リデビュー小説賞 座談会 #6

文字数 10,568文字

>小山様
そうなんです!講談社タイガは3周年で電子書籍のフェア中なんです!リアル書店でも、人気シリーズの1巻目をワンコイン(税込500円)でハロウィンフェアを開催中です。
そのレーベルを知るためには、刊行物を読むのが一番…!?(露骨な宣伝です 笑)
2018/10/24 21:50
皆様が、出版社に、編集部に期待する宣伝施策、なるほど、と思うものがたくさん!

今すぐ取り入れたいもの複数ございました。

POPなどの店頭宣伝物は、掲出率が非常に厳しくはあるからこそ、どうやって手軽に、かつ、応援してくれる書店さんに届けるか、は課題ですよね。書店員さんに的確に届けられるシステムが欲しい…!

お金をかけなくても、帯のQRコードでの購入者特典SSなどへの誘導は、ファンサービスとしても素敵ですよね。

推薦文のありかたも、考えていきたいですよね。作家さん、書評家さん、書店員さんのコメントは非常に的を射ていますが、一読者の方のコメントだからこそ、まっすぐ心に刺さることもありますし、YouTuberや、著名人の方のコメントだからこそ、ファンの心に深く刺さったり、マスに受けることもありますよね。

あと、ここでも再三言っていますが、既刊の作品を盛り上げること、SNSなどでも発信していくこと、本当に大切だと思います!……が、今の編集者だと、100冊を超える担当作をサーチしたり、発信していくことが本当に難しい…。だからこそ、既刊について発信できるシステム整備などが必要なのだと感じます。
どうしても、宣伝が新刊中心になってしまうのをどうにかしたい……
(特に、公式アカウントで宣伝をし続けるのは、担当編集者にとっても中々難しいものなのです。
なので、僕は個人アカウントで、作家さんともオープンにお話しできるようにしていますが……むむむ)


サイン本についても、効果は一定あると思いますが、タイガではもう一歩踏み込んで、
https://twitter.com/kodansha_taiga/status/956133947250900992
http://news.kodansha.co.jp/5262/
こんな形で告知や、感想を募集したり、プレゼントなどを行ったりしました。


また、漫画やイラスト媒体での宣伝も非常に効果的だと思います。それこそ、ここは「NOVEL DAYS」で、「ILLUST DAYS」「DAYS NEO」などが一緒にあるからこそ、リデビュー小説賞を世に出す際には、是非、イラスト募集、あらすじ紹介漫画募集、などもやってみたいと思います。

皆様のご意見、本当に勉強になります。ありがとうございます。
ぜひぜひ、思いついたことがあれば、書き込んでいただければありがたいです。

2018/10/24 21:52

ワンコイン。 紙の本がやっぱり好きなのでこれはうれしいです。

>プロモーションについて
 新刊と呼ばれる時期を過ぎても、しばらくの間自動で宣伝ツイートをしていただけたらうれしいなと思います。

 どなたか言われていたように、私もポップなどで書店員さんの勧めるものを手に取ることが多いです。

2018/10/24 22:11
個人的な感情で、bot的に自動で宣伝するのって、作品への愛情が少ない気がして……と思っていましたが、そんなことはないかもしれませんね。
過去半年くらいの作品は、自動tweetとかすることで、それを見た読者さんが反応してくれるかもしれないもんなぁ……。Twitterとかは、流れていくもので、いつも見るものじゃないですもんね。(可能だったら時々文章を更新すればいいし)

これ、急ぎ考えてみようと思います。
2018/10/24 22:12
1週間にも渡って続いた『リデビュー小説賞 座談会』ではありますが、25日16時ころを目安に終了ということもありますので、そろそろ締めに入りましょうか。


河北編集長、イノクマ編集長、もしよろしければ最終日にでも、皆さんにエールなどを残してもらえればと思います。リデビュー賞への応募者へのエールでも、出版業界の編集者の方々へのエールでも、あるいはこれからの出版の未来などについて語って頂いても、どんな方向でも大丈夫です。


ぼくも明日の業務の合間に何か書こうかなと思います。

よろしければプロ作家の方々も、ご自由にコメントなど残してみてください。まだリンクを貼りにきていらっしゃらない方も全然遅くありませんので、軽いコメントだけでも遠慮なくどうぞ。

