第21話 満月

文字数 7,066文字

その日の夜。ロレンツォは、森の南の海岸沿いの道路にSUVを止めた。
助手席の扉を開けてジャスミンが降り、ロレンツォも続く。
ロレンツは、ひんやりとした強めの潮風を受けて、風のかたちを感じた。
磯の香りが鼻腔に満ちると、いやでも観光気分が盛り上がる。
明るいジャスミンのせいもあるかもしれない。
満面の笑みを浮かべる彼女を見ていると、今日一日の騒動は遠い昔の出来事の様である。

小さな街灯に照らされたジャスミンが砂浜の一方を指差すと、二人は微笑みながら砂浜に降りた。
二人がここに来たのは、かつてワイアットが口にした神の死体を見るためである。
それは、ロレンツォがこの街で過ごす最後の夜にとっておいたイベントで、かねてからジャスミンと約束していたこと。
波と風の音。
微かに届く街灯の灯りが、砂浜に打ち寄せる暗い波の揺らぎを教える。
ジャスミンは、砂に取られて足をひねるとパンプスを脱ぎ、裸足で砂浜を歩き始めた。
小さなジャスミンの背中を見つめたロレンツォは、思い出した様にスティック・ライトを取出すと、彼女の行く先を照らした。
振返ったジャスミンの顔は、やはり満面の笑み。喋るのは彼女である。
「足が冷たい。」
ロレンツォが付き合いで笑うと、ジャスミンは後ろ歩きをしながら質問を口にした。
「ホラー映画が好きなの?」
ロレンツォが首を傾げると、風で髪の乱れたジャスミンが言葉を続けた。
「何も夜に来なくても。」
ジャスミンのもっともな疑問に、ロレンツォは短く答えた。
「全ての物は最高の条件で楽しむべきだ。皆がそれを恐れているなら、最も怖い条件で見るのが礼儀だと、僕は思う。」
納得したジャスミンは、前を向くと、暗闇に向かって話しかけた。
「この街に興味があるなら、もっとゆっくりしていけばいいのに。」
ロレンツォは笑って顔を横に振ったが、彼女には見えない。
「誰か待ってるの?」
一瞬振返ったジャスミンは、ロレンツォの笑顔を見つけた。
「奥さん?恋人?」
ロレンツォは、静かに微笑むだけ。
「どんな人?」
ジャスミンのしつこい質問に、ロレンツォはとうとう口を開いた。
「ノー・コメントと言っておこう。」
二人は静かに笑った。
シーズン12まで続く恋愛大河ドラマにはまるジャスミンの頭の中は、ベビー・ピンクに仕上がっている。
ジャスミンは次の質問を探したが、結果は同じだった。
「本当に誰も待ってないの?今までは?」
ジャスミンから自分への関心を微かに感じたロレンツォは、暗にワイアットを勧めた。
「料理の上手い男と一生一緒にいれば、きっと楽しいだろうとは思うよ。」
ジャスミンは、意味が幾つかにとれる答えに複雑な表情を浮かべると、静かになった。

