memory 20110530

文字数 565文字

あの日の小さな煌きは
過去をきれいなままにしてくれる

惨めな思いも悲しみも
あの時の思い出が全て癒してくれる

そんな 私の遠い記憶の景色はセピア色

もう原型はとどめていない しわくちゃになった過去のもの

でも 捨てられないまま引き出しの奥に

大切にしまってる



夕暮れの帰り道

空が赤く色づいていたあの時間に

二人並んで歩いた道

二人分の足音が互いを気遣うように

その音を紡いでいく

長く伸びた影 二人分の影が

その道を進む そんな過去の記憶



過去は過去のものと

言い聞かせるように心の中で反芻する

小さく残った記憶の欠片をもてあそんで

感傷に浸っているのも分かっているの

心がうずく感覚に瞼を熱くしてしまう悪い癖

君はもういない 私の目の前からいなくなってしまった

それはよく分かってる




記憶は思い出として 思い出は宝物として

色あせてもしわくちゃになっても

大切にしたくなるものなの

輝いて そのセピア色をまるで色鮮やかな水彩画のように

私の中で煌かせてくれる それが君との思い出

なくしたくない なくしたくないよ

君は私に最高の時間をくれたんだ

その時間は確かに存在して 私の歴史に刻まれたんだから

ずっと消えない思い出 君との思い出

私の一番の宝物

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