。
「この子も呪いの者ですか。僕はマモルといいます。よろしく。」
 マモルは、カブリに挨拶した。
「ん。食え。仲間。」
 カブリは、もう一本の串団子を、マモルに差し出した。
「ああ、ありがとう。」
 マモルは一瞬戸惑ったが、笑ってそれを受け取った。
「これで元・呪いの装備が皆揃ったな。」
 ツルギが笑って言った。
「お前ら、魔物博士には会ったか?」
「魔物博士ですか?いいえ。」
「知らん。」
 マモルもカブリも、首を振った。
「じゃあ、まだ力を取り戻してないんだな。よし、皆で博士のトコに行こうぜ。」

 魔物博士の家。
 すぐに博士によって、マモルとカブリは力を取り戻した。
「僕は、盾使いです。盾で攻撃と防御をします。」
「…被り者。ツッコミ、ボケ、ひとりでやる。」

~RPG的説明~

マモル(盾使い):味方を守りつつ、敵を弱体化させて盾で攻撃する。
必殺技=盾ブーメラン…盾をブーメランのように放り投げて敵全体を攻撃
    回復系…ヒール、キュア
    補助系…アーマーガード、ダウナー(敵攻撃↓)ブレーク(敵防御↓)

カブリ(被り者):敵をかく乱させたり、敵の持ち物を盗んだりする。
必殺技=連続ツッコミ…怒涛のツッコミ攻撃。敵1体に大ダメージ。
    ヌスットライフ…攻撃しながら、相手の体力を盗む。


「…とにかく、これで呪いの装備が揃ったなら、是非挑んでほしい所がある。まあ、強さに自信があるならの話だが。神の塔は知ってるか?ソレストから西へ、船で行った所にあるらしい。挑戦してみたらどうだ?まあ、挑戦した所で、何もないだろうが…。」
「神の塔か…。面白そうだな。早速行ってみるか?」
「ええ?でも、仕事はどうするんですか。」
 ヨロイが言った。
「魔物たちの浄化も、私たちの仕事じゃない?行きましょう。」
 ユリカが言った。
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