2018/10/24 23:34
初めまして。那識あきらと申します。
徳間文庫さんから現代恋愛もの『うつしゆめ』でデビュー、先月マイナビ出版ファン文庫さんから水中ロボット開発記『リケジョの法則』を出していただきました。
リデビュー小説賞には、ジュブナイル風ファンタジー「九十九の黎明」を応募しようと思って、現在連載しているところです。まだリデビュー賞のタグをつけておりませんので、このままROMに徹しようかと思っておりましたが、自己紹介を兼ねて書き込ませていただきます。

ツイッタでの既刊の宣伝について、講談社タイガさんが現在やっておられるように、一般の読者さんの感想ツイートを出版社公式アカウントが積極的にリツイートしていくというのはとても効果的だと思っています。
読んだ方の「面白かった」という言葉に勝る宣伝文句は無い、と思うのです。

アカウントを管理なさる編集さんの負担は、大変なものだと思います。
各々の作家が自分の著作についてのツイートを見つけたらDMで編集さんとシェアして、検索の負担を分散することはできないでしょうか。挨拶も結びの言葉も必要なく、当該ツイートをDMするだけ、と決めておけば、送る側も送られる側も気楽に情報のやり取りができるような気がします。
とは言え、「100冊を超える担当作をサーチ」する手間が幾分(それもツイッタをしておられる作家さんの分のみ)省けるだけで、焼け石に水かもしれませんが。

フォロワーが何千人、何万人といらっしゃる人気作家さんならともかく、零細作家個人で打てる宣伝にはどうしても限りがあります。
告知や宣伝してくださる公式アカウントの存在には、本当にありがたく思っております。
2018/10/24 23:44

座談会に交じらんとして、昨晩急ぎ一作投稿していたら、1エピソードごとの文字数制限にひっかかっていたようで、各章とも途中が切れており申した(てへぺろ

本日エピソードを分割して、掲載しなおしましたので、もし「おい、こいつ中途半端なもの載せてたウツケ者じゃねえか」と思われた方がおられましたら、以下のリンクより平にご容赦を

「左近ちゃん 見参!」


なお、キャラ紹介も数日中に載せる予定でおりますし、締め切りに間に合えば他の作品も投稿したいと存じます。




ちなみに私見ですが、既刊のものを盛り上げる方法としては、シリーズ続刊ものも終了したものも同じカテゴリーにあるものを「○○フェア」と題して、取り上げるというのもありかと。たとえば「ミステリーフェア」の期間中は特設ページにてミステリーものの既刊をピックアップ。売れている作品が上位にくると結局もとの木阿弥になりかねないので、そこで取り上げる作品はランダムで掲載順が入れ替わるようにシステムに組み込んでおくとかで対処できるかなと。そして「ミステリーフェア」の後は2~3週間空けて、次は「ファンタジーフェア」、次は「恋愛フェア」などを展開することで、飽きはある程度ふせげるかなと愚考いたします。

2018/10/24 23:46

今さらながらはじめまして、蓮水トワと申します。(商業名は別名義です)


座談会、大変興味深く拝見させていただいておりました。なかなか勇気を振り絞れずにおりましたが、至道先生のお言葉に背を押され、せめて最後にご挨拶だけでもと思い馳せ参じた次第です。


リデビュー賞には『 DEAR-B  ―in CLOSED CIRCLE― 』という、近未来の日本を舞台とした和風ファンタジー作品でエントリーしております。時代の流れに逆らうような冒険・バトルファンタジー作品(しかも女主人公…)なので、果たしてレーベルカラーに合うかどうか…かなりの不安を抱えながらの参加にはなりますが、折角の機会ですし、思い切って挑戦させていただいております。


宣伝方法について、諸先生方のご意見や、上記にある河北様のご意見に大きく頷きつつ拝見しておりましたが、自分なりに付け加えるとすれば、「ILLUST DAYS」や「DAYS NEO」で集めた『イラスト募集』、『あらすじ紹介漫画募集』を公式ツイートで流す、またはハッシュタグを作って参加型にしてしまう、などでしょうか。(逆にそれを公式等でピックアップし、リツイートする等)

やはりツイッターでの宣伝漫画や動画などは、文字での告知よりも、はるかに拡散されやすい気がしています。


あとは、今は『書き手』が多い時代なので、今回の座談会のように、編集部様側の直の意見を聞ける場というのは、とても効果があるように思います。応募要項に『選考過程や結果に関するお問い合わせには応じられません』とあるので少し厳しいかもですが、ある程度ふるいにかけた状態でエントリー作品の批評をNOVEL DAYSで公開するとか…。そういったものは、わりとチェックされている書き手の方も多いのでは?なんて思ったり。

ただ、編集部様の作業負担を考えると少々心苦しいですが…。あくまで個人的な一意見ということで聞き流していただければと思います。


なお、見ているだけでもとても勉強になるので、個人的にはこの座談会の続編を強く希望します!