静かな散歩が暫く続くと砂浜は狭くなり、向かう先は岩礁だけになった。
ジャスミンは、何故か張り切ると、岩に手をつき、バランスをとりながら進んだ。
力が入ると思考回路も変わったのか、ジャスミンのお喋りが再開された。
「親戚はいないの?」
ロレンツォの答えは早い。
「人間だから、何人かはいる。」
ジャスミンの足元を照らしながら、靴の傷まないルートを探すのは難しい。
ロレンツォの言葉はいつも以上にぞんざいになったが、ジャスミンの質問は終わらない。
「お父さんは?」
「生きてる。」
「何で連邦捜査官になったの?」
ロレンツォの言葉が止まると、ジャスミンは振り返った。
その瞬間、ジャスミンの目の前で大きな波が岩で砕け、ロレンツォの全身を濡らした。
フル・オーダーのスーツが水浸し。
鼻の先から海水を垂らすロレンツォは、目を丸くするジャスミンに照れ笑いを浮かべた。
ここまで濡れると、あきらめがつく。
海水を気にする必要がなくなったロレンツォは、岩礁の上を革靴で器用に進んだが、裸足のジャスミンには叶わない。
微笑んだジャスミンが、自分の口にした質問を忘れた頃、ロレンツォは不意に口を開いた。
「姉が誘拐事件の被害者だった。」
ジャスミンが耳を疑う中、ロレンツォは言葉を続けた。
「ある日、突然、いなくなって、親が騒いだ。覚えてるのは、声を裏返して、叫んでるのか、吠えてるのか、泣いてるのか。頭を掻きむしって、ぐるぐる歩き回って。その程度だ。それから、すぐに連邦捜査官が来て、家に詰めた。僕は子供だったから内容は覚えてないが、ずっと話してた。」
決して聞きたい話ではないが、ジャスミンは、尋ねた者の使命として口を開いた。
「帰って来たの?」
ロレンツォは、また一つ大きめの岩を超えると、答えを口にした。
「無事にね。雨の日だった。電話がかかってきて、皆で家を出たら外に座ってた。それは覚えてる。」
笑っていいものか分からない。ジャスミンは質問を重ねた。
「犯人は?」
振り返ったジャスミンの心配そうな顔を見たロレンツォは、顔を横に振った。
「いや、それが理由だ。僕が捕まえようと思った。僕達の家族が、姉が、その後にどんな思いをしたか。心の病んだ子供が家族をどう変えていったのか。子供への愛が、親にどこまでの無茶をさせたか。犯人に、直接、伝えたかった。」
頭に浮かぶ質問は止めどないが、どんな答えが待っているか分からない。
暫く悩んだジャスミンは、そのまま沈黙を選んだ。
岩の上を進む静かな時間を止めたのはロレンツォ。
「ここはいい街だ。でも、仕事があるから帰らないと。」
ロレンツォが帰りを急いだ理由は恋人ではないということ。
「どんな仕事なの?」
ジャスミンが尋ねた途端、二人の目の前に大きな岩が現れた。
周囲を見る限り、この岩を越えないと先にはいけない。
喋るのを止めた二人は、注意深く、時間をかけて岩を登り、そして降りた。
先に降りていた裸足のジャスミンは、後から降りてきたロレンツォを笑顔で迎えた。
口を開いたのはロレンツォ。
「誘拐事件の被害者が、精神病院で待ってる。」
ロレンツォはジャスミンの質問を忘れていなかったのである。
「お姉さん?」
ジャスミンが口にしたのはありえない問いかけ。
ついさっきのロレンツォの言葉が、あまりに強烈だったということ。
目を細めたロレンツォは、しかし笑顔で答えを口にした。
「別人だ。キリストの降誕を見たと言ってるらしい。」
寂しい気持ちになっていたジャスミンは、小さな笑い声を漏らした。

笑顔を残した二人がしばらく進むと、切り立った岩肌に穴が見えた。
ジャスミンの表情から想像する限り、洞窟の入口はそこ。
岩肌の節理が伝える質感が、ただの穴に力を与えている。
近付いた二人が覗き込むと、穴の中は当たり前に真っ暗で、一切の光がない。
ここに入るには、かなりの勇気が必要である。
様子を窺うために、ロレンツォがライトを向けると、しかし、今まで照らされる先を追って歩いて来たジャスミンは、そのまま中に足を踏み入れた。
穴の大きさは、二人ですれ違うのが難しいぐらい。
ロレンツォは一瞬だけ躊躇ったが、小さな背中を追うために腰をかがめると、穴の中へと足を進めた。

洞窟の中は相変わらずの岩場で、奥に向けて僅かに登っている。
足元には水が流れているが、波があったのは入口まで。
ロレンツォが穴を登りと思ったのは、水の流れのせいである。
少しだけ空気が生温かいのは、昼間の暖気が残っているせいに違いない。
上から落ちた水滴に、ジャスミンが跳ねると、二人は小さく笑った。
海水で濡れていなければ、ロレンツォはこの時点で断念していたに違いない。

