リデビュー小説賞 座談会 #5
文字数 11,917文字
1)編集者は楽しい?
そうですね、楽しいですよ。辛いこともありますが(笑)ネットでは「悪い編集者」はバズワードではありますが、戦っている編集者もたくさんいますし。まだまだできることはたくさんあるはず、だと思います
2)クリエイターになりたくない?
僕は猪熊さんとは違って、クリエイターに憧れて、なれなくて、でも、できることを探している編集者のほうが、最初からクリエイターになれない編集者より信用できるような気がします(笑)
ただ、そういう編集者がクリエイターさんにマウンティングするようになってしまわないように気を付けないとですね…。0から1を作れるのがクリエイターで、編集者はそれができないから、編集者なのですから。
3)これからの編集者像
それは一緒に作っていければうれしいです。少なくとも、今の時代、「動くこと」を恐れないでいたいです。
>絢谷さま・読者像について
作家さんご自分の作風、期待される物語、ファン・読者像などは、ある程度は認識しているほうがいいのかもしれませんね。ただ、期待される物語以外を書きたいときも、きっとありますよね(笑)
また、至道さん・猪熊さんの仰るように、担当編集者は最初の読者であり、マーケティングなどのご相談にも乗ってくれると思いますし、読者を見すぎるあまり、自分の作品を見失わないようにしてほしいと感じます。(最初から、読者のために書いているんだ!という方もいらっしゃいますが)
>雪瀬さま・パロディについて
こちらは僕からも。パロディは、元があるものに対して行いますよね。ただ、その人気にあやかって自作に話題を作りたい場合には、僕はそこは少し懐疑的で。やはり、ご自分の作品の力で、物語を盛り上げてほしいかもしれません。また、流行りもののパロディは、数年後に読んだときには読者に通じなくなる可能性もありますよね。
ただ、オマージュというか、リスペクトというか、言い方は違いますが、先行例を継承しつつも、その面白さを拡張している場合には、それはその作家さんのオリジナリティに近づくのかもしれません(笑)
はじめまして。
KADOKAWAのメディアワークス文庫より「天下人の軍師〈上〉 ―黒田官兵衛、風の如く迅速に―」「天下人の軍師〈下〉 ―黒田官兵衛、水の如く泰然と―」を出しました今岡英二と申します。
リデビュー賞には、さしあたって以下の作品を、先ほどあげさせていただきました。
つっこんだ質問は皆々様がすでにされているので、私は少々、閑話休題といいますか、ちょっしたティータイム的な質問でもさせていただければと思います。
というわけで、私の質問は「小説家を志したきっかけは?」「編集者であろうと願った理由は?」というものです。
なかなかこういったことをご同業に聞いたり、編集の方々に聞いたりすることがないので、もしよろしければお聞かせ願えれば幸いです。もしこういったことが聞ければ、それぞれの初志に触れられるかなとも思った次第でして……。
ちなみに私の場合は、ちと変わっておりまして、もともと不動産の営業をやっていましたが、音楽で身を立てるために退社して、バンド活動をしておりましたところ、知り合いのライターに「これだけ文章書けるなら、ライターになれるんじゃない」と言われ、それからバンド活動のかたわら、ライター活動をスタート。もともと学生時代は本の虫で、趣味で歴史研究もしていたので、いつの間にか歴史ライターとなり、次第に創作活動の意欲が音楽から執筆へと移行し、歴史小説も書くにいたったという感じです(紆余曲折はむろんはしょってます)。
ま、流れは少々異端ではありましょうが、基本的には「創作意欲がきっかけ」となり、いまは「歴史やミステリー、ライトノベルなど、自分が好むジャンルにて執筆活動をすることがアイデンティティ、自己表現の場となった」といったところかと存じます(笑)
>小説家を志したきっかけは?
