コンクリの上に 20130322

文字数 238文字

逃げ水を追いかけて迷子になった幼い僕が
泣きべそかいて家路についた時にみた入道雲
コンクリの照り返しで焼けた頬
そこに伝う涙がひりひりと声をあげるよう

駆け出した君が振り返って笑う
半袖のポロシャツにシンプルなスカート
ひまわりが揺れるいつもの道に2つの足音
手のひらが汗でまみれて鼓動が僕の耳を打つ

泣き虫だった僕が初めて勇気を出した夏
細かいことは今ではもう忘れてしまったけれど
その日の帰り道で見た夕焼けが目に染みたことだけは
今でもはっきりとその記憶に刻まれている
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