ナガレナガル 20130818

文字数 303文字

言葉は一期一会だ
今日生まれた言葉は明日は生まれない
生まれては消え 彼らには二度と出会えない

海がさざめいて
白波が押し寄せてくる
彼らも二度と同じ波は寄せてはこない
所を変え品を変え
最後には風の赴くままに潮の香りとなり世間を渡る

煙草の煙は空に溶け
あの人の温もりはもう戻ってこない
温もりはいつの間にかその肌を離れ
唇の感触も 朝歯を磨いたその歯ブラシに
流した水に溶けて消える

世界は同じようには回らない
常に姿を変えゆっくりと人目にはつかないように
もしかしたら
変化を恐れる僕のために少しずつ、気づかないように
それでも変わらなければいけないから
静かにその姿を変えるのではないだろうか
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