ぼくの成り行きについては過去に開催したNOVELDAYS座談会でしばしば書く機会があったので、一部のNOVELDAYSユーザーさんには「また同じ話か」と思われるかもしれませんが、大筋の概略だけ再度触れてみます。
ぼくにとって小説家などまったく想像外でした。人生のなかで小説というものに関連するとさえ一度も考えたことありませんでした。
ただ、20代のころに別名義ですがビジネス書などは出していましたし、経営・金融系のマンガ原案にも携わらせてもらったことあります。いずれもビジネス系の版元さんから声をかけてもらって書いたものです。
経営歴は長くて19歳のころからやっていまして、かれこれ20年になります。ご自身で創業された事業家の人は誰もが実感としてわかるはずですが、当然紆余曲折は経ていまして、信じられないくらい稼いだこともありましたし、貧乏のどん底だったこともあります。ちょうど貧乏だったタイミングにて、過去の実用書などの出版歴から、ビジネス書のゴーストライターの仕事をこなしました。ゴースト1冊90万の買い切りでしたが(当時の相場)、ぶっちゃけた話、ぼくがゴーストで適当に書き殴ったこんな焼き直しのペラペラでどうでもいい内容の他人名義ビジネス本がバカみたいに売れたりするのを半ば笑って絶望しつつも楽しんでみていましたね。事業のほうが安定してゴーストは割に合わなくなりさっさとやめたのですが、ある時ある編集さんから「小説っぽいビジネス書が売れ筋になってきてるみたいだけど」という相談がありました。自分にできると思わなかったのですが、書いてみたらたしかに小説っぽくなって、それを見せたら「これは小説だから応募してみたら」と言われました。そこですぐ結果が出て、かつ編集者が直接読んでくれる講談社BOX小説賞が間近にあったので、そちらに出してみたところ大賞を受賞させてもらったのがキッカケとなりました。講談社BOXではまったく売れなかったですし(デビュー組たくさんいるはずですがここでは誰も売れていないはず)、ここじゃ書けないことも色々あったにしても、講談社だったからこそ自分が引っ掛かったのは間違いないと思っていますし、何だかんだいいつつ講談社デビューだったからこそ続いていると思えます。
小説自体は、学校の国語の教科書で触れた程度で、たしなんでもいなかったです。今もそうです。ただこれは小説が好きとか嫌いとかそういう次元の話ではなくて、普段は何かをゆっくり読んだりしているような時間がまったくないことが原因です。ぼくは極度のワーカホリックで、たぶん世界一仕事をしている部類のある意味で狂人です。まぁぼくのような狂人は、シリコンバレーや深センに行けばゴロゴロしていますけどね。昔の日本にもそうしたタイプが一部いた頃があったらしいですが、今じゃそんな人見ませんね。だから小説どころかビジネス書も読みません。ただし時事系の最新情報や、海外事情を扱った論文などには時折ですが投資判断のために目を通しています。だからぼくの場合には、文章はアプトプットだけでインプットがないですが、たぶんアウトプットがインプットにもなっているのでしょうね(皆さまには感覚としてわからないだろうと思いつつ)。
物凄い色々と端折ってますが、一つだけ重要なポイントかなと思われたのは、経営・金融方面におけるマンガ原作の依頼が某ジャンプ系編集部から20代終わりころあったことがありました。それは形になりませんでしたが、そのとき1年くらいちょくちょく集英社に出入りさせてもらいまして、キャラクターというものを知ったことが大きかったのは間違いありません。自分が後にも先にも物語創作というものを学んだ唯一の場所でした。
おせっかいかもしれませんが、プロの皆さまがた、恥ずかしがらずにぜひ自作のリンクなどを貼っておいてみてはいかがですか。これもまさに生き残りのための作業ですよ。ささやかに見えるかもしれませんけど、こうしたことができるかどうかが過酷なサバイバルの明暗をわけるかもしれません。
高波一乱と申します、編集者兼作家として活動をさせて頂いております。
狙っていた電撃大賞では、残念ながら最終選考に残れませんでした(3次通過)が、閻魔大王の子供達が「葬儀屋」「掃除屋(特殊清掃)」「整形外科医」という職業を通じて人間に関わっていくという面白い企画です。
作家性の話題が出ましたが、私が浜野さんに感じた才能は「不快な感情を読者に共感させることがとても上手い」というものでした。それを活かすことができるエンタメ企画を作ろうとアイデアを出し合ったものです。
完成原稿につきましては、ホラーなのか現代ドラマなのかキャラクターものなのか、少し中途半端な部分もありますので、そのあたりを流行やレーベルの傾向に合わせられればものになるのではないかと思っています。
文章力が高く、取材熱心な作家さんなので、一般〜ライト文芸に向いていると思います。
すでにご本人様がコメントを残されていましたが、応援として書き込ませていただきました。
自分の作品だけでもということでしたので、こういう場はあまり得意ではないのですが紹介させて頂きます。
カドカワビーズログ文庫から「マイペースな君」を出しました。
現在こちらで「君が歌を歌う時」
をリデビュー小説賞に出させていただいております。
一つお聞きしたいのですが。
リデビュー賞とは別に、他にも短編を三本あげているのですが、他の作品にも目を通すということはあるのでしょうか?