2018/10/24 23:38

プロ作家の皆さま、ご参加ありがとうございます。ユーザーの皆さま、ご覧いただきありがとうございます。


多くの方が訪問してくださっている『リデビュー小説賞 座談会』ではありますが、本日の夕方ころには終了となります。

頃合いを見てコラボノベル主催者である河北編集長が座談会を完結させると思いますので、ぜひそれまでプロの方々は遠慮せずコメントや自作へのリンクなど残してみてください。完結となれば以降のコメント追加ができなくなります。


また参加してくださっているプロの方々からは次の座談会開催の希望の声が多いようにも思われますので、両編集長がよろしいようでしたらご検討してみてください。

また両編集長より、どのような方向でも構いませんので、最後にコメントなど残してもらえましたらと思います。


いちおう司会という立場でしたが、大して司会らしいふるまいができず申し訳ありません。

ぼくもこれから最後に何か軽く書いてみます。

2018/10/25 10:32

クリエイター産業に憂いを持っています。

あらゆる方面においてセミプロ以上の創作者が幾何級数的に増えているように見受けられます。プロと一般人の境目も小さくなり、デビューの壁も低くなっていることなど、様々な要因があるでしょう。

とくに座談会最初のほうでも書きましたが、小説のようにひとまず文字が書ければ体裁が整えられるようなものはともかく、長年の研鑽が必要な漫画家さんがこれだけ増えてきていることに自分は驚きを隠せません。まだ小説家は文字だけなので退路を考えるほどでもなく気が楽に保てるところはあるのですが、画力・コマ割り・ストーリー作り・文章まで幅広い努力を重ねてきたはずの漫画家さんの身になってみると切実さは増して感じられます。


クリエイターが増えることで競争が活発化し、全体のスキルが向上していくと考えるむきもあるでしょう。いやしかし、そうではない。

日本全体の需要が縮んでいるなかで、供給側の過剰感が激しさを増した今、危険な過当競争の領域に入ってきているのは確かです。


とりわけ日本という国は、過当競争の弊害をあまり問題として受け止めない傾向があります。滅私奉公という言葉もあるくらいで、個人が何か上位のものに対して無償の愛や労働をささげるような行為は美しいとさえみなされがちです。日本がデフレ体質から容易に抜け出せない遠因の一つともなっているでしょう。

しかしながらより広く市場経済という立ち位置で見下ろせば、過当競争は、独占と同じかまたそれ以上に危険な経済事象であるとぼくは考えています。


個人の努力、企業の努力には、どうしたって限界点があります。生き残るためにサービスの価格を下げ続け、コストも削減し、馬車馬のごとく働いて疲れ切り、その果てに個人も企業も気力を失っていくことになります。やがて野放図な過当競争は、産業の荒廃に繋がっていきます。


しかし実際のところ、そうした現実を歩んでいるのがぼくらのクリエイター産業です。

それでも我々としては、クリエイター産業の灯火を照らし続けていかなくてはならないとも感じています。

単に個人生活とか創作が好きとか嫌いとかそういう類いの話ではなくて、この社会が世界でようやく勝負できる数少ない分野にクリエイター産業があると思うからです。


かつて日本には2本の軸足があるとされました。90年代ころまで政府や省庁の資料でもしばしば語られていましたが、2本の軸足とは家電産業と自動車産業です。

しかし当の軸足の一本であったはずの家電はどうなったでしょうか。見るも無残な状況です。あっという間の出来事でした。乾いた笑いすら出てきません。

自動車産業で同じことが起こらないとは考えづらいです。自動車産業は今、日本全体の雇用の10%を支えるほどの一大産業ですが、これから進展していくEV化、自動運転技術、シェアリングエコノミーのいずれをとっても、日本の自動車産業にとって優位な側面があるとは思い難いです。電池技術にまだ少し可能性があるくらいかもしれませんが、そこも死守し続けられると思うのは楽観視しすぎにも程があります。


