第14話:ポルトガル移住とゴールデンビザ

文字数 2,166文字

 2008年のリーマンショックで急激な円高になった。その後、三菱UFJ銀行のリスボン支店がある事がわかり、口座を開きに行き、その後、8月1日に日本の三菱UFJ銀行に電話して5億円を送金する手続きをし2億万円を1ユーロ、103円で両替して194万ユーロになった。その後、8月5日に、残金が3.5億円と194万ユーロとなり、すぐに50万ユーロを不動産屋に支払い144万ユーロとなった。

 その後、不動産屋に領収書と住居の売却証明書をもらい、リスボン移民局に提出した。2011年8月10日に新しく購入した家の雑草取りと清掃が終了したと電話が入り、入居した。そして2ケ月後の9月27日に、ポルトガルのゴールデンビザが、送られてきた。2011年9月27日の塚田守の残金が3.5億円と144万ユーロとなった。購入した家は高速道路や大きな道路が多くリスボン空港まで車で5分、地下鉄駅まで徒歩5分。

 また自然動物公園、徒歩10分、車で5分でヨットハーバーがあり、その前に大きな病院もあって、とても便利な場所。学校を探しにいくと家から車で30分の所にカルルーチ・アメリカンスクールがあり2011年9月30日に日本から移住してきたが18歳・肇、高校3年生・15歳・美恵子・高校1年の2人を入学のお願いに行った。

 すると住居証明と電話番号、資産を証明書、ゴールデン・ビザのコピーを見せてくださいと言われので数日中に持参すると答えた。自宅に帰り近くに住むアメリカ人・スージーと言う名の女性に来てもらいカルルーチに入学させたい3人の子供達に英会話の指導をお願いし了解してもらった。7月28日、住居証明と資産証明として預金通帳のコピー、ゴールデン・ビザの申請受理した証明書をカルルーチの事務局に提出した。

 その後、15分間の親子面接を受けて入学許可をもらい明日から登校できますと言われた。翌日から塚田守が3人の子供を送り迎えすることにした。更に日常英会話に力を入れて週2回、教えてもら様にした。また5月下旬~9月上旬までの間に、まるまる3カ月が夏休みになる。10月になり車で、ナザレへ中古の大型バンを買って8人で出かけた。家から1時間半でナザレへ到着してケーブルカーで丘の上に上がり高台からの海辺の景色を眺めた。

 弓状の形の浜辺は透明度の高そうな青色と浜辺の砂浜、回りのポルトガル独特の白い壁と紅い屋根の家の色のコントラストが最高。その後、浜辺に降りると海はきれいでしたが波が高く外海のため水温も低く、泳ぐという感じではない。町の路地を歩いて、お腹が空いたのでレストランに入ると海老と白身魚の入ったリゾットです。上にパクチーがのっていて海鮮料理の味がきいて、最高に旨い。

 海風が強いせいかリスボンよりも寒く感じて夏の避暑地の海といった感じ。11月になり寒くなってくるとポルトガルのリゾット「海鮮スープ」が美味しくなる。この味は絶対に日本人に受けるのは間違いない。自宅でもニシンを買って焼いたり、白身魚、エビ、貝を買い込んで、スープを作ってはリゾット、フォー「ベトナムの乾麺」を入れて食べるのが定番となった。2011年11月5日、突然、長女の塚田和美さんから塚田守の所にメールが届いた。

 それには相談したいことがあるので、そちらに行くのでリスボン空港に迎えにきて欲しいと連絡があり5月6日に迎えに行った。その後、空港内のカフェで話を聞いた。それは2009年から大学3年の時、カリフォリニア大学サンディエゴに留学中に米国の友人3人とベンチャー起業でソフトウェア会社「ドリーム」を立ち上げ卒業後、役員としてソフトウェアの売り込みの仕事をしていた。しかし仲間3人と折り合いが悪くなり会社を辞めようかと思っていると話した。

 そこで塚田守から和美が退社する気になった理由を聞くと他の3人がソフトウェア開発の仕事をして睡眠時間を削って死にものぐるいで働いている。それなのに午前10時頃から夜18時頃までの8時間労働の外勤と同じ給料では不公平だと言われた。これで給料を均等に分けるのは、おかしいと言い出したのが原因だと言った。長女の和美がソフトウェアの販売の大変さを話しても理解してもらえず4人の中で孤立したらしい。

 最近、現状の利益の1割を退職金にするから退職して欲しいと言われたと悲しそうに語った。そこで塚田守が和美に、君は、どうしたいと聞くと、私はソフトウェアを開発するだけの才能は無い。営業活動と言っても競争が激しく将来的には厳しい仕事。また仲間から退社してと言われて、やる気を失ったと答えた。退職金はいくらと聞くと30万ドルと言った。それに対して塚田守はその金額は普通の男性サラリーマンの年収の5倍だと伝えた。

 その金で自分で何か仕事を始めるか投資で増やして行きながら、ゆっくりと人生を自由に楽しく生きても悪くないんじゃないのかとアドバイスした。するとアメリカで6年以上生活して行きすぎた経済至上主義と競争社会に疲れたと告げた。数週間、ポルトガルの家に、お邪魔して良いかしらと言うので、いいよ。大歓迎すると言うと、やったと笑いがこぼれて、あんまり頑張りすぎるなよ肩の力を抜いて生きろと言うと和美の目に涙があふれて父に抱き付いた。
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