他の作品に目を通すことがあるか、については、可能性はあります、です。が、当然ながら、選考対象の作品を読むことが優先になってしまうとは思います。通常業務をしながら、おそらく100冊以上……数百冊の作品に目を通すことになるので、それだけで相当な時間がかかってしまいますので……一日三冊読んでも、あれ……(汗)
>高波様
応援コメント、ありがとうございます。
>今岡様
編集者となった理由は……、僕は元々理系の大学院に行っていたのですが、0と1の世界が嫌になって、ずっと好きだった物語の世界に飛び込みたかったから、でしょうか。
たたた高波さん!ありがとうございます。もったいお言葉いただき恐縮し動揺します。
投稿サイトの波にのれずただ誰かに読んでもらいたい一心で、高波さんが主宰されていたコンクールに小説を出させていただいたのが「浜野稚子」として活動するきっかけです。その短編を長編にすることを勧めてくださり、出版まで導いてくださいました。
一作で終わってしまうと思っていたつながりですが、高波さんから「ホラーとかミステリーが向いていると思いますよ」とアドバイスいただいてエンマカンパニーを考えました。(ジャンル分けに悩むものになっていますが)
高波さんのすごいところは、なんというか、一緒に面白いもの考えましょうよという気持ちが強い。
大変お忙しいのに書いたものを読んでくださって、感想をくださいます。
閲覧数ばかりが気になり、投稿サイトでは文章が書きにくくなってしまう私のような書き手には特に、
まず信頼できるよき読み手を得ることが必要でした。この人が面白いというものを書こう、応えたい、という気持ちを起こしてくれるような。それが自然に、もっとたくさんの人に読んでもらいたいものになっていくのではないかと思っています。
こちらのリデビュー小説賞のことも高波さんに教えていただきました。編集者の方に読んでいただける、これだけでもすごいことですよね!!と。
リデビュー小説賞、はじめての試みでまだ次がお考えいただける段階ではないかと思いますが、よき読み手を求めている書き手にはたいへんありがたい機会、ぜひ続けてほしいなぁと今から願ってしまいます。
……たくさんしゃべってしまいました。
(ご希望あれば、また開催してみたいです)
そんなわけで、【リデビュー小説賞】について、僕からもみなさんにご質問です。
出版社にどのような宣伝・プロモーションを期待されますか?
もちろん、お金をかければどんなことでもできます。ですが、費用対効果を出版社は考えねばなりません。最近は、書店さんでのPOPなどの掲出率もすごく低くなっていたり、数百万円かかる新聞宣伝は、果たしてどのくらいの効果があるのだろう、なども、社内でよく話題になります。
僕たちも、あの手この手のプロモーションを考えてはおりますが、プロの作家さんの立場から、こういう宣伝をやってみたい、こういう宣伝を見かけてとてもよかった、などがあれば、お聞かせいただきたいです。
(そして、リデビュー賞の発売の際には、是非仕掛けたい…)
リデビュー大賞に応募させていただいておりますH_UOTANIと申します
(商業では別名義ですが)。
リデビュー賞では「ユウカンなる者~警視庁特別遊撃捜査官」という、警察ものの連作短編で応募させて頂いております。
(間に合えば、あと1作くらい新作を投稿できればと思っております)
個人的なプロモーション・宣伝で望むのは、
やはり自分が本を購入する際に書店員さんのPOPや何に惹かれて購入することが多いので、
作家本人が書店を訪問して、可能であれ自作のPOPや何かを置かせてもらう(うまく作れるかどうかは別問題として…)、というものでしょうか
新聞広告や電車の中吊り広告は、「○○万部突破!」「映画化決定」などと大々的に打ち出されていたり、すでに名前が知られている作家ならば「新作が出ましたよ」という宣伝で効果的だとは思うのですが、
今回デビューしたばかりだと、広告で購入を決めてもらうのはかなり難しいかなと…。
そうなればやっぱり、会社帰りや学校帰りの方々がふらっと立ち寄って、本の棚を眺める方々に向けたメッセージ(POP?)が効果があるのかなと思いました。
はじめまして、山本風碧と申します。
臆病で人と話すことが苦手で、そのせいで内に貯め込んだものを発散させるため小説を書き始めた気がします。
そんな気質ですので、ROMを突き通すつもりでしたが、自己紹介だけでもさせていただこうと思いまして。
KADOKAWAビーズログ文庫アリスさんから「御伽噺を翔ける魔女」でデビューいたしました。
リデビュー小説賞には「暁の巫女は朔の夢を見る」という平安風ファンタジーを投稿させていただいております。
少女小説を読んで育ったため、今でも少女小説が好きで書きますし読みますが、現状少女小説というジャンルの元気がなくなっている(もしくは他ジャンルに吸収されている)ように思えています。
ホワイトハートさんの「十二国記」は、一般文庫としても刊行されましたが、元は少女小説レーベルから刊行されたということを知っている方も少なくなったのでは?