これからの日本は、観光産業と介護産業の国になる見込みが高そうです。介護産業だけではあまりに悲惨なので、政府はいま観光産業を躍起になって育てようと試みていることは皆さんもご存じの通りかと思います。

ぼくとしてはクリエイター産業も、これからの日本を支えうる可能性があり、世界でもなんとか勝負を継続していくことが可能な数少ない分野なのではないかと感じています。紫式部や葛飾北斎や手塚治虫を出せたのはこの社会の独自性があったればこそですし、これからもまだしばらくは良くも悪くも日本のガラパゴス状況は残りそうにも思います。

またなによりクリエイターと貧しいことはそれほど反目する要素ではないんですね。南海トラフなどを控えている日本ではありますが、クリエイター産業は幸いにも設備産業ではないですから、巨大災害への耐性も高いです。

AIもITも軍事もバイオも膨大な資金力がないとどうにもなりませんが、創作というものは資本力より文化的背景のほうが大きいと受け止めています。もちろん映画化、ドラマ化、ゲーム化などにあたってはますます資金力が必要とされる昨今ではありますけれども、最初のIPを生み出す部分はクリエイター個人の力量によるところが大きく、そこには資本力は簡単には入り込めない要素があります。


自分は事業家のためかグローバルエコノミー優先な傾向がありますし大して愛国的だとは思いません。そしてこれからの日本の厳しい状況は、それが古より繰り返されてきた文明の盛衰なんだと言われればそれはその通りでしょう。しかし文明や国家はともかく、個人として、このまま座して死を待ちたいですか?


ぼくは一人のクリエイターとして、この大きな流れに抗ってみたいと考えています。

文明全体の流れなんだと言われれば、どこまで個人で抗えるかわかりません。でもせめて自分の周囲だけは何とか守りたいと思っていますし、もし叶うならば日本の創作の灯火はこれからも世界に冠たる存在であってほしいものです。それが、こうして繋がるクリエイターの同志たちや創作産業に携わるすべての方々のためであり、ひいては自分個人のためでもあろうと思うからです。


聖書に代表されるようにたった一つの創作物が世界の未来を変えることもありますから、ぼくらのクリエイター産業は、いよいよ貧しくなっていくこの社会全体にとっての数少ない光にもなってくれるはずです。クリエイター産業の灯火を適正に守り続けることができたなら、きっと日本やぼくら個人が世界を変える可能性もあるのではないかと期待しています。





…………なんか長くなったので投稿するのをやめようかと思いましたが、せっかく書きましたし、誤解を恐れず無心でこのまま投げてしまいます。いつもいつも場違い感丸出しで恥ずかしい。これでもまだまだ話したりない部分が多く、自分の国語能力の至らなさを痛切に思い知らされますね……。

ついでながら自分は事業畑ではクリエイター産業には無縁であり続けてきましたが(うちの会社にとって利潤を生む方面だとは思い難かったので)、こうした色々な思案を重ねまして、創作方面において自分が取り組めそうな事業も準備し始めているところです。どこまでできるかわかりませんが、近いうちにクリエイターの皆さまがたと一緒に何か面白いことができると嬉しいです。


また最後に、座談会へのご参加、ご訪問、皆さまどうもありがとうございました。

2018/10/25 10:55

作家の皆さん、編集の皆さん、『リデビュー小説賞 座談会』、お疲れ様でした。
はじめはROMっているだけでしたが、皆さんの発言は投稿のいい指針となるとともに、非常に勉強にもなりました。


おかげさまでROMっているだけに飽き足らず、急きょその輪に加わらんがために早めに1作投稿して、少々交らせていただきました。そのためにまだ投稿のイロハも熟知しておらず、一部が尻切れトンボとなっていて、一人でひっそりと赤面したのもいい思い出です。

結果、我が心の中にさらに創作意欲の燃料が投下されたため、近いうちに現在掲載している「左近ちゃん 見参!」のキャラ設定をUPするとともに、また違った作風のものも掲載/投稿してみたいと思った次第です。




