蕾と日常 20110512

文字数 311文字

何もなかったように日々は過ぎ行く

枯れ木に僅かに蕾がつき始めたような朝

ここから始まりだしたと思う程の本当の日常

手は届かない

けど、僅かにでも触れ合っている感覚

薄く引き伸ばされた幸福

丸めて固まりにするにはまだまだ足りない

けど、確かにそこにある

4月の風のような存在

ぽっかり空いた穴 今はまだ埋まらない

拭いきれない寂寥が

実は必要悪だってことは

まだ気づいていないかもしれない 分からないかもしれない

壮大に萌える木だって 雨風に吹かれて育つのだから

この距離は そういうものなんだと思う

いつかこの距離がなくなったとき

真にその幸福に気づくのかもしれない

今はまだ蕾なのだから
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