第21話:肇の米国大学受験

文字数 2,134文字

 その後、子供達は鶏の丸焼き、ビーフステーキ、パンなどに食らいついた。和美の方を見ると母の美鈴さんに、ありがとうと言って昔を振り返り涙を流した。これを見ていた塚田守も胸が熱くなって目に涙を浮かべ、やがて頬を伝って流れ落ちた。今日の天気は快晴で海も波が静かで、最高のクルーズ日和だった。その後、エンジンを止めて帆に当たる風で航行していた。ゆっくりと昼食を兼ねた、パーティーが続き、お腹いっぱい。

 午後14時頃、これから飛ばすぞと言いクルーザーのエンジンをかけて高速運転を始め風が強くなってきたので、それぞれウインドブレーカーを着こんだ。カラマランヨットは双胴なので、パーティーを終えた後は男性達と女性達が別れて、ベッドで横になったりできる。その後、本を読んだりゲームをしたりして、それぞれの時間を過ごし始めた。しかし長男・肇、次女・美恵子が父のクルーズの運転をみて私たちも早く運転免許取りたいなと話した。

 そのため運転の操作を見て覚えようと父の近くから離れようとしなかった。そして日が傾いた頃船がリスボンに近づき午後18時過ぎにリスボンのヨットハーバーに入った。船内を片付けて、大型バンに乗り換えて自宅に帰り、この日は疲れたようでシャワーや風呂に入って早めに床についた。やがて夏になり次女・美恵子が勉強でわからないところや勉強の仕方などを兄の肇に聞くようになった。

 肇は、英語、数学、科学が得意で、将来は、電子工学を学びたいと考えて、パソコンを毎日使っていた。2014年の夏休みに、アメリカに子供達が行きたいと言うので塚田守と肇、美恵子の2人で2014年6月10日に出かける事にした。リスボンから直行便で8時間半程度で多くの航空会社の路線があった。6月11日にニューヨークについて、1日目にコロンビア大学、ニューヨーク大学を見学して、ボストンに飛んだ。

 2日目、ボストンではマサチューセッツ工科大学・MIT、ハーバード大学を見学。3日目ボストンから西海岸・カリフォルニアに飛んで4日目、スタンフォード大学、カリフォルニア工科大学、UCLAロザンゼルス校。5日目にUCSDカリフォルニア大学サンディエコ校、サンディエゴ州立大学など名門大学を見学して回った。6日、7日目にニューヨークに戻って、マンハッタンや有名な観光地をめぐった。

 帰る前日、塚田守は子供達に見学した感想とアメリカ留学について聞いた。すると肇は世界トップクラスの大学に対しての憧れが強かったが気候、景色から生活するならサンディエゴが、一番気に入ったと話した。その理由は大都会に比べて自然が豊で海がきれい寒さ厳しくないのも良いと言った。美恵子は兄の様に学校の成績もよくないし多分、見学した大学に入ることは不可能だろうと言った。

 美恵子も、もしできれば、アメリカで知識、技術を習って、ポルトガルに戻って、それを生かしたいと話した。8日間にわたる、アメリカ旅行を終えて、ニューヨークから、リスボンに帰った。肇は既にカルルーチでは学年トップの成績で頑張っていた。夏休みも勉強、クラブ、ボランティア活動を積極的にこなしていた。更に父にお願いして英会話の力を上げるために近くに住む、UCLAロサンゼルス校出身・アメリカの商社マンのトミーに英会話をならった。

 その後、英会話の特訓・TOEFLの模擬試験をお願いした。肇、美恵子2人一緒に教えてもらった。彼がアメリカの大学は1回の試験で合否を決めるのではなく論文・作文、英語能力、クラブ活動、ボランティア活動、生徒会活動など総合的に調べられる。だから、それら全ての総合力をつけるように日頃から高校での授業、活動に積極的に取り組むようにと言った。彼に依頼すると肇にカリフォルニア大学・サンディエゴ・UCSDを受験するんだってと言った。

 大学受験に合格のために協力すると固い握手をしてくれた。そして勉強を続けていた時、トミーが肇に大学には行って、どんな勉強をして、どんな会社に入りたいのかと聞いた。するとソフトウェアの勉強がしたい。その後シリコンバレーの一流企業、グーグルとか、マイクロソフトなどをめざし達というと、わかったと言った。それなら、カリフォルニア大学サンディゴとサンディエゴ州立大学、両方を受験する方法を教えると言った。

 受験前に、カリフォルニア大学・サンディエゴとサンディエゴ州立大学に電話して、学校訪問すると良いと言って良かったら一緒に行こうと言うので父も一緒でも良いか聞くとOKと言い、出かける事にした。9月にトミーにお願いしてサンディエゴ州立大学とカリフォルニア大学・サンディエゴの学校訪問の9月10日に予約を取ってもらった。そしてニューヨーク経由でサンディエゴまで14時間かけて到着した。

 身体を休めるために1泊して、レンタカーを借りて朝8時に父の運転でサンディエゴ州立大学を午前中に訪問。キャンパスを一通り回り11時から受験担当官との面接をした。面接官が日本からポルトガルに移住した理由なども聞いた。最後に何故、ここを選んだかと聞かれ都会の忙しさがなく、おおらかなサンディエゴが気に入ったというと面接官が笑いながら、合格するの祈ってるよと言ってくれた。
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