また最後に、至道様、ナイス司会ありがとうございました。
河北様、猪熊様、ご丁寧に質問にお答えくださり、ありがとうございました。
作家の皆さま、場を盛り上げてくださり、同業者として感謝の念に堪えません。本当にありがとうございました。


皆さん、お忙しいことと存じますので、『リデビュー小説賞 座談会』の第二弾があるかどうかはわかりませんが、また開催の折には、末席にて交らせていただければ幸いに存じます。
それでは名残惜しいことではありますが、これにて。

2018/10/25 14:19
リデビュー小説賞座談会お疲れさまでした。個人的にも様々な発見や作品の発掘など、

有意義な一週間だったと思います。

至道先生や、両編集長の考えに触れられた機会を得られたことは、大きな活力になったと思います。

有難うございます!


自分の考え、能力をもっと煮詰める必要性があることを感じさせてくれた一週間でもありました。

自分の甘さも改めて感じてしまいます。

ただ今は、いつか何かしらの「運」に巡り合えるよう、粛々と地力を高めていこうと思います。

ではお疲れ様でした、有難うございます!

2018/10/25 14:28
座談会にご参加のみなさま。


この一週間ばかりおつきあいいただきまして、ありがとうございました。

とりあえずお返事できていなかった部分などありますが、こちらでいろいろとまとめさせていただければと思います。


「ラノベ文庫」というレーベルで、何をめざすか、というと「こういったジャンルやキャラクターがほしい」ということになるのか、と思われるのですが、特に求めるキャラクターや作品ジャンルといったものは考えておりません……ラノベというジャンルは良くも悪くも「流行」を追うことでメジャーな潮流が入れ替わり、それにともなって新しい書き手が登場するものだと思っています。


また、だいたいにおいて「こういうものがほしい」とレーベルが打ち出した傾向の「反対のもの」がヒットしたりして、さらにレーベルカラーを形成するくらいの大ヒットになることだってあります。もっと小さい範囲になりますが「編集長が推したもの、好きなもの、求めたものは、当たらない」というジンクスみたいなものが、漫画誌同様に存在するかもと考えています。


――そういうことから《ライトノベルの王道を征く正統派ラノベレーベル》と謳っている我々「講談社ラノベ文庫」ではありますが、「染め上げたい特定のカラーやジャンル」はあえて押し出したりはしないことに

しています。


――とはいいつつ、前言を翻すようですが、以下はまあ編集長としてでなく、イノクマ個人としての思いの方によった考え方ですが、「講談社ラノベ文庫」という場所(レーベル)については「書く人にとっても、読む人にとっても最高の場所でありたい」と願っています。作品カラーというか、作品の雰囲気、にじみ出てくる味としては「お母さんのカレー」みたいなものであったらいいなと思ってます。


お母さんのカレーというと、個性的な味付けがなく、特徴がない、みたいに思われるかもしれませんが、その実各家庭ごとに「一工夫」がなされているはずです。しかもその一工夫というのは、主張が強くなくともじわっと感じられるものであるという……思えば「作家性」という言葉を使うと、「エッジが効いていて、印象として強く刻みつけられるもの」みたいなイメージがあると思いますが作家性というものは書く人誰にでももともと備わっているもので、自覚的にならなくてもにじみ出てくるものだ、と考えています。


ちょっと脱線した感じですが、「講談社ラノベ文庫」という場所、たとえ方が変かもしれませんが、かの『銀河英雄伝説』に於ける《自由惑星同盟》みたいな存在でありたいとも思います……いや、だからといって負けませんよもちろん(笑)


2018/10/25 14:52

――というわけでして、最初から最後までうまくまとまらない感じになってしまってお恥ずかしい限りでありますが、個人的な感慨をもうひとつ。


あたらしい才能というものが育まれる場所はいつでも「その当時に、周囲から馬鹿にされる」場所なのだと考えています。映画に携わりたいと思いながら、映画界にはもぐりこめず、代わりに当時は子供相手のものだと馬鹿にされた「アニメ」に活動場所をもとめた人たち、同じように映画にあこがれながら、代わりに映画から学んだ考えや表現の神髄をいかして、こちらも子供向きとみられていた「漫画」に活路を見いだした人たち……オタクという言葉がなかったころに始まった「コミケ」もいまでは延べ数十万人があつまる巨大イベント(世界最大のイベントという説もありますが)となりました。近い例ではいつかブームが終わるだろうと思われつつむしろ勢力拡大している《なろう小説》群も同様でありましょう。ライトノベルというものがいつから始まったのかは諸説ありますがこちらも、よろしくない表現かもしれませんが「下」に見られていたところがあったと思います。そこから始まって隆盛を迎えるのではありますが――。