そんな現状で重厚な女性向けファンタジーが少女小説レーベルから発売されたとして、十二国記程のヒットとなるのかどうかを考えると、難しく思えるのです。(作品の力が足りなかったと言われてはそれまでなのですが、ジャンルやレーベルという縛りが逆に読者層を狭めている気もしていて…)
十二国記のヒットを考えても少女小説(女性向けファンタジー)の需要はもっとあるはずで、その需要を今後どう拾っていかれるのか興味があります。
(キャラ文芸が少女小説を卒業された方の受け皿かなとは思っているのですけれど、現状FTはあやかし中華が目立ちます)
>出版社にどのような宣伝・プロモーションを期待されますか?
一つ良いなと思ったのが、宣伝漫画でした。見かけたのは見開き一ページくらいのものでしたが、作品の雰囲気を掴むのに最適だと思います。
作者としても読者としても、作品のターゲットに届くようなプロモーションを望んでいます。読者が小説を手に取る材料は、タイトル、表紙、あらすじ、帯くらいしかありません。これらは著者が手を出せない領域です。読者とのマッチングをしてくださるのが出版社だと今までもこれからも信じております。
>出版社にどのような宣伝・プロモーションを期待されますか?
H_UOTANI様がおっしゃっていたように、書店で目にする手書きのPOPは、私も実際それを見て購入することがあるので効果があるように思います。
あとは、発売以降ではありますが、「今週のおススメ」などと銘打って、ツイッターやホームページ等で過去に発売された作品をスコップしていただくなど、あると嬉しいなと思います。
>河北様
座談会に交じったのは本日からですが、実は初日から見させていただいておりましたので、また開催あらばありがたい限りです。投稿ももうちょっと時間をかけて行う予定でしたが、交じらんがために急きょ、手始めの一作を投稿した次第ですので(笑)
>出版社にどのような宣伝・プロモーションを期待されますか?
やはり手に取ってもらい、まずは入りだけでも読んでもらってなんぼだと思うので、なるべく人目に付くプロモーションがいいですな。
……というのはまったく当然のことではありますが、費用対効果を考えたら、新聞雑誌等の書評や書店の手書きポップあたりでしょうか。個人的には手書きのポップをまったくかかわりのない書店さんが作ってくれていた時は、なにげにかなりうれしかったですね。そんなわけで手書きポップ風なものが簡単に作れる販促グッズとかはどうでしょう? 書店員さんの手間がいくばくかでも省ければ、ポップ活用もされるかと愚考する次第です。
また、自分のかかわり知らぬところで書評が掲載されていた時も、やはりうれしかったです。うれしさのあまり、その編集部あてに、書評の先生へのお礼状とそれとはまた別の本をお送りしたのもいい思い出です。
ただ、一方でこれは編集の方々にお聞きしたいのですが、サイン本の提供による雑誌等のプレゼントコーナーへの掲載はどれくらい宣伝効果があるものなんでしょうか? 個人的には「サイン本がほしいひとはそもそもそのサイン本がほしいんであって、当選しなかったからといって買うかどうかは微妙なのではないか」というのが正直なところ。という疑問を、サイン本を10冊程用意するというときに、当時の担当編集さんに直接お聞きしたんですが、特に根拠も示してくれず「十分効果はありますから」という一言で済まされてしまい、若干もやっとしたものなので……。
目の前で購入してくれた読者様になら、100冊でも200冊でも喜んでサインするんですけどね(笑)
>至道様
ゴーストライターは金にならないというのは、いずことて同じでしょうな(笑)
私もライターから作家を志したきっかけの一つに「名前が売れてなければ、同じ労力でも実入りが雲泥の差ではないか」というのがありました。ライターの駆け出しの頃なら誰しもが通る道なのかもしれません。
>山本様
内に貯め込んだものを発散させるためというのも、非常にわかりやすくて、これはこれでためになります。私はふだんの職務上では外交的を装っていますが、プライベートでは内面的なものなので、そういうものを内にため込むがゆえの発散=創作意欲なのかもしれません。やはりご同業の方、編集の方々のきっかけを聞くのは、いい刺激、勉強になります。
ずばりアニメ化、漫画化、オーディオドラマ化が決定していることを、新刊の帯に掲載して頂くことです!
