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文字数 433文字



すれ違う人々の仮面は
いつも穏やかな笑みを浮かべて
誰も怯えないように静かに
街を通りをただ行き交う
素顔に隠された瞳には
何が映り何を見ずに過ぎ去るの
並び歩く人々をかき分けて
急足のあの人はいく先を
遮る赤信号にさえ唾を吐く
時間に追われ普通に追われ
帰る場所にある何かは
僕には必要ないものだった
立ち止まるだけでも窮屈な
くだらないプライドに
押しのけられて転んだ先に
忘れられた手袋ひとつ
久しぶりに見上げた空が
重い雲を侍らせて
立ち上がるなよと嘲笑う
何気ない一言に傷ついて
ナイフのような言葉で
初めて会った人を刺した
僕には見えない血の涙が
メガネ越しには笑って見えた
ブレーキの効かない自転車みたいで
怖さとスリルが同居してる
頭の中のいらない感情を
追い出す術は僕を沈めるか
それとも僕と戦うか
たった二択しかないのは
僕が僕をコントロール出来ないだけ
ただ何も知ろうとしない僕に
優しさと強さを持った君が
手を差し伸べて笑ってる
この手をとるのか振り払うのか
迫られた選択に僕は立ち止まる
答えはすぐそこにあるのに




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