第12話
文字数 503文字
一時間後。
二人は永瀬智子の暮らすマンションに到着した。
エレベーターで三階に昇り、部屋に向かう。鍵を開けると、智子は九龍奈々子を招き入れた。
ほとんどの家具はピンク色で統一している。我ながら小ぎれいにしていたつもりだったが、キッチンの小さなゴミ袋から、捨て忘れた生ごみの匂いが漂い、少々気まずい思いをした。
奈々子は部屋中を見て回ったが、特に怪しいところは無いようだった。警察が調べたのだから抜かりはないだろうが、奈々子は一応とばかりに電波探知機を取り出してアンテナを伸ばす。部屋の隅々まで一緒に確認したが、針が揺れることは無かった。
「……やはり盗聴器は仕込まれていないようね。だとすると一体……」
奈々子は上司から何か貰った物はないかと訊いてきた。
頭をひねってみたが、思い当たるフシは無い。仮にあったとしても、電波の反応がないのだから、盗聴器が仕込まれている可能性はゼロと考えるべきだ。
次に会社での行動――特に昼休みの過ごし方を智子は尋ねられた。
「デスクにバッグを置いたまま、社員食堂でランチを食べます」と、正直に伝える。
何かひらめいたようで、奈々子はある提案を出してきた。
その提案とは……。
二人は永瀬智子の暮らすマンションに到着した。
エレベーターで三階に昇り、部屋に向かう。鍵を開けると、智子は九龍奈々子を招き入れた。
ほとんどの家具はピンク色で統一している。我ながら小ぎれいにしていたつもりだったが、キッチンの小さなゴミ袋から、捨て忘れた生ごみの匂いが漂い、少々気まずい思いをした。
奈々子は部屋中を見て回ったが、特に怪しいところは無いようだった。警察が調べたのだから抜かりはないだろうが、奈々子は一応とばかりに電波探知機を取り出してアンテナを伸ばす。部屋の隅々まで一緒に確認したが、針が揺れることは無かった。
「……やはり盗聴器は仕込まれていないようね。だとすると一体……」
奈々子は上司から何か貰った物はないかと訊いてきた。
頭をひねってみたが、思い当たるフシは無い。仮にあったとしても、電波の反応がないのだから、盗聴器が仕込まれている可能性はゼロと考えるべきだ。
次に会社での行動――特に昼休みの過ごし方を智子は尋ねられた。
「デスクにバッグを置いたまま、社員食堂でランチを食べます」と、正直に伝える。
何かひらめいたようで、奈々子はある提案を出してきた。
その提案とは……。