文字数 496文字



暑さが当たり前になっている最近の夏
そんな日が突然終わりを告げると
どんなスタイルが正解なのかと
朝から鏡の前でショーが始まる
昨日からの予報で言われていたのに
こんな時慌ててしまうのは
こんな時に限って寝坊気味だから
タイムリミット近づいて
誰も見てないやと適当を装って撃沈
オシャレ人達はこんな急な変化にも
うまく着飾って歩いている
無難と言うカテゴリーにさえも
届いていない自分の姿が窓に映るたび
濃くなる雲の色と同じくらいの
憂鬱さに占領されていく
そんなわけだから
なかなかやる気にも繋がらず
職場にたどり着くだけで
昨日までに貯めたやる気のゲージは
ドンドンと0に近づく
お願いしているのに待ちきれない空は
人々の都合なんてお構いなしに
夏の終わりを告げるような
冷たい雨を落とし始めた足元に
濡らしてしまった靴の
不快感まで押し付けてきた
悲しい事だらけの日
でもとりあえず受け止めよう
美味しいデザートも
満腹な時においしさが半減するように
中途半端に満たされているよりも
空っぽになってからの方が
些細な良いことも
ものすごくいい事に感じられるはず
そんな事を思い始めたら何だか少しだけ
久しぶりにやってくる秋を
待ち遠しい思ってたんだと気づいた

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