第20話「呪いの盾」
文字数 1,691文字
とりあえず、ツルギたちは、今まで行ったことのある町へテレポートして、探すことにした。
しかし今回は、なかなか見つからなかった。
「せめて、どんな奴か分かればな…。」
外見も何も分からない。ただ、呪いの盾であるということしか情報がない。これでは、人に聞くことも出来ない。
「ツルギさん。」
突然、ヨロイが言った。
「何だよ。」
「スミレさんが言ってたこと、覚えてます?」
「何だっけ?」
「旅が終わったら、皆でヤマトを観光しようって。」
「なんで急にその話が出てくるんだよ。」
「いや、なんかふと思い出したんです。もし、この先呪いの盾が見つかって、呪い仲間が増えたら、今までの四人組ではなくなるでしょう。だからその前に、四人で、ヤマトを観光したいんです。」
「別に、呪いの装備が揃ったからどうなるってもんでもないだろ…。」
「どうでしょうね…。」
急に、二人の胸に不安がよぎった。
「…ですから!その前に、心置きなく観光を楽しみましょうよ!」
ヨロイが努めて明るく言った。
「そうだな…。たまには…いいかもな。」
ツルギも賛成した。
二人は早速、ユリカとスミレを誘って、ヤマトへテレポートした。
「覚えててくれたなんて、嬉しい!さすがヨロイね。」
スミレは喜んでいた。
そして四人は買い物やお茶を楽しんだ。
そうこうするうちに、すっかり夜になった。
「テレポートで帰れるけど、それじゃ味気ないわね。宿に泊まって行こうよ。そうだ、こないだ泊まれなかったトコに行ってみようよ。」
スミレの提案で、宿に泊まることにした。
宿屋の主人は四人のことを覚えていた。
「ああ、君たちじゃないか!今日は客が一人しかいないんだ。だから皆泊まれるよ!大歓迎だ。」
「客が一人?」
「そういう日もあるさ。ささ、どうぞ。この紙に名前を書いてくれ。」
カウンターで、宿帳に名前を書いた。
「ツルギ、ヨロイ、ユリカ、スミレ。」
書いたのは、ユリカだった。ツルギとヨロイは字が書けなかった。
「ツルギ?ヨロイ?」
宿の主人は、首を傾げた。
「君たち、ちょっとここで待っていてくれ。」
そして、二階の客間へと上がっていった。
「俺たちが、どうかしたのかな?」
ツルギたちも首を傾げていた。
そしてすぐに、階段をバタバタと急いで降りてくる音がして、そちらを振り返ると、銀の鎧に青いマントを羽織った少年が姿を現した。後から、宿の主人も駆けつけた。
「君たち、ツルギとヨロイって名前なの!?」
少年が驚いたように言った。
「おう、そうだ。それがどうした?…って、まさか!?」
「僕はマモル。呪いの盾だったんだ。」
「やっぱり!!」
ヨロイが叫んだ。
「…これで呪いが揃ったな。」
ツルギは腕組みして言った。
「…ここでずっと待ってたんだ。宿の主人に、もしツルギとかヨロイとか、カブトみたいな名前の奴が来たら教えてくれって頼んでおいたんだ。やっと…やっと会えた。」
「この間、ここに来たときは満室だったからな。それで会えなかったのか。」
「でもいつか会えると信じて待ってたんだ。アビシスの占い師に言われてね。」
「そうだったのか…。」
「お前も、まず魔物博士に会って、力を取り戻したら、魔物の村があるから、そこへ行くといい。」
「ありがとう!」
その夜は宿に泊まって、その翌日。
「マモル君。もしかして、探してた人を見つけたのかい?良かったね。今まで、色々と雑用を手伝ってくれてありがとう。すごく助かったよ。」
宿の主人が微笑んで言った。
「あの、ご主人。お代は…。」
「そんなのいらないよ。さんざん手伝ってもらったんだ。それで十分さ。」
「あ、ありがとうございます…!」
マモルは礼を言って、頭を下げた。
その様子を見届けると、ツルギたちは主人に礼をして宿を出た。
「…そういや、カブリは力を取り戻したのかな?一旦、魔物の村に行ってから、魔物博士のトコに一緒に行った方が良さそうだ。」
「僕が最後だったとは。名前もマモルだし、呪いの特徴がなくて探しにくかったでしょう。すみません。」
「謝ることないですよ。僕たちは呪いの者どうし、こうして出会う運命だったんですよ、きっと。」
