及ばずとも見える深淵 20140214

文字数 226文字

静かに佇むには世俗的で
立ち向かうには無力で
言葉の端々を繋ぎあわせながら
その場凌ぎに歌を歌ったりする

この間引き潮に導かれて本当の虚空に触れようとした
過ぎた行いも 及ばなかった想念も
大きな自然の体系の中に飲み込まれて沈み込んだ
この世には人の理解を超えた何かがあるらしい
それを何かと形容するには僕らは全く幼すぎた

絶望するには早すぎる
希望を持つには遅すぎる
人間の犯した深き業が
また別の人間に皺寄せとして
押し寄せては夜を更けさせる
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