何がいいたいのか若干怪しくなってきたのですが、つまりは小説、という表現形態も、この先どんどん変わっていくのかもしれません。電子書籍を閲覧するところとしてのスマホが、どこまで現在の形のままかはわかりませんが、あたらしくメジャーな閲覧媒体、記録媒体の影響で表現そのものが変化する可能性も秘めているでしょう。(その実かの『銀英伝』冒頭にありますように、人間は紙以上の記録媒体をつくることができないのかもしれませんが)


でありますが、たとえどんな変化があったとしても、物語が人に伝わり、人を癒やし、人を奮い立たせていく、という本質的なことには変わりはないのだと思います。それゆえ、書き手のみなさまどうか、これからも、主たる活動場所がどんなところであっても「何かを、イメージした誰かに伝えて、喜んでもらいたい」という思いを持ち続けて進んでいただきたいと思います。力ない一編集者ではありますが、許されるなら書き手のみなさんと一緒に、「物語の本質を常に確認しながら、さらに人に伝わり、癒し、勇気づけていくためにどんな場所を選んで、選りすぐりの才能とともに歩んでいけるのか」ということを、これからも追求していきたいと考えております。


とりあえずこんなところでしょうか。おつきあいいただきましてありがとうございました。


2018/10/25 15:36
ご参加の作家の皆様、そして読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうございました。
閉会の時間となりました。(業務に追われて、16時を過ぎてしまいましたが……汗)

そうですね……少し前のご質問で、編集者になった理由、というものがございましたが、結局のところ「物語の価値を信じているから」から、ですよね。
至道さんのコメントにもありましたが、僕は、日本が発信するエンタメと、そのエンタメを作り出す創作者の方々の才能を信じています。
僕が学んでいた理系の日本の物作りも素晴らしいものですが、少しずつ他国の後塵を拝すことになってきています。ですが、日本のエンタテイメント産業は、まだまだ無限の可能性がある、と感じるのです。だって、僕たち小さい頃から、漫画や小説、ゲームにアニメなどにどっぷり使ってきたんですよ!? 世界の中でも、日本は、最強のエンタメエリートの巣窟だと思うんです!(笑)


そう信じ、講談社に入社して15年ほど。その思いはまったく変わりません。

その中で、小説というものは、もっともシンプルな文字だけで構成されたエンタテイメントです。だからこそ、もっといろいろな形で、読者のもとに物語を届けることができると思うのです。

講談社タイガは、講談社文芸第三出版部は、既存の小説の枠組みだけにとらわれず、創作者の方々達と、読者の方々と、新しい小説を、エンタメを作っていける部署でありたいと思います。
その試みの一つが、このリデビュー小説賞でした。


語っても語っても語りきれない思いはありますが、まずは、リデビュー小説賞座談会、ここでいったんお開きとさせていただきます!次回の開催も社内で検討しておきますね。

本座談会に参加された皆様をはじめとして、創作者の皆さん、読者の皆さんに、これからも「NOVEL DAYS」を、講談社を、小説を、日本のエンタメを、信じて応援していただければ、こんなに嬉しいことはございません。どうか今後ともよろしくお願いいたします!

2018/10/25 14:58

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登場人物紹介

講談社タイガ編集長:河北
講談社文芸第三出版部にて、講談社タイガや、講談社ノベルス、講談社BOX、単行本、雑誌「メフィスト」、メフィスト賞などの選考に携わる。座談会でのレスが長くなりがち。

講談社ラノベ文庫編集長:猪熊
某月刊漫画誌の編集長を務めたのち、講談社ラノベ文庫、Kラノベブックスの編集長に。とても優しい。

作家:至道流星

文芸第三出版部出身の作家でありながら、「DAYS NEO」「ILLUST DAYS」「NOVEL DAYS」の運営・サポート業務から企画提案までしてくださる頼れる実業家。

講談社タイガ:イズミ

講談社文芸第三出版部にて、河北編集長のもと小説の編集をする。ミステリだいすき、ラノベだいすき。

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