ヨロイが笑って言った。
しかし今回は、なかなか見つからなかった。
「せめて、どんな奴か分かればな…。」
外見も何も分からない。ただ、呪いの盾であるということしか情報がない。これでは、人に聞くことも出来ない。
「ツルギさん。」
突然、ヨロイが言った。
「何だよ。」
「スミレさんが言ってたこと、覚えてます?」
「何だっけ?」
「旅が終わったら、皆でヤマトを観光しようって。」
「なんで急にその話が出てくるんだよ。」
「いや、なんかふと思い出したんです。もし、この先呪いの盾が見つかって、呪い仲間が増えたら、今までの四人組ではなくなるでしょう。だからその前に、四人で、ヤマトを観光したいんです。」
「別に、呪いの装備が揃ったからどうなるってもんでもないだろ…。」
「どうでしょうね…。」
急に、二人の胸に不安がよぎった。
「…ですから!その前に、心置きなく観光を楽しみましょうよ!」
ヨロイが努めて明るく言った。
「そうだな…。たまには…いいかもな。」
ツルギも賛成した。
二人は早速、ユリカとスミレを誘って、ヤマトへテレポートした。
「覚えててくれたなんて、嬉しい!さすがヨロイね。」
スミレは喜んでいた。
そして四人は買い物やお茶を楽しんだ。
そうこうするうちに、すっかり夜になった。
「テレポートで帰れるけど、それじゃ味気ないわね。宿に泊まって行こうよ。そうだ、こないだ泊まれなかったトコに行ってみようよ。」
スミレの提案で、宿に泊まることにした。
宿屋の主人は四人のことを覚えていた。
「ああ、君たちじゃないか!今日は客が一人しかいないんだ。だから皆泊まれるよ!大歓迎だ。」
「客が一人?」
「そういう日もあるさ。ささ、どうぞ。この紙に名前を書いてくれ。」
カウンターで、宿帳に名前を書いた。
「ツルギ、ヨロイ、ユリカ、スミレ。」
書いたのは、ユリカだった。ツルギとヨロイは字が書けなかった。
「ツルギ?ヨロイ?」
宿の主人は、首を傾げた。
「君たち、ちょっとここで待っていてくれ。」
そして、二階の客間へと上がっていった。
「俺たちが、どうかしたのかな?」
ツルギたちも首を傾げていた。
そしてすぐに、階段をバタバタと急いで降りてくる音がして、そちらを振り返ると、銀の鎧に青いマントを羽織った少年が姿を現した。後から、宿の主人も駆けつけた。
「君たち、ツルギとヨロイって名前なの!?」
少年が驚いたように言った。
「おう、そうだ。それがどうした?…って、まさか!?」
「僕はマモル。呪いの盾だったんだ。」
「やっぱり!!」
ヨロイが叫んだ。
「…これで呪いが揃ったな。」
ツルギは腕組みして言った。
「…ここでずっと待ってたんだ。宿の主人に、もしツルギとかヨロイとか、カブトみたいな名前の奴が来たら教えてくれって頼んでおいたんだ。やっと…やっと会えた。」
「この間、ここに来たときは満室だったからな。それで会えなかったのか。」
「でもいつか会えると信じて待ってたんだ。アビシスの占い師に言われてね。」
「そうだったのか…。」
「お前も、まず魔物博士に会って、力を取り戻したら、魔物の村があるから、そこへ行くといい。」
「ありがとう!」
その夜は宿に泊まって、その翌日。
「マモル君。もしかして、探してた人を見つけたのかい?良かったね。今まで、色々と雑用を手伝ってくれてありがとう。すごく助かったよ。」
宿の主人が微笑んで言った。
「あの、ご主人。お代は…。」
「そんなのいらないよ。さんざん手伝ってもらったんだ。それで十分さ。」
「あ、ありがとうございます…!」
マモルは礼を言って、頭を下げた。
その様子を見届けると、ツルギたちは主人に礼をして宿を出た。
「…そういや、カブリは力を取り戻したのかな?一旦、魔物の村に行ってから、魔物博士のトコに一緒に行った方が良さそうだ。」
「僕が最後だったとは。名前もマモルだし、呪いの特徴がなくて探しにくかったでしょう。すみません。」
「謝ることないですよ。僕たちは呪いの者どうし、こうして出会う運命だったんですよ、きっと。」
ヨロイが笑って言った。