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文字数 286文字
夜はなんといっても自由だ
更ければふけるほどに
わたしの目は輝きを増す
喜びも悲しみも
この瞬間に空から降り注ぎ
わたしの中を通り過ぎて
心を潤しどこからともなく
言の葉が芽吹き踊り出す頃
時の旅人も立ち止まり恋をする
蛍光灯の下に集まる音の妖精は
道化師の緻密な振る舞いを
舞台の上にさらけ出し
消えて無くなるまで飛び回る
わたしの心は今にもここから飛び出し
無数の星まで辿り着き
今見つけた全てのものを巻き込んで
お腹の中から歌い出す
月は相変わらず無関心を装い
その歌声を子守唄がわりに
寝屋に帰り着いて太陽を呼び起こす
また新しい1日が目を覚ました
誰かの楽しい始まりをよそに
眠りにつこう私が待つ今宵の空に