先を進むジャスミンが、ロレンツォとの距離をどういう訳か気にして見せると、ロレンツォは彼女が進むのを待った。
ただ、あまり先は見えない。洞窟は曲がっているのである。
湿気た空気を吸いながら静かに進んでいると、ライトが照らしたカーブの向こうに、一瞬だけ何かが見えた。
見えなくなった理由は、ロレンツォがライトを下げたから。
ロレンツォは、振り返ったジャスミンに話しかけた。
「そこで止まって、後ろを向いていて。」
ロレンツォの声が、洞窟の中で響き渡る。
彼には、大体、それが何か分かった。
白骨である。
しかも、普通ではない。ジャスミンには決して見せられないレベル。
ロレンツォは、狭い穴の中でジャスミンの横をゆっくりと通り過ぎた。
足が水にはまったが、仕方のないことである。
ロレンツォは、注意深く、神の死体を目指した。
神が死ぬのかどうかは知らないが、自分で呼び方を変える気にはならない。
ようやく触れられる位置に来て、白骨をライトで照らすと、耳元でジャスミンの声がした。
「頭が二つあるわ。」
ロレンツォは驚いて振り向き、ジャスミンの顔を間近に見た。
二人が浮かべたのは、不安の混ざる微笑み。
まずは、ジャスミンは止まらなかった。心配は不要だったのである。
ロレンツォが改めて向き合ったのは白骨。
確かに頭蓋骨が二つ並んでいる。
座っているが、想像する限り、身長は百三十センチ程度。小柄である。
片方の頭蓋骨には銃創。もう一方は無傷。
二人は、白骨の前にしゃがみ込むと、瞬きを忘れて、神の死体に見入った。
口を開いたのはロレンツォ。
「君達が言った通りだった。」
ロレンツォは、スマートフォンで写真を撮ると、銃創のある頭蓋骨の位置を少しだけずらした。
銃弾を探すのである。
しかし、白骨の周囲は草が多く、何も分からない。
ロレンツォは、スティック・ライトをジャスミンに預けると、ナイフを取り出し、草を削ぎ落した。
連邦捜査官の捜査が始まる。気分の出て来たジャスミンは目を輝かせた。
「何かある?」
ロレンツォは、ジャスミンを振返ると、静かに顔を横に振った。
「いや。暗いし、もっと時間をかけないと。」
言った傍から、ロレンツォはあっさりとナイフをしまった。
口に出してみて、自分の始めた作業の行方が途方もない事に気付いたのである。
写真こそ撮ったが、自分の管轄でもないのに現場を荒らしたのも、捜査官として失格かもしれない。
大人の事情を知らないジャスミンは、このままでは終われない。
「本当に頭が二つあるのかな。子供二人が、親の服を着てたんじゃない?」
ロレンツォは、ジャスミンの顔を見つめた。
二人で死んでいる時点で尋常ではないが、神の正体は、悪趣味な悪戯だったのかもしれない。重要な指摘である。
ロレンツォは、白骨に向き直ると、着ていたシャツのボタンを上から外そうとした。
ロレンツォが手を止めたのは、一つ目のボタンを外した直後。
その必要が無かったのである。
気まずくなったジャスミンが目を反らすと。ロレンツォはボタンを直そうとした。
肝試しに来た子供達に好きにされてきた事は想像に難くないが、服を脱がそうとしたのはあまりに申し訳ない。
ロレンツォの当たり前の気遣いは、古くなった糸が耐えきれずに切れると無駄になった。
再び現れた静寂を破ったのはロレンツォの呟き。
「イクサック・エプシュタインかも知れない。」
言葉の重さを感じ始めたジャスミンが沈黙を守ると、ロレンツォは独り言の様に話し続けた。
「彼とは誰も会ったことがない。税金を払い続けてる弁護士もだ。前に話したと思う。」
ジャスミンが頷くと、ロレンツォは言葉を加えた。
「意外とこの人かも知れない。」
ジャスミンの瞳は、二つの頭蓋骨の間を忙しく動いた。
「どっちが?」
確かにそうである。ロレンツォは小さく首を傾げると、彼女の遥か後方の暗闇を見た。
「戻ろう。」
ロレンツォがライトを受取り、腰を上げると、慌ててジャスミンも続いた。
位置的に、先を進むのは彼女。
少し不安になったのか、ジャスミンは後ろに手を伸ばし、ロレンツォの濡れたジャケットの裾を掴んだ。
足を進めても、ジャスミンは黙っていられない。
「他殺?自殺?」
ロレンツォは、短いシンキング・タイムをとった。
「銃創は一方だけだから、何がどうだろうと他殺だ。」
ジャスミンは瞬きを忘れたが、大事なことを確認した。
「捜査はするの?」
ロレンツォは、足場を選びながら、静かに答えを口にした。
「前に、オリバーとマシューが、森に近付くと、全員が不幸になると言っていた。放射能のせいかと思ってたが、このせいかもしれない。不動産屋も話してた。昔の保安官もいろいろやったらしい。多分、君達が言ってた不思議な出来事も、全部、そのせいだ。一応、オリバーには報告するけど、おそらく、余所者が無神経にかき回していい世界じゃない。丁寧に進めるんだ。」
ジャスミンにしてみれば、オリバーやマシューと昔の保安官に違いはない。
皆、保安官である。
今まで問題を隠してきた彼らに報告して、何の意味があるのか、ジャスミンには分からなかった。

無口になった二人は、ひたすら洞窟の入口を目指した。
ジャスミンの心を埋め尽くしたのは罪悪感。
結果的に、二人は、白骨になった不幸な死体を放置したことになる。
死んではいるが、見殺しにした。
二度殺した様な錯覚である。