ラノベの帯で、個人的に手に取ってみたくなるものを順位づけいたしますと
①アニメ化決定! と書かれている帯
「アニメ化されるくらいなら面白い作品なんだろう。二度楽しめるしお得だな」
②コミカライズ決定! と書かれている帯
上に同じ
③『○○小説新人賞 大賞受賞作品
「大賞を取るからには今一番期待されている作品なのだろう」(ただし金賞や銀賞にはあまり興味がない)
④ドラマCD、キャラソン発売決定! と書かれている帯
「①、②ほどではないにしても期待できるかな」(好きな声優さんだったら大きくプラス)
⑤好きな作家などの推薦文
「あの人が名前を出して宣伝するくらいならハズレにはならなそう」
⑥イラストとキャッチコピーの組み合わせによる印象
イラストを見て感じた欲求と、帯に書かれているコピーの煽りが一致していれば好印象
こんな感じになります。
さすがにアニメ化は現実的ではありませんし、大賞作品も乱発はできませんので、コミカライズや音声作品化までを通して頂けると良いかなと思います。
コミカライズについては必ずしも連載しなければならないわけではなく、キリの良い第一話分16〜24ページくらいをウェブに無料掲載して、その一部を山本さんが仰ったように宣伝漫画として活用すると、二度美味しいですね。その場合は、コミカライズ決定!だと誇大広告になりそうなので、『公式ページで無料漫画を掲載中!』などでも良いかなと。好評であればそのまま連載して頂ければ、ラノベ作家も漫画家さんも嬉しいです。
ドラマCDについては起用する声優さんのファン層への宣伝になりますね。これもウェブで無料公開して、漫画とも組み合わせられると効果的かなと思います。
どちらもそれほどお金がかからない(既存の材料で賄える部分が大きい)わりには、お客さん視点では強いハッタリに見えます。メタ的に面白いことが始まりそうな予感をさせてくれるのですね。
ラノベ購買層は平均して月に1〜2冊だと聞きますので、同時に書店に並んでいる他の作品より一歩だけ前に出ることが大事なのかなと考えています。
長文失礼いたしました
また同じ話に立ち返るのですが「作品単位でなくレーベル規模のプロモーションを」ということになりましょうか。「レーベルではどのような作品を求めているのですか?」「個別の作品ではなく、どういう本を横に並べたいのですか?」というのは「レーベルそのものをどういう風にプロモーションしていくのですか?」という話に行きつくわけで、つまりレーベルのブランディングですね。個別の作品はそれぞれの企画が動き出してから各担当編集者と作家の間で詰めていくしかない話ですが、編集長という立場にはそういった編集者、作家とはまた違った一層上のレイヤーでの役割があるものと思います。10年先にも読まれる作品を残していくために、これからの10年でどういう方向に舵を切っていくのか。ひとまずの立ち上げを終えた今の時期だからこそ改めてフォーカスすべきことであると思いますし、これまでのところ編集者、作家についての表層的な一般論に終始している印象なので、「講談社タイガの編集長」「講談社ラノベ文庫の編集長」という固有の立場からの言葉をもうちょっと引き出していきたいなと。どういうレーベルにしていきたいですか?
>出版社にどのような宣伝・プロモーションを期待されますか?
