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文字数 561文字



濡れた髪を乾かす時間もなく
報知器が鳴り出して
簡単な身支度だけで飛び出す
午前2時の出来事は
ただの誤報だとわかるまでに
1時間も近くの広場で待ちぼうけ
エレベーターが行列だから
冷えた体に鞭打って階段上がって
たらたらと部屋まで戻る
もう一度シャワー浴びて
落ち着くまでに持ち出した
袋の中身を見てみると
どうにもこうにも
くだらないものばかり入ってる
笑えることに財布すら入ってない
アレが本物だったら明日から
何にもできないレベルでお粗末
ひとしきり自分のバカさに笑ったら
1人避難訓練できてよかったと
諦めて今後に活かそうとか考える
とりあえず3時間だけでも
仮眠とって普段通りの時間に起きる
こんな日に限って会議が入ってるから
眠気防止に色々仕込んで挑もう
日常の中に起こる非日常の出来事は
浮かれた平和な世界には必要だけど
社長の話が長過ぎてイライラが頭の中駆け巡る
眠さにかまけてつい どうして?なんで?
わたしだけとか悪態ついてしまうんだろう
了見が狭すぎてホントに情けない
そんなわたしもどうにかこうにか
世界に一つの存在で
誰かにとっての大切な人らしい
そんなに気負って生きてなくても
ありがとうの一言が言えればいいらしいよ
その一言で誰かが嬉しくなるんだって
言葉発するだけでいいなら
それで誰かが嬉しいのなら
ここに僕たちがいる意味がある
今日も誰かに言おう ありがとうって





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