やがて、そうなるべくして、海水のせいで足場は悪くなった。洞窟の入口である。
先に外に出たのはジャスミン。
頭の高さを気にする必要がなくなると、彼女は背を伸ばして、どこまでも続く空を見上げた。
開放感。
冷たい空気は、磯の香りが混ざっていようが、少なくとも新鮮で、心地いい。
外に出てみると思うが、空気の澱んだ生暖かい洞窟の中にいる間は、イクサック・エプシュタインに、ずっと包まれている様だった。
後から出て来たロレンツォも、ジャスミンを真似て、大きな伸びをした。
その瞬間、二人の顔の向かう先にあったのは月。
洞窟に向かう時は、ライトが照らす足元を見ていたので気付かなかったが、星を散りばめたミッドナイト・ブルーの空に、輝く様な黄色い光を放つ、大きな満月が浮かんでいたのである。
この地に来て、ニコーラはよく空を見ていたが、ロレンツォが空を見上げたのは、この時が初めて。
満月は、二人の気持ちとは違い、一切の影がない完全な円。
何よりも輝いている。
口を開いたのは、自然の魅せる普遍的な美に心を奪われたジャスミン。
「きれい。」
ロレンツォは、久しぶりに出会った、月の光を愛でる人を観察した。
ジャスミンのブロンドの髪の毛が夜風に揺れている。
ロレンツォの視線に気付いた彼女は、今まで通りに満面の笑みを浮かべた。
瞳は潤んでいるかもしれない。
静かにジャスミンを眺めていたロレンツォは、心のどこかに引っ掛かっていた言葉を、つい口にした。
「本当は何もないんじゃないかと思ってた。君の言うことは、全部嘘かと思ってたんだ。」
ジャスミンの顔から笑顔がゆっくりと消えた。
「私が何か言った?」
ロレンツォは首を傾げた。
「あの村やダビデの話。君から聞いた話が本当だと、幾つかの筋が通らない。どうしてだろう。」
今度はジャスミンが首を傾げたが、ロレンツォは話を続けた。
「ワイアットが君と初めて会ったのは数か月前だ。他にこの街に知合いは?」
予想外の追及に笑ったジャスミンは、ロレンツォとの楽しかった時間を取戻すために、一つ前の質問に答えた。
順を追って、一つずつ解決していけば、この妙な尋問は終わる筈なのである。
「人から聞いた話もあるわ。お酒を飲んで、適当なことを言ったら、やっぱり疑われるの?私が何かしたと思う?」
ロレンツォは説明を急いだ。
「SNSで検索できる街のホテルは二つだけだから、潜入は簡単だ。」
「潜入って?」
「ダビデの仲間。リアの昔の仲間かもしれない。」
ジャスミンが言葉を失うと、ロレンツォは言葉を続けた。
「可能性を否定できないことは確かだ。君には疑わしいところがある。」
ロレンツォは、ジャスミンの顔から笑顔が消えていくのを見ながら、言葉を続けた。
「でも、それも今となっては、特に捜査する理由はない。僕の気持ちだけの問題だ。」
ほんの少し前、ロレンツォを潤んだ瞳で見たジャスミンは、完全にいなくなった。
「じゃあ、言わなきゃいいのに。寂しいのね。」
ジャスミンは岩の上を歩き始め、ロレンツォは少し離れて、小さな背中を追った。
考え事をしていたせいか、慣れのせいか。二人は、行きよりも早く砂浜に着いた。
足元の不安が減ると、ロレンツォは、歩きながら、ほんの数分前の間違いを思い返した。
なんで、あんなことを言ったのか。
ジャスミンの足元を照らしながら、波が押し寄せる海を見つめ、ロレンツォは考えた。
おそらく、ロレンツォの本能はジャスミンが美しいと思い、そして拒絶したのである。
ロレンツォの姉は、事件の後、彼に何があったか語ることはなかったが、両親とは、時々、口論をしていた。
幼いながらに、幾つもの地獄を想像して育ったロレンツォは、告白される前に、女性への関心を意識すると、自分の中に犯罪者の影を感じ、徹底的に否定してしまうのである。
彼にとってはいつもの事で、きっと一生変わらないルール。
ロレンツォが違和感を持ったのは、過去に彼を自己嫌悪に陥らせた女性とジャスミンのタイプが明らかに違ったこと。
悲しい白骨を見た後だったからかもしれない。
多分、そう。
若さは生命力を感じさせ、絶望的なロレンツォの心に未来を期待させたのである。
愛に溢れる幸せな生活。
笑顔だけの世界。
ジャスミンに魅かれたと言うよりは自己愛。確かなエゴイスティック。
ロレンツォはそう結論したが、口にはしなかった。
さすがのジャスミンも、もう話しかけてこない。
そう言えば、ワイアットの親の話では、昔は、満月の夜に神が歩いていたらしい。
満月の夜以外はどうしていたのかとも思ったが、深く考えても答えはない。
ロレンツォは、ジャスミンが黙々と足を進める先に見える、街灯に照らされる車を見た。
どっちでもいいが、街に戻るには、彼女と車に乗る必要がある。
一瞬で着くわけでもない。
濡れたロレンツォは、小さな悩みに苦しみながら足を進めた。
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