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文字数 543文字



誰かが流した汗の数だけ手に入れた
幸せとか涙とかを糧に誰かを育んで
限りなく真っ白に装った普通を着飾る
幾重にも重なり創り出されるあれもこれも
雨に濡れた窓の外に広がる景色としての役割で
少しずつ色褪せて溶け出していく
誰も知らない踏み固められた街の
キャンバスは何色に染まるのだろうか
風に靡いて転がる先にある
逆らえない時の流れに悔しさ滲む
あの時ここに埋め込んだ後悔の種を
誰かに託さずにはいられなかった
私の罪と共に誰かに託すしかなかった
乾いた喉を潤す為にあなたについた嘘に
注がれた紅い雫を飲み干して酔いを
口実に描くアーティファクトな真実は
誰もが夢見た偽りのない世界を描き続け
誰もが見たことのある形を作り続けている
そこに住む全ての人が我関せずと
見ないふりをしているこの街の下には
そこに住む全ての人が隠して捨てた
沢山のガラクタがうず高く不安定に積み重なり
今にも崩れてこぼれ落ちそうなのに
住み着いた亡霊たちが手を差し伸べ
耐えている姿が滑稽すぎると嘲笑う
明日は自分がその中の一つの歯車に
なるかもしれないとも気付かずに
この世界を本当に彩るものは何だろう
本物か嘘かもわからないこの場所に
踏ん張り続けて生きていなければならない
まだ何も知らない誰かのために
僕たちの罪を誰かに託すまで
汗を流していく筋の涙と幸せを育もう


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