第14話
文字数 479文字
「信じてもらえないかもしれませんが……」
国武(こくぶ)は悲痛な目を九龍奈々子に向けて、そう切り出した。出会い系で知り合った穂香(ほのか)という女性とは、交際して二年以上が経ち、結婚を視野に入れていた。
ところが先日、その穂香が失踪したと、国武は赤裸々に語った。
『九龍(クーロン)研究所』
ここを訪れたきっかけは、まったくの偶然だった。
前日の夜。同窓会で学生時代の同級生である永瀬智子と十年ぶりに再会し、酒を酌み交わしながら恋人失踪の件を聞いてもらっていた。愚痴のつもりだったが、本気で心配した智子から九龍奈々子(クーロン、ななこ)という見破りの達人を紹介されたのである。
何でも、上司からのセクハラを解決したとの事だが、果たしてどれほどの者なのか、期待と不安が同時に押し寄せてきた。彼女も友人からここを紹介されたらしいのだが……。
まさか九龍奈々子が子どもとは思わなかった。
こんなガキに何ができるかと、来た早々、きびすを返そうとしたが、他に頼るところもない。結局。藁にも縋(すが)る気持ちで恋人の穂香が失踪するまでの経緯を、渋々打ち明けることにした。
国武(こくぶ)は悲痛な目を九龍奈々子に向けて、そう切り出した。出会い系で知り合った穂香(ほのか)という女性とは、交際して二年以上が経ち、結婚を視野に入れていた。
ところが先日、その穂香が失踪したと、国武は赤裸々に語った。
『九龍(クーロン)研究所』
ここを訪れたきっかけは、まったくの偶然だった。
前日の夜。同窓会で学生時代の同級生である永瀬智子と十年ぶりに再会し、酒を酌み交わしながら恋人失踪の件を聞いてもらっていた。愚痴のつもりだったが、本気で心配した智子から九龍奈々子(クーロン、ななこ)という見破りの達人を紹介されたのである。
何でも、上司からのセクハラを解決したとの事だが、果たしてどれほどの者なのか、期待と不安が同時に押し寄せてきた。彼女も友人からここを紹介されたらしいのだが……。
まさか九龍奈々子が子どもとは思わなかった。
こんなガキに何ができるかと、来た早々、きびすを返そうとしたが、他に頼るところもない。結局。藁にも縋(すが)る気持ちで恋人の穂香が失踪するまでの経緯を、渋々打ち明けることにした。