①本の帯にQRコード
本の帯にQRコードを印刷して、初版を買っていただいた方限定の書き下ろしSSやイラストなど特別な宣伝ページが読めるようにするというのがあると嬉しいです。
店ごとの限定SSという売り方もありますが、普通の書店で購入してくださる読者様への感謝の気持ちを伝えたいのです。
②書店が簡単にpopを作れるページ
pdfを使ってダウンロードして、折り曲げて本棚にさしたら完成するような簡単に書店のpopが作れる書店様向けページがあると書店員様の負担が減るかもしれません。
大書店ではないけれど、この本をプッシュしたいと考えてくださるお店が気軽にpopを使ってくれる可能性があります。
③レーベルからの宣伝ツイート
新刊もですが、既刊も定期的に発売中ツイートをしばらくしていただけるとありがたいです。
(自動ツイートでかまいませんし、時間が経ったら徐々に減らす方向でかまいません)
④出版するまで読者の興味を保つ工夫
担当様か作者で希望する人には期間限定(~発売1ヵ月後くらいまで)でいいので、本が出るまでの裏話的なものを簡単に(短文)レーベルのページ内で話せるようにしていただけると書籍を選ぶときの参考にしてもらえるかもしれません。
(例)
○○のラフデザインを拝見しました。
こちらの依頼以上のものを上げていただきました。
カラーページを見た読者の驚く顔が楽しみです。
こういうことをしていただけると本当にありがたいです。
テレビCMやコミカライズ等メディアミックスも嬉しいけれど、費用対効果を考えると、どれだけお金を使ってどれだけ売れるのかわからないのはこわいです。
そこで負担額が比較的少ないこういう提案をさせていただきました。
>出版社にどのような宣伝・プロモーションを期待されますか?
ただ推薦者は作家・批評家・書店員・読者や所謂タレントさんではなく、YouTuberへの依頼を想定します。
そのうえで書籍書店の帯・Popだけではなく、
YouTuberに案件動画(宣伝動画)としてお願いするなど、どうでしょうか。
無論ただのYouTuberではなく、再生回数平均十数万規模の人気YouTuberへの依頼です。この時点で相当費用対効果に見合ってないかもしれませんが、あくまで提案ですので!人気YouTuberグループなどには元教師が在籍しているなど、様々な職種をたどった方、読書素養の高い方もいらっしゃると思うでの、
そういうわずかながらでも「読書」に通ずる方のプロモーション動画からならば、動画視聴者もAmazonなどでポチってくれる可能性はあると想像します。
普段読書をする層にはまず届かない宣伝かもしれませんが、
読書が日常的ではない若い層へは届くと考えます。NOVEL DAYSとしてもサイトへのアクセスも一定以上は見込めるかと。
もしくはすでに同様の意見はありましたが、
「舞城西尾佐藤」などの作家さん括りをジャンル付けしてもらうと、
読者としては、次はこの作家さんを追えばいいんだな、と判断できたので分かりやすくて好きでした、とても。
リデビュー小説賞応募作品
至道様、猪熊様、河北様、ご回答ありがとうございました。
読者層については、現状ではあまり難しく考えずに作品に向き合おうと思います。
プロモーションについて
講談社タイガ様が行っていたハロウィンフェアや、ポプラ社様のあるかしら文庫はとても楽しい企画でした。ふだんは手に取らない本を読んでみるきっかけになると思います。可愛いカバーも目を引きます。
あとは、具体的な案は何もないのですが、読者の方も参加できるような何かがあると楽しいかもです。少しでも自分が作品に携わると、愛着も湧きますし、応援したいって思ってもらえるような気がするのです。
本来はこういう場で積極的に発言するほうではないのですが、思い切ってご挨拶してみてよかったです。
このような機会を作ってくださった至道様、猪熊様、河北様、興味深いお話を聞かせてくださった作家先生方、ありがとうございました。
もしTwitterやブログをなさっているのであれば(公式のものでも、個人名義に近いものでも)「定期的に楽しく担当作の話をしていただく」ことが、個々の本の宣伝になり、レーベル全体のイメージアップに繋がるのではないかと感じています。
もしかしたら、ある月の数点の新刊のなかで、特に思い入れのある一作品の言及が多くなってしまうかもしれません。それはそれでいいのだと思います。アイドルグループのセンターを推すようなもので、それは、グループ全体への興味を掻きたてるのではないでしょうか。
ご担当なさっている本はもちろん、時には、個人的におもしろかった他社の本のお話もしていただけたら嬉しいです。
海外小説の編集者や翻訳家の方々は、大きな話題作が出たら出版社の垣根を越えて言及し、盛り上げようという雰囲気が比較的濃いように思います。そうやって、小説を愛している様子を拝見していると「この方々の手掛けておられる本も、今度読んでみよう」という気持ちになります。