惜別の詩 20150724

文字数 427文字

ある雨の最中 むせ返るような夏の午後
眩暈のしそうな黄色の散り落ちた花弁
残った波紋は様々に広がり 反射しては複雑に絡み合い
そのかつてあった生を確かに感じ取る
まだ散るには早すぎたその花弁は美しさを讃えたままで
忘れずにいようと誓う 世界が忘れようとも
まだ逝くには早すぎたその花弁は世界の美しさを知らないままで
知らせに行こうと思う その亡き跡へ

ある雨の最中 散り落ちた美しき花弁
輝かしいまでのその生は 果たして成し遂げられただろうか
ある雨の最中 散り落ちた麗しき花弁
狂おしいまでのその生は 果たして満たされていただろうか

君は生を残そうといていたのだと 僕はここに至って確信する
君が生きた世界は果たして美しかっただろうか 輝いていただろうか

ある雨の最中 旅立つ友に捧げる
君が生きた世界はこれからも続き 僕等はそこを生きていく
ある雨の最中 先にいく友に捧げる
君が生きた世界は悲しくも麗しく 僕等もまた長い時間をかけて追いかける
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